物流業界の求人に応募する際には志望動機が非常に重要となります。
この記事では物流業界の志望動機を作成する際のポイントについて解説。職種別の志望動機の例文や作成する際の注意点についてもご紹介します。
物流業界の仕事にはどんなものがある？
志望動機を作成するためには、その業界や応募先企業について知っておく必要があります。
まずは物流業界の概要や仕事内容についてご紹介します。
物流業界とは？
物流とは商品が荷主から届け先に届けられるまでの流れを指します。
ネット通販をイメージするとわかりやすいです。
私たちがネットショップに注文をすると、ショップから商品が出荷されます。商品はトラックなどの車両、貨物列車や船、飛行機なども使って私たちのもとに届けられますが、この工程を物流といいます。
物流業界は物流を担う企業全般のことを指し、トラックや鉄道で荷物を運ぶ陸運業者や船で荷物を運ぶ航海運業者、飛行機で荷物を運ぶ航空利用運送業者、倉庫を運営する倉庫業者などが挙げられます。
今回は特に私たちに馴染みが深い陸運業者（宅配会社や運送会社）、倉庫業者にフォーカスしてみましょう。
運送業者には一般的な会社と同じように営業や総務、経理、人事などの職種の求人がありますが、それに加えて「ドライバー」や「倉庫管理」などの、物流業界ならではの求人も多いです。
ドライバーの仕事内容
ドライバーは荷主から荷物を預かってトラックで配送先に届ける役割を担います。
個人向けや企業向けに分かれており、さらには同じ顧客の仕事を定期的に請け負うルート配送、配送センター間で荷物を輸送する幹線ドライバーなど、同じドライバーといえども仕事内容は多種多様です。
トラックドライバーの仕事内容については
トラックドライバーの仕事内容や年収は？必要な資格、メリット・デメリットも解説
配送ドライバーの仕事内容については
配送ドライバーの仕事内容・やりがい・メリットをまとめて解説
で詳しくご紹介しています。
倉庫管理の仕事内容
トラックで配送される荷物は配送センター内の倉庫に一時的に保管されます。
倉庫管理とは無事顧客のもとに届けられるようにするために、倉庫内の荷物を管理する仕事です。主な仕事内容としては入荷作業、仕分け、出庫作業、品質管理などがあります。
倉庫管理の仕事は「軽作業」という職種名で求人募集が出されているケースも多いです。
倉庫管理、軽作業の仕事内容については
軽作業に向いている人は？仕事内容・やりがい・メリット・職場の雰囲気を紹介
で詳しくご説明しています。
物流業界の志望動機で伝えたいポイント
採用担当者は志望動機からその求職者の熱意ややる気、採用するメリットなど、さまざまな事柄を読み取ります。
ここからは採用担当者の心に響く志望動機を作成するポイントをご紹介しますので、ぜひ以下のことを意識してみましょう。
なぜ物流業界に興味をもち、その企業に応募したのかを明確にする
まずは物流業界になぜ興味をもったのか、どんなきっかけで物流業界を志したのかを書きましょう。
また、物流は社会を支える重要なインフラであり、大企業から中小企業まで非常に多くの物流会社があります。数ある会社の中からなぜ応募先を選んだのか、その理由も明確にしておきましょう。
具体的なエピソードを交えることで、より説得力が増し物流業界に対する想いや仕事に対する熱意が伝わりやすくなります。
自分が向いている・貢献できると思う理由を明確にする
採用担当者はその求職者を採用することで「どのように貢献してくれるのか」「どのようなメリットがあるのか」を検討します。
志望動機にも自分のスキルや長所、これまでの経験や実績などを盛り込み、応募職種に自分が向いていると思う点や貢献できる点をアピールしましょう。
物流業界の志望動機の例文
志望動機は職種や経験の有無によって記載すべき内容やアピールの仕方も変わってきます。
ここからはドライバー、倉庫管理という職種別、そしてさらに経験の有無別に志望動機を書くポイントを例文も交えてご紹介します。
【ドライバー編】未経験の場合
未経験者の場合は経験や実績がないので、人間性や熱意をアピールしましょう。
前述のとおり、なぜ物流業界に興味をもったのか、ドライバーを志したのかを、エピソードも交えて伝えると効果的です。
【例文】
父が配送ドライバーとして働いております。
仕事の思い出話や苦労話を聞くうちに、ドライバーという仕事を身近に感じるようになりました。
いつも目を輝かせて私に話を聞かせてくれる父からはドライバーの誇りが感じられ、私も父のようなドライバーになりたいと考えて転職を決意しました。
企業・個人問わず幅広いお客様への配送業務に携わられている貴社であれば、さまざまな経験が積めて成長できると考え志望いたしました。未経験ではありますが、現職では接客の経験がございますので、荷主様、お届け先様双方に心配りができると考えております。
【ドライバー編】経験者の場合
経験者の場合は免許や資格、スキルや経験が大きな武器になります。
これらをしっかりとアピールし、採用するメリットが存分に伝わるよう意識しましょう。
【例文】
私は現在●●の配送ドライバーとして勤務しております。
仕事にやりがいは感じておりますが、より多種多様な荷物を取り扱い、ドライバーとしてレベルアップを図りたいと考え、転職を決意いたしました。
物流大手であり個人・法人問わず全国さまざまなお客様と取引されている貴社であれば、より多くの経験が積めると考え志望いたしました。
普通自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許、フォークリフト運転技能講習修了証、玉掛け技能講習修了証を取得しております。これらの資格とスキル、経験を活かして貴社に貢献したいと考えております。
【倉庫管理編】未経験の場合
倉庫管理で未経験の場合も、やはり人間性や熱意をアピールするのが効果的です。
エピソードも交えて志望動機を書いてみましょう。
【例文】
私が物流業界に関心をもったきっかけはテレビで貴社の物流センターの倉庫を見たことです。
非常に多くの荷物が保管されていて、「これだけの荷物をどのように管理しているんだろう？」「やりがいがありそう」と興味をもちました。
また、インタビューに答えられている社員の方のイキイキとされている表情を拝見し、私も貴社の一員となりたいと考え志望いたしました。事務職で身につけた正確かつスピーディーな処理能力を貴社で発揮したいと考えております。
【倉庫管理編】経験者の場合
倉庫管理の経験がある場合は、具体的にどのような仕事を経験してきたのかをアピールしましょう。
実績を盛り込むとより効果的です。
【例文】
私はメーカーの物流部門で7年間勤務しております。
入荷、検品、品質管理、ピッキング、梱包、出荷といった一連の工程を経験してきましたが、物流のプロとしてより多種多様な荷物を扱いたいと考え、転職を決意しました。
業界大手で最新設備が備わった配送センターを保有する貴社でしたら、さまざまな経験が積めて倉庫管理の知見が増やせると考えて志望いたしました。
現職では現場リーダーとしてマニュアルの整備や業務改善を行ったところ、正確かつスピーディーなオペレーションが実現でき、クレームの発生率が●％、残業時間が●％減少したという実績もございます。
貴社でもゆくゆくは管理職として物流工程全体を統括する立場を目指したいと考えております。
物流業界の志望動機を作成する際の注意点
先ほど物流業界の志望動機を作成するポイントをご紹介しました。
志望動機は強力なアピール材料になり得る一方で、逆に採用担当者の心に響かずマイナス評価につながる場合もあります。
最後にNGな志望動機の特徴について見ていきましょう。
内容に具体性がない
ただ
- 「物流業界に興味をもったから貴社を志望しました」
- 「車の運転が好きだからドライバーになりたいです」
だけでは、何ら採用担当者の心に響きません。
繰り返しになりますが、「なぜ物流業界に興味をもったのか」を明確にし、可能な限りエピソードも交えて志望動機を伝えましょう。
給料や待遇が主な動機になっている
給料や待遇アップを目指して転職活動をされている方も多いかと思います。
それ自体は悪いことではありませんが、給料や待遇などが主な志望動機にならないよう注意しましょう。
「給料しか考えていない」「他にいいところがあればすぐに辞めてしまうのでは」とマイナスな印象を与えかねません。
応募先を選んだ理由が明確になっていない
世の中には非常に多くの物流会社が存在し、それぞれ対象となる顧客や扱う荷物、設備、社風、提供するサービスなどが異なります。
数ある物流会社の中からなぜ応募先を選んだのかも明確にしましょう。
そのためにも企業研究は必須です。
応募先にどう貢献できるかが不明確
志望した理由やご自身の想いを伝えるのも大切ですが、それと同じくらい「応募先にどのように貢献できるのか」も非常に重要となります。
ご自身にどのような経験や実績があり、それによってどのように貢献できるのかも忘れずに盛り込みましょう。
まとめ
志望動機は特に採用担当者が着目する部分です。
業界を知り、応募先に企業研究をしっかり行ったうえで作成しましょう。
また、ご自身のアピールだけでなく、「企業側が採用するメリット」を意識することで、より採用担当者の心に響きやすい志望動機が作成できます。
配送ドライバーの履歴書を書くポイントについては、
【配送ドライバー編】目指せ合格！目にとまる履歴書の書き方
で詳しくご紹介していますので、運送業界志望の方はぜひこちらも参考に履歴書を書いてみましょう。
