営業活動も転職・就職活動も、まずは自分を相手にしっかりと売り込むことから始まります。
そのためには説得力がある志望動機が非常に重要です。
この記事では営業職の志望動機の書き方やポイントを例文付きでご紹介します。
営業職の志望動機を作成する前に知っておきたいこと
志望動機を作成する前には、まず営業職がどのような仕事なのか、どのようなスキルが求められるのかを知っておく必要があります。
そもそも営業職とはどんな仕事?
営業職とは見込み客や既存顧客に自社の商品やサービスを提案する、あるいはすでに購入してもらった顧客に対してフォローを行う仕事です。
利益に直結する業務であり、企業にとっては必要不可欠な存在といえます。
営業職には大きく分けて個人営業、法人営業、新規営業、ルート営業の4種類があります。
個人営業とはその名のとおり個人に対し、一般消費者向けの商品やサービスを提案しフォローを行います。
たとえば自動車、教材、インターネット・携帯電話回線、保険、不動産など多種多様です。
店舗に来た顧客に対して営業活動を行うケースもあれば、見込み客の自宅を訪問する、電話をかけて営業活動をするケースなど、さまざまです。
法人営業とは企業に対して商品やサービスを提案・フォローする営業活動のことを指します。
企業で使うOA機器や文具、機械、設備など、こちらも商材はさまざまです。
また、自動車や不動産、保険など個人も企業も対象となる商材を扱っている会社では、個人営業担当と法人営業担当というように部門が分かれている場合もあります。
法人営業の仕事内容については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『法人営業とは?個人営業との違いや向いている人の特徴、年収などを徹底解説』
さらに、営業職には新規営業とルート営業という2種類があります。
新規営業とはこれまで取引がなかった顧客の獲得が主な目的となります。
電話でアポイントメントをとって客先に訪問するケースもあれば、アポ無しで訪問するいわゆる「飛び込み営業」をするケースもあります。
ルート営業はすでに取引がある顧客に対してフォローをしたり新商品・サービスを提案したりするのが主な仕事です。
商品を売り込むことに加えて、取引先との関係維持も重要なミッションとなります。
ルート営業の仕事内容については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
『ルート営業って何をするの?新規営業との違いやメリット・デメリットも解説!』
なお、営業職全般について詳細を知りたいという方は、以下の記事が参考になります。
『営業とはどんな職業?仕事内容、種類、やりがい、適性など徹底解説』
『不動産営業の仕事内容は?メリット・デメリットや年収も解説』
営業職に求められるスキルとは?
以上のように営業職にはさまざまな種類がありますが、いずれも見込み客あるいは既存顧客との信頼関係を構築する必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。
お客様が抱えられている課題やニーズを的確に汲み取り、それらを解決できる手段(商品・サービス)を提案するという課題解決能力や対応力も必要です。
また、営業は「売上」という数字で明確な結果が出る仕事です。
業績に直結する重要なポジションでもあるため、営業職にノルマや目標を課している会社も少なくありません。
目標達成意欲も営業職には必要な資質といえます。
営業職の志望動機の基本的な書き方
志望動機にはパターンがあり、営業職に関しても例外ではありません。
ここからは営業職の志望動機の基本的な書き方についてご紹介します。
志望動機の基本構成
志望動機はだいたい200~300文字で簡潔にまとめます。
採用担当者は志望動機から応募した理由はもちろん、業界や職種あるいは自社への理解度、仕事に対する想いやモチベーション、人間性、これまでの経験、自社に貢献してくれるか否かなど、さまざまな事柄を読み取ろうとしています。
内容としては
「なぜ営業職に関心を持ったのか(きっかけ)」
「その業界・企業を志望した理由」
「応募先にどのように貢献できるのか?」
という3つを盛り込むとベターです。
志望動機を作成するポイント
営業職に興味を持ったきっかけや、その業界・企業を志望した理由については、可能であれば具体的なエピソードを盛り込みましょう。こうすることで説得力が増します。
また、応募先企業を選んだ理由は特に採用担当者が注目する部分です。
「この会社でなければならない!」という理由を考えてみると、採用担当者に響く志望動機が作れる可能性があります。
また、内定を獲得するポイントは採用担当者に「採用するメリット」を感じてもらうことです。
どのような経験やスキルがあり、それをどのように活かせるかを盛り込みましょう。
職種別!営業職の志望動機のポイントと例文
ここからは、営業職の種類別に志望動機(未経験で転職する場合)の書き方とポイントについて見ていきましょう。
法人営業
法人営業では特に顧客企業が抱えている課題を解決する能力が求められます。
これまでの経験をアピールするといいかもしれません。
【例文】
私はメーカーの事務部門で働いてきました。電話応対で商社やユーザーからの問い合わせに対し、製品選定をお手伝いしたりお悩みごとを解決できるような商品をご提案したりして感謝いただけることにやりがいを感じ、特にユーザーさんと直接接したいという気持ちもあって商社への転職を決めました。貴社では中小企業に対してソリューション型の営業活動を展開されているとお伺いし、自分の理想的な仕事ができると考え志望いたしました。電話応対で鍛えたヒアリング力と、メーカー視点を活かし、貴社と貴社のお取引先様に貢献したいと考えております。
個人営業
個人営業では特にさまざまな属性のお客様に対して関係を構築しなければならないので、コミュニケーション能力をアピールするといいかもしれません。
【例文】
私は大手飲食チェーンでホールを担当しておりました。老若男女さまざまなお客様と接する機会があり、特に名前を覚えていただけるくらい親しくなれたときにやりがいを感じています。もっとお客様と深く接する仕事がしたいと思い、個人営業への転職を考えるようになりました。貴社では「●●」という魅力ある商品を販売されており、私もいちユーザーであるため、自信を持って営業活動ができると考え志望いたしました。幅広いお客様のニーズにお応えして関係性を構築してきたコミュニケーション能力を活かし、貴社の売上拡大に貢献したいと考えております。
ルート営業
ルート営業は顧客と長期的に深い関係性を構築すること、そしてお得意先様で日々発生する課題やニーズを解決できる能力が求められ、それらをエピソードも交えてアピールしましょう。
【例文】
私は介護職として特別養護老人ホームに勤務しております。より多くの高齢者のお役に立ちたい、介護の現場をよりよいものにしたいという想いから介護機器のメーカーに転職することを決意しました。特に貴社では要介護者はもちろん介護職の負担も軽減できる機器を数多く開発されており、現場での評判も高いことから志望いたしました。利用者様と深い信頼関係を構築し、常にニーズを先回りした介護を実践しております。これまでの経験と看護の現場視点を活かして、貴社の販路拡大や商品開発に貢献していきたいと考えております。
新規営業
新規営業はまったく接点がなかった人あるいは法人と関係性を構築しなければならないため、高いコミュニケーション能力や提案力が必要となります。
それらが備わっている根拠がわかるような志望動機を書きましょう。
【例文】
私は商社でルート営業を担当しております。御用聞きのような仕事が多い中で、私の提案が採用され新規に受注できたときにやりがいが感じられ、新規営業に興味を持ちました。貴社はベンチャー企業で新規顧客の獲得を課題とされているということで、私も貴社とともに成長したいと考え志望いたしました。ルート営業の経験を活かし、提案からフォローまできめ細かく対応し、お客様と長い関係を構築することで貴社の利益向上に貢献したいと考えております。
不動産営業
営業職の中でも不動産は少し特殊です。
取引先は個人・法人問わず、土地や戸建ての一軒家、賃貸マンションやアパート、商業ビルなど非常に幅広い物件があります。
また、法律的な知識も求められるため、成長意欲をアピールするのがおすすめです。
【例文】
私は就職を機に一人暮らしを始めました。物件を探していたときに不動産会社の方が親切であったことと、いろんな物件の間取図や内外装を見て物件選びをしたのが楽しかったことから、不動産業に興味を持ちました。特に貴社は地域密着型で取扱い物件も多いため、さまざまな物件を提案してお客様に喜んでもらえそうだと考え志望いたしました。ファイナンシャルプランナーの資格を保有し、現在は宅地建物取引士の取得を目指して勉強中です。不動産や法律に関する知識を貪欲に学び、貴社に貢献したいと考えております。
まとめ
営業職にはさまざまなスキルが求められ、向いている人・向いていない人がはっきり分かれる傾向があります。
企業にとっては利益を左右する営業職は欠かせない存在であり、花形部門の一つであるため、求職者のスキルや適性がシビアに見られます。
企業研究や自己分析をしっかりと行なった上で、ぜひ今回ご紹介したポイントを踏まえて志望動機を作成してみましょう。