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トラブルに要注意!退職前の有給消化で気をつけるべきこと

有給休暇届けを書く手

退職前に有給を使い切りたい、選考試験や面接を受けるために有給を取得しなければならないという方もいらっしゃるかと思います。
しかし、適切な手続きや手順をとらないとトラブルに発展し、転職にも影響を及ぼしかねません。

この記事では退職前の有給消化で気をつけるべきポイントについてご紹介します。

退職前に押さえるべき有給消化の基礎知識

まずは有給休暇の仕組みや退職後の扱いについてご説明します。

以下のことを前提知識として押さえたうえで退職前に有給を消化しましょう。

そもそも有給休暇とは?どれくらい取得できる?

有給休暇とは以下のような要件を満たした従業員に対して、会社が定める通常の休日とは別に支給される休暇のことです。
その名のとおり有給休暇は休んでいても給料が支給されます。

  • 会社が労働者を雇い入れた日から6カ月が経過していること
  • 全労働日の80%以上出勤していること

有給休暇は勤続期間によって取得できる日数が変わり、最大40日間取得することができます。

有給休暇は退社とともに権利が消失する

有給休暇は退社すると取得する権利が消滅し、転職したらその職場ではまたリセットされてしまいます。
そのため、在職中に消化しなければなりません。

実際に退職前に有給休暇を消化して転職活動や転職するための準備をされる方、あるいは趣味や旅行などプライベートな時間を楽しまれる方も多いです。

退職時にトラブルなくスムーズに有給消化する方法

有給休暇の取得は労働者の権利なのですが、だからといって好き勝手に取得すると会社に迷惑をかけてしまいます。
以下のようなことを意識して会社と調整しながら取得しましょう。

引き継ぎのスケジュールを決めて会社に迷惑をかけない

退職前の大仕事に引き継ぎがあります。
引き継ぎが十分にできていないと後任者はもちろん職場全体に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。

場合によっては退職後に問い合わせの連絡が来て、転職先での仕事にも影響が及ぶ可能性があります。

退職が決まったらまずは引き継ぐべき業務を洗い出して引き継ぎのスケジュールをしっかりと立てておきましょう。
また、引き継ぎが予定通りにできるとは限りません。

有給消化をするのであれば、それも見越して余裕があるスケジュールを立てましょう。

スムーズな引き継ぎのコツについては以下の記事でもご紹介しています。
スムーズな引き継ぎと退職を実現するために押さえておきたい、3つのコツ

有給の日数を確認しておく

まずは自分が何日まで有給を取得できるのかを確認しておきましょう。
残りの有給日数が少なくて思ったほどに休みが取れないといったケースもあれば、逆に消化しきれないというケースもあり得ます。

一度総務や人事部門に正確な有給の日数を確認してみましょう。

早めに有給消化をしたい旨を上司に伝える

有給を消化するのであれば可能な限り早めに上司に相談しましょう。
前述のとおり引き継ぎの都合があります。また、急に休むとなると担当業務にも支障をきたしかねません。

早めの申し出は希望通りに休むためにも重要なことです。

最終出社日の前と後に消化する2つのパターンがある

有給の取得の仕方については最終出社日の前に取得する方法と、最終出社日の後に取得するという2パターンがあります。
前者は引き継ぎが終わったら最終出社日まで有給を取得し退職日にのみ出勤するという方法です。

最終出社日に片付けやあいさつ回り、備品の返却などを行います。

後者は退職日の前に最終出社日を設定し、その後に会社に籍を置いたまま退職日まで有給を取得するという方法です。
最終出社日以降は会社に行かなくてもいいので気持ちの切り替えがしやすいというメリットがありますが、健康保険などは退職日に手続きを行うため、書類の郵送や持参などの手間がかかる可能性があります。 

退職時の有給消化に関するよくある質問

ここからは退職時の有給消化について、みなさんがよく抱きがちな疑問点にQ&A形式で回答します。

有給消化を認めてくれないけどどうすればいい?

繰り返しになりますが、有給休暇の取得は労働者に認められた正当な権利であり、会社はこれを拒むことはできません。
直属の上司に拒否された場合は人事部門や総務部門に相談してみましょう。

それでも認めてくれない場合は労働基準監督署に相談してください。

ただし、会社にも都合があります。
まったく引き継ぎや任された業務を全うしないで退職すると会社に損害を与えるといった事態にもなりかねません。

そうした理由から有給消化を承諾できないということも考えられます。
しっかりとスケジュールを立てて話し合ったうえで有給休暇を取得することが大切です。

有給が消化しきれないけど買い取ってくれるの?

原則として有給休暇は休暇で支給しなければなりません。
よって基本的に有給買い取りはNGとなります。

しかし、有給が消化しきれない場合などやむを得ない場合は有給の買い取りが認められるケースもあります。

まずは会社の就業規則に有給の買い取りを含めた取り扱いについて記載されていないかを確認してみましょう。
もし規定がない場合は一度人事部門や総務部門に相談してみることをおすすめします。

有給消化中に転職活動しても問題ない?

まったく問題ありません。
在職中に転職することで空白期間ができない、生活に困窮するリスクを軽減できるなどのメリットがあります。

有給消化中はもちろん、在職中に転職活動をするのはごく一般的なことで、それを前提に中途採用活動を行っている企業も多いです。

ただし、在職中、有給消化中に他社で働くのは就業規則に反するおそれもあります。
転職する際には現職場の退職日以降に次の職場の入社日を設定しましょう。

すべての有給を消化すると給与支給額はどうなるの?

有給休暇は給料をもらいながら休みを取れる制度です。
したがって有給を取得しても特に給与の額は変わりません。

有給消化中でもボーナス(賞与)は支払われる?

ボーナスは業績に応じて支払われるものであり、有給取得中であっても会社に籍があれば受け取る権利はあります。
ただし、有給の取得を理由に額が減ってしまう可能性もありますので、やはりしっかりと就業規則を確認し、不明点があれば人事部門や総務部門に問い合わせてみましょう。

まとめ

有給休暇の取得は労働者の正当な権利であるため、退職前に消化しても問題ありません。

ただし、会社に迷惑をかけないことが大前提です。有給消化で引き継ぎや残務に不備があったり人間関係が悪化したりすると転職にも影響が出かねません。
しっかりと上司と話し合い、引き継ぎのスケジュールも立てたうえで消化しましょう。

また、有給の買い取りや賞与の支給などに関しては会社によってルールが違うので、就業規則もしっかりと確認しておくことが大切です。

退職予定日を決めるためには退職願・退職届を出す必要があります。
これらもスムーズに退職するためには非常に重要です。

以下の記事では退職届の書き方について詳しくご紹介しています。
円満に退職するための退職届の書き方徹底ガイド

また、スムーズに退職するためには退職願や退職届を正しく提出することも大切です。

以下の記事では両者の基礎知識についてご紹介しています。
立つ鳥跡を濁さず。退職願と退職届の違いを知ってスムーズに退職しよう

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