転職活動の際には志望動機が非常に重要となります。介護職でもこれは変わりません。
この記事では介護職に転職される方のために志望動機を書く際のポイントを例文も交えてご紹介します。
注意点やNGとなる志望動機の特徴、思い浮かばないときの対処法についてもご説明しますので、ぜひ参考にして履歴書の志望動機を作成してみましょう。
介護業界ってどんな業界?介護職とはどんな仕事?
介護職へ転職する際には、まず介護業界がどのような業界なのか?どのような仕事内容なのか?を把握しておくことが大切です。
介護業界とは?
介護とは自分で日常生活を送ることが困難な高齢者の身のまわりのお世話をする仕事です。
介護業界とは介護サービスを提供している施設を総称する呼び方です。
とはいえ、介護施設は多種多様で、
- 利用者が24時間体制で介護サービスを受けられる「特別養護老人ホーム」
- 在宅への復帰を目標として介護サービスを受けながら心身機能の回復のための支援が受けられる「介護老人保健施設」
- 日中のみ介護サービスが受けられる「デイサービス」
- 介護士が利用者の自宅に訪問して介護サービスを提供する「訪問介護」
- 認知症患者が少人数で共同生活を送る「グループホーム」
などがあります。
介護職の仕事内容
介護職は介護が必要な高齢者の方に介護サービスを提供するスタッフのことを指します。
介護施設の中では中心的な存在で花形ともいえる職種です。
介護職の仕事は大きく「身体介護」と「生活援助」に分けられます。
身体介護とは移動や入浴、着替え、排泄といった身のまわりのお世話をする仕事です。
1人で行うこともあれば2~3人で行うこともあります。
また、入浴などは機械を使って行う施設もあります。
生活援助とは掃除や食事作り、買い物などを代わりに行うことです。
訪問介護や介護付き老人ホーム、グループホームなどで行われます。
介護職の詳しい仕事内容ややりがいについては、こちらの記事でさらに詳しくご紹介していますので、ぜひ理解を深めましょう。
介護職の志望動機を書く際に意識したい6つのポイント
以下のようなポイントを意識することで、より採用担当者の心に響きやすい介護職の志望動機を作れるようになります。
介護業界や介護職を志したきっかけを明確にする
まずは介護業界や介護職を志したきっかけ、介護の仕事に興味を持った理由を明確にしましょう。
これによって介護の仕事に対する想いや熱意を伝えることができます。
また、できれば介護職で実現したいことや、なりたい自分像についても考えてみましょう。
その施設を選んだ理由を明確にする
介護需要の高まりから介護施設も増えてきています。
数ある介護施設の中でなぜ応募先を選んだのか?なぜ応募先でなければならないのか?も考えておきましょう。
これが明確になっていないと「他の施設でもいいのでは?」と突っ込まれてしまいます。
具体的なエピソードを盛り込む
介護業界や介護職を志したきっかけ、施設を選んだ理由は具体的なエピソードを盛り込むとより説得力が増します。
家族の介護で介護施設のお世話になった、学校の実習で介護施設に行った、高齢者と接したことがある、あるいはテレビやネットなどで介護の仕事を知ったなど、何かしらのエピソードがあるかと思いますので、それもしっかりと志望動機に盛り込みましょう。
これまでの経験と実績を盛り込む
特に転職の場合は求職者の経験や実績が重視されます。
介護職の経験がある方は、どのような業務を何年間従事してきたのか?どのような資格を保有しているのか?を記載すると大きな武器になります。
また、未経験者の方でも、現職や前職の経験やこれまでの社会人生活で得られた知見が活きる可能性は大いにあるので、積極的にアピールしましょう。
人間性・人柄が伝わるよう意識して書く
介護は人と人が接する仕事です。
利用者のお困り事を解決することが求められるので、人間性が重視されます。
なるべくご自身の人柄が伝わるよう意識して丁寧に書いてみましょう。
どのように施設に貢献できるか?を明確にする
ご自身がアピールするだけでなく、採用施設側の立場にも立って志望動機を書くことが大切です。
「○○の経験があるので、貴施設では○○という点で貢献できます」というように、採用することで施設側が得られるメリットを明らかにすれば、より好印象につながります。
介護職の志望動機の例文
それではここからは実際に介護職の志望動機の例文を未経験者の場合、経験者の場合に分けてご紹介します。
未経験の場合
未経験者の場合は介護職の仕事に興味を持ったきっかけやエピソード、あるいは介護の仕事に対する想いを中心に書くことで熱意が伝わりやすくなります。
私は祖父が要介護状態になったのをきっかけに介護の仕事に興味を持ちました。介護士の方が親身に祖父の面倒を見てくださり、私たち家族にもきめ細かく配慮してくださいました。貴施設を見学させていただいたときに、先輩介護士の方が非常に丁寧に仕事内容を説明してくださり、私も貴施設の一員となりたいと考え志望いたしました。営業で培ったコミュニケーション能力と相手の心情を察して先回りする対応力で、利用者様に貢献したいと考えております。
経験者の場合
経験者の方はこれまで身につけたスキルや知識、実績や知見が大きな武器となりますので、これらもアピールしながら志望動機を書きましょう。
私は特別養護老人ホームでフロアリーダーとして7年間勤務しました。介護の仕事には非常にやりがいを感じていますが、もっとキャリアアップがしたいと考え転職を決意しました。実力で評価をする、最新の介護技術を積極的に導入されている貴施設であれば、もっと自分が成長できるのではないかと考え志望いたしました。リーダーの経験から一介護士としてではなく、施設運営側の視点で物事を判断できることが強みです。これまでの知見を活かして貴施設に貢献し、ゆくゆくは生活相談員やケアマネジャー、施設長などにステップアップしてまいりたいと考えております。
介護職の志望動機を作成する際の注意点
採用担当者にとって志望動機は求職者の印象を左右する非常に大切な要素になります。
以下のような志望動機にならないよう注意して考えましょう。
内容に具体性がない
「人の役に立ちそうだから介護職に興味を持った」「雰囲気が良さそうだから貴施設を選んだ」というように、ぼんやりとした志望動機は採用担当者の心に響きません。
介護職に興味を持ったきっかけやエピソード、応募先を選んだ理由を明確にして伝えましょう。
内容が偏りすぎている
採用担当者は志望動機から意欲や熱意、これまでの経験、その求職者を採用するメリットなど、さまざまな情報を読み取ります。
例えば、志望した理由しか書いていない場合、あるいは逆に自分のことばかり書かれているなど偏った内容になっていると、採用担当者に伝わる情報にも偏りが出てしまいます。
過去の実績やエピソード、志望した理由、施設に貢献できる点を網羅しましょう。
給料や待遇が志望動機になっている
給料や待遇、労働条件が転職のきっかけになったという方もいらっしゃるかと思います。
ただ、それを志望動機にそのまま書いてしまうと「お金のことしか考えていない」「他にいい転職先が見つかったらすぐに辞められてしまうのでは」という印象を抱かせてしまいます。
「キャリアアップしたい」「仕事と家庭を両立させたい」といったように、ポジティブな言葉に言い換えましょう。
思い浮かばないときの対処法
志望動機を作成する際には自己分析と企業研究が非常に重要です。
志望動機が思い浮かばないときは、もう一度過去の自分を振り返ってみましょう。
介護という仕事に興味を持ったきっかけは必ずあるはずです。
同時に応募先に関してもしっかりと調べておき、「なぜ応募先がいいと思ったのか?」「どこに共感を持ったのか?」を明確にしましょう。
ご家族や友人に相談してみるのも手です。
客観的な視点で見てアドバイスをくれる可能性があります。
また、ChatGPTを活用するという方法も有効です。志
望動機を作る際のコツや文面の例を提示してくれるほか、情報をまとめて志望動機を代わりに作ってもらうことも可能です。
ChatGPTを志望動機の作成に活用する方法はこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
まとめ
志望動機は採用担当者が特に気にする部分です。
とりわけ介護業界は人間性が重視されるので、人柄や熱意、介護に対する想いが現れる志望動機が注目される傾向があります。
自己分析や企業分析を行なったうえで具体的かつ説得力がある志望動機が書ければ、必ず熱意が伝わって内定の確率がアップするはずです。