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職歴が契約社員だと正社員には転職できない?採用担当者のホンネとは?

面接を受けておる男性

契約社員から正社員に転職するのは難しい…そんなイメージはありませんか?実際のところはどうなのでしょうか?

今回は採用担当者のホンネを紹介。契約社員から正社員への転職を成功させるための職歴の書き方についても解説します。

契約社員から正社員転職は無理?採用担当者のホンネとは?

まずは契約社員の職歴がどのように評価されるのか、採用担当者の視点から考えてみましょう。

【結論】契約社員から正社員への転職は無理ではない

結論からいうと契約社員から正社員への転職は十分可能です。

特に20代であれば、あるいは「未経験可」の求人に応募する場合は、職歴が正社員でなくても採用される可能性は十分にあります。なぜなら本人の意欲や将来性を評価するポテンシャル採用が中心だからです。

ただし、30代以降で、かつ管理職や特定の職種の経験が求められる求人に応募する場合は不利になってしまう可能性もあります。

採用担当者が職歴で見るポイントとは?

採用担当者は求職者の職歴を見る際には、雇用形態以外にも以下のようなさまざまな事柄をチェックします。

採用担当者が重視する職歴の書き方とは

採用担当者が履歴書で特に重視しているのは、これまでに取り組んだことがある仕事の内容や仕事に取り組む姿勢、そして成果です。

履歴書に仕事内容をまとめる場合は、具体的な業務内容とともに、成果を数値で提示するとわかりやすいでしょう。

仕事に取り組む姿勢については主観的な内容が中心になりますが、仕事内容や成果だけでは伝わらない仕事へのスタンスや応募者の人柄を伝える役割があるため、必ず記載することが大切です。

契約期間や退職理由の記載例

契約期間や退職理由は「一身上の都合により退職」などの定型文で問題ありません。
引っ越しや家庭の事情などの自己都合によって退職した「自己都合退職」の場合は、「一身上の都合により退職」と記載します。

企業の倒産やリストラといった「会社都合退職」の場合は、「会社都合により退職」と記載します。

派遣社員や契約社員として働いていて、契約期間が終了したことで退職した場合は、「契約期間満了につき退職」と記載します。

これまでの業務経験が募集職種に活かせるか

求職者のこれまでの経験は採用担当者にとっては一番の関心事といっても過言ではありません。

募集している職種の経験があれば、採用後にすぐに仕事に順応し、即戦力になってくれるのではないかと考えます。また、これまで培ったノウハウやスキルを活かして成果を上げてくれるのではないかという期待も持てます。

前職が契約社員であっても募集職種の経験があれば採用される可能性は高くなるのです。

勤続年数の長さ

採用担当者としては求職者を採用したからにはできる限り長く勤めてほしいと考えています。

たとえ正社員からの転職でも勤続年数が短かったり短期間で職を転々としていたりする場合、「すぐに辞められてしまうのではないか」と懸念されてしまいます。

逆に契約社員であっても契約満了まで勤め上げた、長い期間会社の戦力として活躍してきたという実績があれば評価されるはずです。

空白期間の有無

定職に就いていなかった、いわゆる空白期間は不利に働く可能性があります。「勤労意欲が低いのではないか」「何か問題を抱えているのではないか」と思われてしまうからです。

結婚や子育て、介護などで退職をした、海外に留学していた、なかなか良い就職先が見つからなかった、心身の不調を抱えていたなど、各々事情があるはずです。

空白期間ができた理由を説明できるようにしておきましょう。

転職理由

転職する理由は面接で聞かれる可能性が高いです。

仮にトラブルや人間関係の悪化で転職しようと思った場合、あるいは強い不満を持って退職した場合、採用担当者は「自社でも同じ理由で辞めてしまうのではないか」と考えてしまいます。

逆に「キャリアアップのために転職したい」「スキルや知識をもっと向上させたい」というように前向きな理由がある場合はプラスに評価される可能性も十分にあります。

雇用形態

雇用形態もやはりチェックされます。前職場でどのような働き方をしてきたかも重要です。

とはいえ、「正社員で働いてきたから採用する」「派遣社員だから採用しない」というような選別目的で見られるわけではありません。
あくまで「正社員という働き方に順応できるか」といった観点でチェックされるケースがほとんどです。

書かないと不利?契約社員の経歴の扱い方

契約社員の経歴は、書かないと不利になるのでしょうか?

ここでは、契約社員の経歴の扱い方を詳しく紹介します。

契約社員の経歴を省略するデメリット

雇用形態を問わず、履歴書に記載する職歴は省略せずにすべて書くのが基本です。
空白期間があると、採用側が懸念を抱く可能性があるので注意しましょう。

空白期間があるよりも、たとえ短い期間であっても働いていたことがわかったほうが、採用側にとっては安心感があります。

雇用形態を書かないと経歴詐称になる?

雇用形態を書かないと経歴詐称になる可能性があります。
雇用形態が書かれていない場合、採用側は「正社員雇用だった」と考えるのが一般的なのが理由です。

採用後に正社員としての経歴を活かした活躍が期待されることもあるため、雇用形態は正直に記載しましょう。
大切なのは雇用形態よりも、そこでどのような仕事を任され、応募者がどのように取り組んでいたかです。

契約社員としての仕事内容であっても、堂々とアピールして問題ありません。

空白期間の扱いと注意点

職歴に空白期間があり、それに関する説明がないと、悪い意味で採用側の目を引いてしまうことになります。

空白期間があった理由を履歴書にあらかじめ記載しておくことで、採用側の懸念を払拭することにつながります。
空白期間で成長につながった経験などがあれば、あわせて記載しておくと前向きな印象になります。

面接でもよく聞かれるポイントなので、その間に何をしていたか説明できるようにしておくとよいでしょう。

ケース別!契約社員の職歴記載例まとめ

正社員の場合、職歴欄には「株式会社◯◯ 入社」というように記載すれば問題ありません。

それでは契約社員はどのように職歴を記載すればいいのでしょうか。
ここからはケース別に職歴欄の書き方をご紹介します。

在職している場合

契約社員の場合は「株式会社◯◯ 入社(契約社員)」というように、契約社員として就職したことがわかるように記載します。在職している場合は「現在に至る」と記載しましょう。

契約期間が終了した場合

契約期間が終了して退職した場合は「契約期間満了により退職」と記載します。

契約期間終了前に退職した場合

契約期間終了前に退職した場合、「自己都合(会社都合)により退職」と記載します。

正社員に登用された場合

契約社員で入社して正社員に登用された場合はその旨を記載します。

正社員に登用されてその後に退職した場合は、やはり最後に「自己都合(会社都合)により退職」と記載します。

以上で契約社員として働いてきて転職する場合の職歴欄の記載の仕方についてご紹介しました。

採用担当者に好印象を与えられる職歴欄の書き方やマナーはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にして履歴書を作成してみましょう。

契約社員から正社員への転職を成功させる4つのコツ

ここでは、契約社員から正社員への転職を成功させるために意識したいコツを4つご紹介します。

契約社員として身につけたスキルをアピールする

職歴が契約社員だったとしても、身につけたスキルや知識、実績が業務に役立つと判断されれば採用につながります。

たとえば資格を取得した、業績アップに貢献した、業務を効率的にこなすために工夫したことがある、商品やサービスの品質をアップさせるために上司に提案して採用された、リーダーや指導者として他のメンバーに指導や指示をしたなどの実績があれば積極的にアピールしましょう。

できれば「売上が◯◯%アップした」「残業時間が◯◯時間削減できた」「顧客満足度が◯◯%向上した」というように、具体的なデータが示せるとより説得力が増します。

契約社員という働き方を選択し、今正社員になりたいと思っている理由を説明する

なぜ過去に契約社員という働き方を選択して、なぜ今は正社員に転職を望んでいるのかという理由をしっかりと説明できるようにしておきましょう。「ただなんとなく契約社員になって、なんとなく正社員になりたいから」「契約社員のほうが楽そうだったけど、給料が低いから正社員に転職したい」ではマイナス評価につながってしまいます。

たとえば、「どうしてもこの仕事がしたくて契約社員で就職し、その経験を活かして御社で正社員として働きたい」というように、契約社員で就職した理由と正社員に転職したい理由をポジティブに伝えれば、好印象を与えられる可能性があります。

業務に対する意欲をアピールする

特に求職者が20代である場合、あるいは未経験可の求人の場合、経験や実績よりもやる気や将来性といったポテンシャルが評価されるケースも多いです。

また、経験者を前提とした求人であっても、意欲があれば多少条件に合致していなかったとしても採用される可能性はあります。面接や履歴書ではしっかりとやる気や将来性をアピールしましょう。

誠実に対応する

転職活動で嘘やごまかしはご法度です。「マイナス評価されたくないから」と正社員で働いていたように見せかけたり契約社員の職歴を隠したりするのは絶対にやめましょう。

仮に嘘をついていたりごまかしていたりしたことが発覚した場合、採用担当者からの信用を失います。また、仮に職歴を偽って転職した場合、経歴詐称として懲戒処分や法的措置の対象になってしまうリスクもあります。

契約社員も立派な職歴であり、隠す必要はありません。しっかりと事実を伝え、誠実に対応しましょう。

自己PRや強みの書き方に迷ったら使えるテンプレート【4選】

最後に、自己PRや強みの書き方に迷ったときに使えるテンプレート4選を紹介します。

【空白期間があって転職する場合】

前職の契約期間満了後、正社員としてキャリアアップするための準備期間として、XXの専門知識を深めるための学習に取り組みました。
特に興味があった△△に関する資格も取得しましたので、即戦力としてお役に立てるかと存じます。

【契約社員として身につけたスキルをアピールしたい場合】

契約社員としてXXの業務に携わり、基礎からスキルを習得しました。
△△の導入プロジェクトでは、部署間の調整を行いながら、スムーズなシステムの運用開始に貢献しました。
今後は正社員という立場で、より専門的な視点で成果を生み出せるよう努めたいと考えております。

【正社員になりたいと思った理由をアピールしたい場合】

契約社員としてXXの業務に携わるなかで、正社員としてより深く業務に関わり、会社に対して長期的に貢献できる環境で働きたいと思うようになりました。
責任ある組織の一員として、これまでの経験を活かしながら、成長のための努力も続けてまいります。

【業務に対する意欲をアピールしたい場合】

契約社員としてXXの業務に携わるなかで、自主的に提案を行ったことでチームの成果に貢献でき、大きな喜びを感じました。今後は正社員として、より責任ある仕事をしたいと考えております。
○年後にはチームを持ち、部門を率いる存在になるために努力してまいります。

まとめ

採用担当者にとっては求職者が正社員だったかどうかよりも、
「その人にどのような経験やスキルがあるか」
「しっかりと自社で働いてくれるか」
のほうが重要です。


近年では働き方が多様化しているのと同時に少子高齢化による労働力不足で、過去の雇用形態にこだわらない企業や採用担当者も増えてきています。

そのため、前職が契約社員であってもそれほど気にする必要はありません。
特に20代の場合はポテンシャルが重視されるので、意欲や将来性をしっかりアピールできれば大丈夫です。

また、30代以降でもこれまで身につけたスキルや知識をアピールすれば採用される可能性は十分にあります。

ぜひ今回の記事を参考に、履歴書や自己PR、面接の内容を考えてみましょう。
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転職時の履歴書の基本的な書き方はこちらの記事が参考になります。

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ぜひ、過去記事も読んで、対策を万全にしましょう。