未経験職種に転職する場合、より志望動機が重要となります。
たとえ経験や実務に必要なスキル、知識がなくても、志望動機がしっかりしていれば採用される可能性は高くなるからです。
この記事では未経験職種に転職する場合の志望動機を作成するポイントについて、例文も交えてご紹介します。
未経験職種の志望動機の作成ポイント
転職の面接では志望動機が非常に重要になります。
特に未経験者の場合は経験者と比較するとどうしても経験や知識、スキルがない分、志望動機で勝負する必要があります。
採用担当者は志望動機からこれまでの人生経験や考え方、仕事に対するモチベーションや向き合い方など、さまざまな事柄を読み取ろうとしています。
以下のようなポイントを意識して作成することで、それらが伝わりやすくなり、採用の確率が高まります。
スキル・知識を身につける意欲や姿勢をアピールする
まずは業務に必要な知識やスキルを習得する意欲、あるいはどのように習得していくのかという道筋を明らかにしましょう。
ただ「頑張ります」「入社してから勉強します」では説得力がありません。
具体的にどれくらいの期間でどのようなスキル・知識を習得するのか、そのためにどのように取り組んでいくつもりなのか(取り組んでいるのか)を明らかにしましょう。
未経験で応募しようと思った理由を明らかにする
採用担当者にとってはなぜわざわざ経験がない業種・職種に転職しようと思ったのかも大きな関心ごとです。
これによって求職者のモチベーションや本気度がわかるからです。
やはりただ「興味があるから」ではなく、その業種や職種のどのような部分に興味を持ったのか、どんなきっかけで興味を持ったのか、転職して何を成し遂げたいのかを具体的にしましょう。
経験者との差を埋める方法を示す
未経験で転職する場合、経験を有する求職者やすでに応募先企業で働いている従業員とは知識やスキルの面で大きな差が開いているのは変えようがない事実です。
それをどのように捉え、差を埋めていくのかを明らかにしましょう。
また、逆に未経験ならではのメリット(業界の慣習にとらわれない考え方ができる、在籍している従業員にはない知識やスキルがあるなど)をアピールするのも手です。
前職の経験で活かせるものをアピールする
未経験業種や職種に転職したとしても、現職や前職で培った経験が活かせる場面はあるはずです。
たとえば営業職で培ったコミュニケーション能力はどのような職場でも必要となるスキルです。
事務職で習得できるパソコン操作のスキルやミスのない正確な事務処理能力も、同様に多くの職場で必要とされるスキルです。
このように、現職や前職の経験を何らかの形で応募先に活かせないかを検討してみましょう。
志望動機の書き方とは?
転職時の志望動機は主に以下の3つの内容を盛り込みましょう。
これによって説得力が高い志望動機が作れるようになります。
①志望した理由や興味を持ったきっかけ
応募先の業界や職種に興味を持ったきっかけは具体的なエピソード(商品やサービスを使ったことがある、その職種に従事する人から話を聞いたことがあるなど)を盛り込むのがおすすめです。
また、応募先企業に応募した理由=その会社でなければならない理由についても考えてみましょう。
そのためにも企業研究は必須で、可能な限り会社説明会で情報を収集することが大切です。
②志望先で成し遂げたいこと
次に志望先でどのようなことを成し遂げたいのかを明らかにしましょう。
ただ「●●をしたいです」「●●になりたいです」だけではなく、それを成し遂げることでどのような利益やメリットを応募先に与えられるのかを盛り込むことで、より採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
③志望先で活かせる経験・実績
先ほどもご説明したとおり、業種や職種は違っても現職・前職の経験を何らかの形で応募先に活かせる可能性があります。
現職・前職でどのような経験をしたか、それによってどのような知識・スキルが得られたのか、それを応募先でどのように活かすのかをアピールしましょう。
そのためにも応募職種の業務内容や、求められる知識・スキルをしっかりと把握しておくことが大切です。
未経験者のための職種別の志望動機例文
以上で志望動機を作成するポイントについてご紹介しました。
ここからは職種別に志望動機を書くポイントを例文も交えて見ていきましょう。
事務
事務職ではパソコン操作、Officeなどのアプリケーションやシステムの操作スキルが求められます。
どういったことができるのか、どれくらいのレベルの知識・スキルがあるのかをアピールしましょう。
【法人営業職から経理事務職に転職する場合】
現在は、病院やクリニックを対象とした法人営業を行っています。営業担当として売上や経費を管理する中で、会社の財務や経理に強い興味を持ちました。日商簿記3級の資格を取得しており、現在、2級取得を目指して準備中です。経費精算や会計システムも現職で使用しているため、採用後は即戦力としてお役に立てると考えています。
以上の例文では事務職未経験でありながらも日商簿記という資格があることと、現職で会計システムを使用した経験があることをしっかりアピールし、さらに日商簿記2級の取得を目指しているという取り組みも明らかにすることで、採用担当者から好印象を与えられる可能性があります。
事務職の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『事務職の志望動機の書き方は?ポイントや注意点を例文付きで解説!』
介護
介護は人と人とが接する仕事であり、人物重視の採用を行っている事業者や施設も多いです。
人柄や仕事への向き合い方が現れるような志望動機を作成することで、好印象を与えられる可能性があります。
【営業職から介護職に転職する場合】
私は祖父が要介護状態になったのをきっかけに介護の仕事に興味を持ちました。介護士の方が親身に祖父の面倒を見てくださり、私たち家族にもきめ細かく配慮してくださいました。貴施設を見学させていただいたときに、先輩介護士の方が非常に丁寧に仕事内容を説明してくださり、私も貴施設の一員となりたいと考え志望いたしました。営業で培ったコミュニケーション能力と相手の心情を察して先回りする対応力で、利用者様に貢献したいと考えております。
具体的なエピソードを交えることで、採用担当者からの共感が得られやすくなります。
また、営業で培われたスキルを介護現場でも活用できる方法が具体的に示されています。
介護職の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『その志望動機でホントに大丈夫!介護職で内定が取れる志望動機を書くコツ』
看護
看護師は資格と専門知識を取得していることが前提となるため、未経験ではなかなか採用されにくい職種です。
たとえば別の診療科に転職する場合は以下のような書き方があります。
【精神科病院から介護施設の看護師に転職する場合】
これまでは、精神科の看護師として5年間従事してまいりました。認知症の患者様も数多く来院しており、ご本人やご家族と接する中で、高齢者医療の重要性を強く実感したのが応募のきっかけです。将来的な自分のキャリアを考えたときに、介護施設において高齢者に特化した医療に携わりたいと思うようになりました。
分野が違う職場に転職しようと思ったきっかけや将来のキャリアを示すことで、ご自身の看護観が伝わりやすくなります。
また、現職での経験や業務内容について記載することで、採用される可能性も高まります。
看護師の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『看護師の志望動機の書き方はどうすればいい?新卒・転職や施設別にポイントを紹介!』
IT系
IT系、特にエンジニアやプログラマーなどは専門的な知識やスキルが求められるため、どうしても経験者が有利となります。
その差をいかに埋める取り組みをしていくか・しているかが非常に重要です。
【営業職からエンジニアに転職する場合】
私は現在営業職として商社に勤務しております。さまざまなツールを使う中で、「私もシステムを作る側に回ってみたい」「便利な営業支援ツールを開発して社会の役に立ちたい」という想いが強くなり、エンジニアを志しました。
特に貴社では業界でも大きなシェアを占めている○○を開発されておりビジネスの規模が大きいこと、私も○○のユーザーであり製品に大変魅力を感じていること、「ツールで営業活動を変える」という理念に共感したことから、貴社に志望いたしました。
業界は未経験ですが現在Javaを勉強中で、入社後も積極的に知識やスキルを身につけていく所存です。営業で培ったコミュニケーション能力といちユーザーの視点を活かし、より業務効率化が実現でき、ユーザーのニーズを満たす製品を開発し、貴社の利益向上に貢献していきたいと考えております。
具体的にどのような言語やシステムについて勉強しているか・していくかという方向性を示し、どのように現職の経験を活かして応募先に利益をもたらすことができるのかを明らかにすることで、未経験でも採用確率が高まります。
IT系の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『【例文付き】IT業界の志望動機はどうやって書くべき?職種別に解説!』
『「弊社でなくてもいいのでは?」とつっこまれない!エンジニアの志望動機を書くコツ』
営業
営業ではスキルとともに人柄・コミュニケーション力が重視されます。
人との向き合い方、コミュニケーションを取る上で大切にしていることをアピールすると効果的です。
【飲食業から営業職に転職する場合】
私は、学生時代に飲食業のアルバイトをした経験があります。マニュアルばかりにとらわれず、一人ひとりのお客様と真摯に向き合うことを心がけていました。リピートのお客様も多く、「今日もあなたの顔が見られて嬉しい」と言われることがモチベーションにつながっていました。お客様と徐々に信頼関係を築いていく経験は、営業の現場でも役に立つと考えております。
飲食店で接客経験があることと、お客様への接し方、仕事をする上で大切にしている考え方をアピールすることで、採用される可能性が高まります。
営業職の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『営業の志望動機の効果的な書き方は?例文付きで詳しく解説!』
製造
製造業においても専門的な知識やスキルが求められますが、それと同じくらいものづくりへの情熱や興味も重要となります。
【飲食業から製造業に転職する場合】
私は現在飲食店に勤務しております。キッチンを任されて料理を作るうちに、ものづくりへの興味関心が深まり転職を決意しました。
特に貴社は教育制度が充実しており、未経験者からでも意欲があれば職人になれる環境が整っているということで志望いたしました。現職では盛り付けや色調など細部にまでこだわって料理を提供しています。こうしたこだわりを貴社でも活かし、貢献してまいりたいと考えております。
飲食と製造業はまったく異なる業種ですが、以上のように共通点を見出し、活かせる経験やマインドをアピールするという方法もあります。
製造業の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『【例文付き】製造業の志望動機の書き方ガイド!NGな志望動機の特徴も解説』
物流
物流は正確性やスピード、安全性が求められる職場です。
それらをアピールすることで、未経験でも採用確率が高まります。
【事務職から物流に転職する場合】
私が物流業界に関心を持ったきっかけはテレビで貴社の物流センターの倉庫を見たことです。非常に多くの荷物が保管されていて、「これだけの荷物をどのように管理しているんだろう?」「やりがいがありそう」と興味を持ちました。
また、インタビューに答えられている社員の方のイキイキとされている表情を拝見し、私も貴社の一員となりたいと考え志望いたしました。事務職で身につけた正確かつスピーディーな処理能力を貴社で発揮したいと考えております。
物流という仕事に興味を持ったきっかけ、志望した理由が明らかになっており、なおかつ現職の経験をしっかりとアピールしている例文となっています。
物流の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『採用担当者に響く!物流業界の志望動機を作成するコツ』
警備
警備は人手不足が問題になっており、比較的未経験でも転職しやすい業界です。
しかし、人と接する機会が多く、責任感やモラル、安全意識が求められるため、人柄をしっかりとアピールしましょう。
【営業職から警備に転職する場合】
父が長年、オフィスビル警備の仕事をしており、「そこで働く人々の安全を守るだけでなく、快適な労働環境を提供することも警備の仕事だ」とよく話しておりました。そんな父の背中を見て育つうちに、警備員という立場で人々の日々の生活を支えたいと考えるようになりました。
私は営業職の経験があります。そこで培われたコミュニケーション能力を活かし、他の隊員と連携を取りつつ、クライアントにも第三者にも信頼されるサービスを提供していきたいと考えております。
警備に興味を持ったきっかけを具体的なエピソードを交えて伝え、現職での経験をどのように活かせるかをわかりやすく伝えています。
警備の志望動機を作成するポイントについては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『警備員の志望動機はどうやって書く?NG例も含めて例文とポイントを紹介!』
まとめ
未経験でもスキルや知識を学ぶ意欲、仕事に対する想いがあれば十分転職は可能です。
ただし、経験者と比べるとどうしても不利になってしまう可能性があります。
志望する知勇を明らかにして、経験者や応募先の社員との差をどのように埋めていくか、現職・前職の経験をどのように活かせるかをアピールしましょう。
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