
看護師の志望動機は、新卒か経験者かによって書くべきポイントが異なります。また、応募先の施設によっても重視される能力やスキルが変わってくるため、それを理解したうえで対応することが重要です。
この記事では、看護師の志望動機の書き方を、新卒・転職や施設別に紹介します。「志望動機が書けない」とお悩みの方は、ぜひ本記事をご覧ください。
看護師の志望動機が書けない場合の対応策は?
志望動機が書けない場合のよくある原因として挙げられるのは、自己分析が足りていないことです。自分が仕事に求めることや描いているキャリア、どのようなときに充実感を覚えるのかなどを理解していないと、志望動機が書けないことがあります。
まずは、「志望動機を書く」という目的を一旦横に置いて、自分の現状や将来的な希望を整理してみましょう。看護師としてのスキルや実績をアピールすることに注力しがちですが、1人の人間としての魅力を伝えることも重要です。
また、応募先の職場に対する理解が足りていないことも、志望動機が書けない原因になることがあります。看護師として活躍する現場は多岐にわたるため、なぜその病院やクリニックを選んだのかが具体的に説明できないと説得力がありません。
自身のエピソードを交えながら、応募先の職場の理念に共感できる部分や、自分の能力・実績を活かせる部分をアピールしましょう。
看護助手の仕事内容については、こちらの記事で紹介しています。
『看護助手の仕事内容を知りたい!資格は必要?きついと言われる理由は?』
【パターン別】看護師の志望動機の例文

ここでは、看護師の志望動機の例文をパターン別に紹介します。
看護師の履歴書の書き方については、こちらの記事で紹介しています。
『不採用になることも?看護師への転職に失敗しない履歴書の書き方とは?』
新卒の場合
新卒で応募する場合は、能力や実績をアピールすることが難しいため、自分が看護師になりたいと思ったきっかけを書くとよいでしょう。応募先の病院やクリニックで体験したエピソードがあれば、具体的に伝えます。
志望動機の例:
「地域に密着した医療を提供するという理念に強く共感し、貴院で働いてみたいと思うようになりました。私自身も貴院にお世話になった経験が何度もあり、高い熱が出て辛かったときに、看護師さんが優しく寄り添ってくださったことが印象に残っています。」
転職(未経験)の場合
未経験の分野に転職で応募する場合は、前職での業務内容を具体的に伝えたうえで、応募先の職場で即戦力になることをアピールすると効果的です。
志望動機の例:
「これまでは、精神科の看護師として5年間従事してまいりました。認知症の患者様も数多く来院しており、ご本人やご家族と接するなかで、高齢者医療の重要性を強く実感したのが応募のきっかけです。将来的な自分のキャリアを考えたときに、高齢者に特化した医療に携わりたいと思うようになりました。」
転職(経験者)の場合
同じ分野で異なる職場に転職する場合、採用担当者は、なぜ応募者が転職しようと思ったのかを志望動機から見極めようとします。たとえ転職の理由がネガティブなものであったとしても、ポジティブな内容に変換するのがポイントです。
志望動機の例:
「新卒で入職した病院で皮膚科に配属となり、3年間従事してまいりました。日々、患者様と向き合うなかで、より専門性を高めたいという意識が芽生え、転職を考え始めました。貴院は最先端の設備を導入し、幅広い皮膚科治療に対応しています。そのような環境で、これまでに培ったスキルを活かしながら、新たな可能性にチャレンジしたいと考えております。」
復職(ブランクあり)の場合
さまざまな事情でブランクがある場合、採用担当者はブランクがある理由を知りたがります。しっかりと理由を説明したうえで、ブランクを埋めるための努力をする意欲を見せることが重要です。
志望動機の例:
「大学病院の急性期病棟で5年間勤務した後、結婚を機に夫の地元へ引っ越すことになり、離職いたしました。その後は子育てに専念していましたが、子供が小学校へ入学する歳になり、もう一度看護師として働きたいと思うようになりました。復職に向けて技術研修を受講するなど準備を進めております。」
【施設別】看護師の志望動機の例文

ここでは、施設別の志望動機の例を紹介します。
大規模病院
大規模病院の求人に応募する際は、最先端の医療に触れられる点や教育プログラムが充実している点など、大規模病院ならではのメリットと自分の希望を紐づけるとよいでしょう。
志望動機の例:
「私は、豊富な知識と経験をもとに、より患者様に寄り添った医療を提供できる看護師になりたいと考えております。これまでは、小規模クリニックを中心に従事してまいりましたが、総合病院としてさまざまな患者様を受け入れている貴院で、地域医療に貢献したいと思い、志望いたしました。教育プログラムも充実しており、看護師としてスキルアップする環境が整っているのも大きな魅力です。」
クリニック
クリニックの志望動機を書く場合は、その分野に興味を持った理由と、なぜそのクリニックを選んだのかを明確にするのがポイントです。クリニックの理念や方針を理解したうえで志望動機を考えましょう。
志望動機の例:
「大学病院の看護師として10年間勤務しました。自身が年齢を重ねるなかで、美容医療に興味を持つようになり、美容外科クリニックの看護師として働くことを考え始めました。患者様の小さな悩みにもしっかりと向き合っているという貴院の評判を聞き、患者様の日々の暮らしをよりよいものにしたいという理念にも強く共感しました。」
介護施設
介護施設は病院やクリニックと異なり、看護師の数が限られているため、即戦力となる人材を求めるケースが多くなっています。看護師としての実績を具体的にアピールしたうえで、高齢者に関わる医療への意気込みを伝えましょう。
志望動機の例:
「総合病院の整形外科で10年間勤務いたしました。病棟では高齢の患者様のケアを行うことも多く、感謝されることにやりがいを覚え、より高齢者の日々の生活に寄り添った医療を提供したいと考えるようになりました。介護職員初任者研修を修了しているため、即戦力としてお役に立てるかと存じます。 」
ケアマネージャーの仕事内容については、こちらの記事で紹介しています。
『利用者から頼られる!ケアマネージャーのやりがいとは?給料や仕事内容もご紹介』
看護師の志望動機を書く際の注意点
最後に、看護師の志望動機を書く際の注意点をまとめました。ぜひ参考にしてください。
『その志望動機でホントに大丈夫!介護職で内定が取れる志望動機を書くコツ』
『悪用禁止?志望動機をChatGPTに作ってもらう方法とは?』
例文をそのまま使わない
面接対策の書籍やネット上で公開されている志望動機の例文は、あくまでも一例でしかありません。自身や応募先の状況に合っていないこともあるため、そのまま使用すると逆効果になることもあります。
また、採用担当者は多くの履歴書を見ているため、例文をそのまま使った志望動機は見抜かれると思ったほうがよいでしょう。例文を参考にしながら、自分なりの言い回しやエピソードに書き換えることが大切です。
待遇のよさを志望動機にしない
基本給が高いことや福利厚生が充実していることなど、待遇のよさを志望動機に書いてしまうことがありますが、基本的には書かないほうがよいでしょう。そのような応募者は、「条件次第ですぐに離職する可能性がある」と捉えられるため、プラスに働くことはありません。
志望動機は自分にとってのメリットではなく、相手が自分を採用するメリットを書くべきというポイントを覚えておきましょう。
「スキルを上げたい」「経験を積みたい」はNG
採用する側は、応募者が自身の持つ能力を発揮して、自院に貢献してほしいと思っています。「スキルを上げたい」や「経験を積みたい」は、志望動機として書かれることが多い内容ですが、受け身の印象を与えることがあるので注意が必要です。
スキルアップに対する意欲よりも、自ら考えて積極的に行動できる人材であることをアピールしたほうが効果的といえるでしょう。
まとめ
看護師の志望動機を考える際は、自己分析と応募先の職場を理解することから始めてみましょう。自分が仕事に望むことと、応募先の職場で求められている人材像がマッチすることが、よい職場探しにつながります。