IT業界の仕事は職種が細かく分かれており、求められるスキルも異なるため、志望動機の書き方に悩んでいる人も多いでしょう。
この記事では、IT業界の志望動機の書き方を、ソフトウェア系、ハードウェア系、情報処理系、通信インフラ系、インターネット・Web系の5つに分けて紹介します。
それぞれの職種の仕事内容も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
IT業界の主な職種
IT業界の仕事には、いくつかの種類があります。
職種によって求められるスキルや仕事内容が異なるため、まずは全体像を理解しましょう。
ソフトウェア系
ソフトウェアとは、コンピューターを作動させるためのプログラムのことです。ソフトウェアやスマートフォンのアプリを開発するITの職種は、「ソフトウェア系」と呼ばれています。
パソコンやスマートフォンのシステムの中枢となるOSや、OS上で動作するアプリを開発するのがソフトウェア系エンジニアの主な仕事です。
ソフトウェアは、受託タイプとパッケージタイプに大きく分けられます。
受託タイプは、顧客の要望を受けて個別に開発するソフトウェアのことです。
一方のパッケージタイプは、マイクロソフト社の「Office」など、不特定多数のユーザーに向けて販売するソフトウェアになります。
ハードウェア系
ハードウェアとは、パソコンやスマートフォン、家電などの機械や設備のことです。
ハードウェアとソフトウェアが連携することにより、日常生活やビジネスに役立つさまざまな機能をユーザーが利用できます。
ハードウェア系エンジニアの仕事は、機械の設計や構築です。
ハードウェアはソフトウェアと異なり、実際に手に取ることができるため、機械を操作するのが好きな人に向いているでしょう。
従来、ハードウェアといえばパソコンやマウスなどのパソコン周辺機器を指していましたが、近年はIoT(Internet of Things)の進化により、家電や照明器具なども「ハードウェア」と呼ばれることがあります。
情報処理系
情報処理系のエンジニアの主な仕事は、生産性の向上や業務効率化などを目的として、顧客の要望に応じたシステムを開発することです。
日本企業は他国の企業に比べてICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の導入が遅れているといわれていますが、総務省が発表した『平成30年版 情報通信白書』によると、すでに7割以上の企業が導入しています。
そして、近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、企業がシステムを導入するケースが増加し、急成長が見込まれています。
通信インフラ系
通信インフラとは、電話やインターネットなどの通信回線のことです。
水道やガス、電気などの基本的な生活インフラに加えて、近年重要性が増しているインフラといわれています。
通信インフラ系のエンジニアは、インターネットサービスを使用するうえで必要な設備を構築・運用します。
固定電話に代表される「固定回線」と、Wi-Fiをはじめとする無線LANを含む「無線通信」に分けられており、プログラミングからシステム開発、システム導入後の監視業務まで幅広く対応可能です。
インターネット・Web系
インターネット・Web系の職種は、WebサイトやWebサービスの開発・運用が主な仕事です。
サービスの定期契約を意味するサブスクリプションサービスの開発やWeb広告の運用、Webデザイン、SNSの運用など、業務内容が幅広いのが特徴です。
その中から自分の興味・関心にあったものを選べるのが、大きな魅力といえるでしょう。広告会社やWebマーケティング会社などへの転職にも有利な職種でもあります。
【例文】IT業界における職種別の志望動機
ここでは、IT業界における志望動機の例文を職種別に紹介します。
例文を参考にしながら、自分らしさを表現できるような志望動機を考えてみましょう。
ソフトウェア系
ソフトウェア系の職種では、IT技術が求められるのはもちろんのこと、プロジェクトを予定通り進行するためのマネジメント能力も求められます。
また、応募先の企業で実現したいことも具体的に書くとよいでしょう。
志望動機の例文:
私は高校生の頃からソフトウェアに興味を持ち、独学で簡単なソフトを開発した経験があります。大学時代はWeb制作系の企業のインターンに参加し、ユーザー視点を中心としたソフトウェア開発の面白さを知りました。きめ細やかな配慮が行き届いた日本のソフトウェアを世界に広めたいという思いがあり、貴社の強みであるERP製品群を、より多くの方に届けるために尽力したいと考えております。
ハードウェア系
ハードウェア系の職種では、ものづくりに興味を持つようになったきっかけを具体的なエピソードとともに伝えることを意識します。
機械や設備の開発は、改善を繰り返しながら進めていくことになるため、失敗してもめげずに何度も挑戦し、何かを成し遂げた経験なども伝えましょう。
志望動機の例:
私は中学時代から野球に取り組んでいましたが、高校2年生のときに大きなケガをしてしまい、それ以来、マネージャーとしてチームを支える立場になりました。
裏方としてチームのスキルアップに貢献し、勝利したときの喜びは、私の価値観を大きく変えるきっかけになったと思います。
組み込み系ハードウェアのプロフェッショナルの「裏方集団」である貴社の一員になり、技術革新に貢献したいと考えております。
情報処理系
情報処理系の職種では、顧客の要望に応じて開発を行うだけでなく、スケジュール調整や提案など、コミュニケーションスキルが求められます。
チームでリーダーシップを発揮した経験などをエピソードとして盛り込むとより効果的といえるでしょう。
志望動機の例:
高校時代にプログラミングの授業を受けたことをきっかけとして、情報処理に興味を持つようになりました。独学でコツコツと勉強を続けて、大学1年のときに基本情報技術者の資格を取得しました。
情報処理の業界では、ITのスキルや知識だけでなく、お客様の要望を丁寧にヒアリングするコミュニケーション能力や、スケジュール調整能力が必要であると認識しています。
私は、大学時代のアルバイトでコールセンター業務に従事し、お客さま対応をしていた経験があります。さまざまな悩みや課題を抱えたお客さまのニーズに対して、自分ができる最適な提案を心がけていました。入社後は、その経験を活かし、お客さまに寄り添えるエンジニアとして活躍したいと考えております。
通信インフラ系
通信インフラ系の職種では、数多く存在するIT系の職種から通信インフラ系を選択した理由を伝えるとよいでしょう。
自分自身が通信インフラの重要性を再認識するような出来事があれば、併せて記載します。
志望動機の例:
私は中学2年のときに、大きな地震を経験しました。それまで当たり前に使用できていた電話がつながらなくなり、インターネット回線も不安定で、家族や友人との連絡もままならなかったことを覚えています。そのことをきっかけに通信インフラの重要性を認識し、将来は災害に強い通信インフラの構築・運用に携わる技術者になりたいと思いました。
また、私の両親が住んでいる地域は、都心ほど無料Wi-Fiなどの通信インフラが整っていません。技術の力で地域格差を解消したいというのも、私が実現したい夢の一つです。
インターネット・Web系
通信インフラ系の職種には、デザインや広告、マーケティングなど、さまざまな種類があるため、自分が希望する職種に合った志望動機にするのがポイントです。
今回は、Webデザインの求人に応募する際の志望動機の例を見ていきましょう。
志望動機の例:
私は幼い頃から絵を描くことが得意で、中学生になってからは、パソコンを使ったイラスト制作が趣味でした。自分の大好きなイラストを仕事にできないかと考え、デザイン系の仕事について調べていたところ、Webデザインという仕事があることを知りました。
Webデザイナーになるには、デザインの基礎知識はもちろんのこと、プログラミングやセールスライティングの知識が必要と知り、独学で勉強を続けてきました。ホームページをイチから作成し、公開できたときの喜びは、今でも忘れることができません。
LP制作をメイン事業としている貴社のプロジェクトメンバーとなり、貴社と顧客の売上を最大化できるようなWebデザイナーになりたいと考えております。
IT業界の志望動機に盛り込みたいポイント
最後に、IT業界の志望動機に盛り込みたいポイントを3つ紹介します。
なぜIT業界を選んだのか
IT業界は、技術の進歩によって変化が著しいのが特徴です。
常に感度を高く持ち、スキルアップを欠かさない人材が求められているため、業界への理解度や本気度が評価の一つとなります。
IT業界を選んだ決め手がはっきりしないと、採用担当者に熱意が伝わらないため、理由を明確に記載しましょう。
どのような魅力や将来のビジョンがあるか
企業は、自社のビジョンに共感し、将来的な成長に貢献してくれる従業員を求めています。
その企業ならではの魅力や、入社後にやりたいことをビジョンとして明確に伝えることで、自分を採用するメリットを伝えましょう。
自身の経験など具体的なエピソードはあるか
志望動機では、採用担当者に伝えたいことを自分自身の経験と一緒に伝えられると効果的です。
採用担当者のもとには、多くの履歴書やエントリーシートが届きます。
ほかの応募者と差を出すためには、志望動機を通じて自分自身を効果的にアピールすることが大切です。
具体的なエピソードを交えることで自分の強みが採用担当者に伝わりやすくなり、印象に残るでしょう。
まとめ
IT業界の仕事に興味を持ったら、まずは「tenichi」でどのような求人内容があるかチェックしてみましょう。
履歴書を書く際は、本記事で紹介したポイントを参考に、自分の強みが採用担当者にしっかりと伝わる内容にすることを意識してください。
また、以下の記事でも、IT業界の職種についてご紹介しています。
『エンジニアになるには?職業特徴・仕事内容・必要スキルを徹底解説』
『プログラマー(PG)の仕事内容は?年収や必要なスキルを徹底解説!』
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