
求人票の形式は、ハローワークや求人サイトなどの媒体によって多少異なりますが、
記載されている基本的な内容は同じです。
この記事では、求人票の見方やブラック企業を見抜くためのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
求人票の基本項目と見るべきポイント
まずは、求人票の基本項目と見るべきポイントをあわせて確認していきましょう。
『自分に向いている仕事はどうやって見つければいい?理想の仕事を探す方法を解説』
『何から始めればいい?を解決!求人の探し方ガイド』
業務内容
業務内容には、職種や仕事内容が記載されています。
ただし、求人票のスペースには限りがあるため、業務内容が細かく書いてあるとは限りません。
また、「経理事務」や「営業」など、職種名が同じであっても、
企業によって呼び方や担当する業務の範囲が異なる場合があるため、注意が必要です。
職種名だけで判断せず、求人の背景やその企業の事業内容についても調べてみると良いでしょう。
わからないことがあれば、面接の場で確認することも大切です。
契約期間
契約期間には、期限の定めがなく雇用される「無期」と、
3か月や1年といった契約期間が決まっている「有期」があります。
ここでチェックしておきたいのが、どのような雇用形態で採用されるかということです。
「正規雇用」と呼ばれる正社員雇用は、契約期間が「無期」になりますが、
フルタイムの仕事だからといって「無期」であるとは限りません。
契約社員の場合は、契約期間が決まっている「有期」の「非正規雇用」になります。
また、最近では、業務委託と呼ばれる契約で在宅ワークを行う仕事もあるため、
契約期間と雇用形態は正しく把握しておきましょう。
試用期間中と本採用後に雇用形態が変わるタイプの求人もあります。
試用期間
試用期間とは、期限を定めた「お試し」で実際の仕事に就いてもらう期間のことです。
試用期間の終了後に、企業がその人物を本採用するかどうか判断します。
試用期間がある求人の場合は、補足事項欄に記載されています。
また、労働条件が試用期間中と本採用後とで異なる場合も記載があるため、確認しておくことが大切です。
就業場所
就業場所とは、実際の勤務地のことで、求人票には最初の勤務地が書かれているのが一般的です。
本社の住所が勤務地とは限らないため、就業場所の欄はしっかりとチェックしておきましょう。
エンジニアなどIT関係の仕事の場合は、クライアント企業に出向いて働くことも多いため、
入社後に勤務地が決まることも考えられます。
その場合は、「都内」など、具体的な場所が書かれていないこともあります。
就業時間
就業時間(勤務時間)には、1日に働く時間が記載されています。
原則として、勤務時間の上限は1週間に40時間、1日8時間と法律で定められているため、
求人票の就業時間は、この範囲に収まっているのが通常です。
また、始業時間と就業時間を従業員が自由に選べる「フレックス制度」が導入されている企業もあります。
ただし、一般的には、必ず出社しなければならない「コアタイム」が設けられているため注意が必要です。
例えば、コアタイムが11時~16時の企業であれば、フレックス制度が導入されていても、
その時間は必ず勤務しなければなりません。
休憩時間
休憩時間も、求人票に明記しなければならないというルールがあります。
「実働7.5時間(休憩1時間)」のように、就業時間とは別に記載があるので確認しましょう。
法律では、労働時間が6時間以上8時間以下の場合は45分以上の休憩、労働時間が8時間を超える場合は1時間以上の休憩を従業員に与えなければならないと定められています。
休日
求人票で休日を確認する際は、「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いに注意しましょう。
週休2日制とは、1か月間の中で、少なくとも1週は2日間の休日があるという意味です。
それ以外の週は、1日しか休みがない場合もあるので注意しなければなりません。
それに対して完全週休2日制は、毎週必ず2日の休日があることを意味します。
また、完全週休2日制の場合の休日は、必ずしも土日であるとは限りません。
明確に「土日休み」と記載されていない場合は、事前に確認しておくと良いでしょう。
時間外労働
時間外労働とは、法律で定められている勤務時間の上限である
「1週間に40時間、1日8時間」を超えた場合の労働時間のことで、
割増賃金の支払い対象となります。
求人票には、「20時間分の残業代を含む」のように記載されており、
実際に行った時間外労働が20時間以下であっても、20時間分の手当がもらえます。
この制度は「固定残業代」や「みなし労働時間」といいます。
求人票に書かれている時間外労働が長い場合は、残業が頻繁に発生する可能性があります。
そのため、残業が多い職場を避けたい場合は、時間外労働の欄をしっかりとチェックしましょう。
また、固定残業代は基本給とは別に記載するのがルールです。
賃金
賃金では、税込みの基本給や手当が記載されています。
賃金として記載されているのは、税金や社会保険料が差し引かれる前の「額面」であることが多く、
いわゆる「手取り」とは異なるので注意しましょう。
実際の手取りは、額面から20%程度低めになります。
賞与(ボーナス)の支給時期や支給金額の目安についても、賃金の欄で確認できます。
加入保険
求人票で必ず確認しておきたい保険が、社会保険(健康保険・厚生年金保険)です。
次の条件に当てはまる人は社会保険の加入対象となり、
企業側が独自の判断で加入者を決めることはできません。
- 週の勤務時間が20時間以上
- 給与が月額88,000円以上
- 2か月を超えて働く予定がある
- 学生ではない
社会保険は、万が一の病気やケガに対する備えとしても重要です。
安心して働くためにも、求人票で加入保険をチェックしておきましょう。
受動喫煙防止措置
受動喫煙防止措置とは、対象となる施設で受動喫煙を防止するための対策のことです。
望まない受動喫煙を防止するために、企業の取り組みが求人票に書かれています。
募集者の氏名または名称
法人の場合は会社の正式名称を、個人事業主の場合は事業主の名前を記載します。
法人の場合は、公式ホームページもあわせて見ておくと、さらに詳しい情報を入手できます。
その他チェックしておきたい項目

その他、求人票でチェックしておきたい情報をまとめました。
- 求人の理由
- 交通費
- 福利厚生
求人票に記載がなければ、応募時もしくは面接時に確認しておくことをおすすめします。
求人の理由を確認することで、企業がどのような人材を求めているのかがわかり、ミスマッチの防止に役立ちます。
交通費は、全額支給される場合と、上限がある場合があるため注意しましょう。
福利厚生とは、企業が従業員に向けて提供する給与や賞与以外のサービスのようなものです。
福利厚生が多いほど、従業員が働きやすい環境の構築に力を入れていると判断できます。
ブラック企業の見抜き方

求人票を見る際に、次のようなポイントを押さえておくことで、
ブラック企業が見分けられるかもしれません。
ぜひ参考にしてください。
『その会社ホントに入社して大丈夫!?転職で考えるべき6つの決め手』
給与が高すぎる
ブラック企業は、給与を高くして人を集めようとする傾向があります。
同じような求人内容に比べて給与が高すぎる場合は注意しましょう。
「30万円~100万円」のように、極端に給与の幅が広い企業も、ブラック企業の可能性があります。
具体的な仕事内容が書かれていない
仕事内容を具体的に記載すると人が集まらないような仕事は、曖昧な表現になっていることがあります。
少しでも違和感を覚えたら、まずは企業名をインターネットで検索してみると良いでしょう。
常に求人情報が出ている
頻繁に求人を行なっている企業は、人手不足の可能性があります。
一般的な求人期間は約4週間といわれているため、何か月も求人を出し続けている企業には注意が必要です。
応募前のチェックリスト
求人票に応募する際にチェックしておきたい重要項目をまとめました。
- 業務内容は具体的に書かれているか?
- 勤務地や転勤に関する情報はあるか?
- 雇用形態や契約期間は明確か?
- 給与は高すぎないか?
- 休日や残業時間は決まっているか?
- 求人元の企業について調べたか?
- 交通費について記載はあるか?
- 福利厚生はあるか?
- 常に求人情報が出ていないか?
まとめ
求人票の見方を知っておくことは、自分に合った仕事を見つけるうえで重要です。
今回紹介した内容を参考にしながら、実際に仕事を探してみましょう。
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