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ボーナス支給前の退職はもったいない?支給の仕組みと最適な行動を解説

ボーナスのブロックを組む手

転職はしたいけど、ボーナス前に退職するのはもったいないのでは?」と悩まれている方も多いでしょう。

この記事では、ボーナス支給の仕組みや退職タイミングの影響、円満にボーナスを受け取るためのスケジュールについて詳しくご紹介します。

ボーナス支給の仕組みと退職時の注意点

ボーナス(賞与)とは、給与とは別に労働者に支給される一時金です。

企業の業績や個人の成績などに応じて支給されます。まずはボーナスがどのように支給されるのか、その仕組みについて把握しておきましょう。

ボーナスはいつ支給対象になるのか?

まず知っておくべきなのは、「ボーナスの支給条件は企業によって異なる」という点です。

そもそもボーナスの支給は義務ではありません。
各々の企業において、支給するかしないかも含めて対応が委ねられます。

多くの人が誤解しがちなのが、「ボーナスの査定期間が終わっていれば受け取れる」と思い込んでしまう点です。
たとえば、4月〜9月が査定期間であっても、実際に「支給日に在籍していない場合は支給されない」という規定を設けている企業もあります。
この「支給日在籍要件」は、就業規則や労働契約書に明記されている場合がほとんどです。
仮に業務で成果を出していたとしても、支給日に在籍していないという理由で支給対象外になることもあり得ます。

実際に、ボーナスの支給日前に転職してしまったがために、ボーナスを受け取れなかったという事例も往々にしてあります。
特に大手企業では、この「支給日在籍」を明確に定め、厳密に運用していることが多いため、たとえば支給月が6月・12月であれば、退職日は7月以降や翌年1月以降に設定するのが安全です。

就業規則・労働契約書のチェックポイント

自分がボーナスを受け取れるかどうかを判断するには、必ず「就業規則」や「雇用契約書」で賞与に関する項目を確認する必要があります。

たとえば以下のような記載がないか、注意して見てみましょう。
「支給日現在、在籍している社員に支給する」
「支給対象者は、支給日までに退職の意思表示がなされていない社員に限る」

このような記述がある場合、退職届を事前に提出していたり、退職の内示が出ていたりすると、支給対象外になる可能性があります。
企業によっては口頭での退職意思表明の段階で対象外とする場合もあるため、社内の慣例についても上司や人事部に確認することをおすすめします。

ボーナス支給前退職は“もったいない”?ケーススタディで比較

それではどのようなケースでボーナスを受け取って転職できるのか、あるいはボーナスが貰えないのか、ケーススタディ形式で見ていきましょう。

支給日まで在籍した場合

ボーナスを確実に受け取りたいなら、支給日まで在籍するのが基本です。
これはルールとして定められているだけでなく、実際の運用でも支給日に在籍していたことが条件になるケースが多いためです。

仮に6月30日が支給日だとすれば、7月1日以降に退職日を設定すれば支給対象になります。
とはいえ、7月1日に退職すると「ボーナスだけ貰って辞めるのか」というネガティブな印象を与えかねません。

たとえば7月の後半や8月に退職するというようなスケジュールであれば、後任への引き継ぎ期間を確保しやすく、社内の印象も良好に保ちやすいでしょう。

支給日前に退職した場合

一方で、支給日より前に退職した場合は、原則としてボーナスが支給されない可能性が高まります。
たとえ査定期間中の勤務実績が良好だったとしても、支給日に在籍していないという理由で支給がカットされる事例は少なくありません。

たとえば、6月30日が支給日として、6月29日に退職する場合、30日に在籍していないため支給対象外となってしまう可能性が高いです。

実際に
「上司に退職を伝えたらボーナスが支給されないことを知った」
「退職日を調整すればよかった」

と後悔される方も多いです。

ボーナス受給後に円満退職するためのコツ

ボーナスは会社や個人の成績に応じて支給されます。
できるなら受け取ってから辞めたほうが得策です。

一方で、前述のとおり「ボーナスを貰ってから辞めたい」という姿勢や思惑が前面に出ていると悪印象を与えてしまう可能性もあります。

ここからは円満に退職するためのポイントについて見ていきましょう。

退職意思を伝えるタイミング

退職を決意したら、いつ上司に伝えるべきか迷う人も多いのではないでしょうか。

民法627条では「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と定められています。

つまり、2週間前に退職の意思を伝えれば辞めることが可能です。
しかし、現実には業務の引き継ぎや後任の手配を考慮して1〜2カ月前には申し出ましょう。

会社によっては「退職する1ヵ月前までには申し出なければならない」というように就業規則で定められている場合があり、それに従うのがベターです。

ここで注意したいのが、「退職の意思を伝えた時点で、ボーナスの支給対象外とされるケースがある」という点です。
前述のとおり、就業規則で「支給日に退職の意思を示していないこと」が支給条件になっている場合は、支給日を過ぎてから退職の申し出をする必要があります。

確実に受け取りつつスムーズな退職を目指すなら、支給日直後に退職の意思を伝え、1〜2カ月後の退職日を設定するというスケジュールが理想的です。

引き継ぎ・退職挨拶のポイント

円満退職に欠かせないのが、丁寧な引き継ぎと心のこもった退職の挨拶です。
特にボーナスを受け取ってからの退職では、周囲からの目も厳しくなる場合があるため、誠実な対応を心がけましょう。

引き継ぎは業務内容を資料にまとめるのが基本で、引き継ぎ相手が困らないようにするのが理想です。

また、退職の挨拶は直属の上司だけでなく、関わった部署や取引先などに対してもきちんと行うことで、「最後まできちんとした人」という印象を残すことができます。

退職挨拶の詳しい例文や注意点については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
退職の挨拶で失敗しない!円満に退職するための話し方・例文集

まとめ

ボーナス支給前に退職してしまうのは「もったいない」です。
特に退職してから転職活動を行う場合、収入がしばらく途絶えてしまうことも考えられます。

ボーナスが貰えれば、金銭的に余裕をもって転職活動を行うことができるでしょう。

企業ごとに就業規則は異なりますが、多くの場合で「支給日までの在籍」が支給条件となっているため、受け取りたい場合は必ず支給日を確認し、退職スケジュールを調整することが大切です。

また、退職の申し出や引き継ぎ、職場への挨拶を丁寧に行うことで、円満かつスムーズな退職が可能になります。
また、ボーナスが支給されるかどうかは確かに大きな要素ですが、それ以上に大切なのは、自分に合ったタイミングで新しいキャリアに踏み出すことです。

以下の記事もあわせて読んでみて、適切な転職時期を見極めてみましょう。
【年齢別】転職時期はいつがいい?求められるスキルも紹介