
履歴書には学歴とともに職歴も記載しなければなりません。特に転職においては求職者がこれまでどのような仕事をしてきて、どのような経験を積んできたかということが採否の重要な判断材料の一つとなるため、正確に書くことが大切です。この記事では、履歴書の書き方や好印象を与えるためのポイントについて解説。みなさんがよくギモンに思われる質問にもQ&Aで回答していますので、ぜひ参照してください。
履歴書の職歴欄とは?
職歴とは、今までその人がいつ・どんな職場で、どのような仕事をしてきたかという経歴のことです。社会人経験がある方なら、履歴書には職歴も記入する必要があります。
職歴はどこに書く?
一般的な見開きA3サイズの履歴書であれば、左側(右側にまたがる場合もある)の「学歴・職歴」の欄に記載します。まず学歴(中学の卒業年月と高校、大学・専門学校などの卒業年月日)を記入し、続いて職歴を記載します。
職歴欄に記載する内容
履歴書の職歴欄には、以下のような内容を記載しましょう。なお、複数の職場で働いていた場合は、基本的にすべての職歴について記載します。
前職に入社した年月
前職場にいつ入社したのかを記載します。正確な年月を記載しましょう。
前職の会社名と部署名
前職場の会社名と所属していた部署名を正確に記載します。
担当業務
どのような業務を担当していたのかを具体的かつ簡潔に記載します。
異動や昇格
前職で部署異動や昇格・昇進があれば記載します。
前職を退職した年月と退職理由
前職場の退職年月と退職理由について簡潔に記載します。なお、在職中に転職活動を行う場合は「現在に至る」と記載します。
履歴書の職歴例文
以上の内容をふまえて、履歴書の職歴の例文を作成してみました。ぜひ参考にしてご自身の職歴を書いてみましょう。
平成29年4月 株式会社●● 入社 営業部広報課に配属 広報担当として販促イベントの企画やウェブサイト・カタログの制作に 従事する 令和2年4月 営業部広報課主任に昇格 令和4年3月 一身上の都合により退職 現在に至る 以上 |
受かる職歴欄を書くコツ

冒頭でも触れた通り、転職では職歴も大きく採否を左右する要素となります。ここでは採用担当社に好印象を与える職歴を書くポイントについてご紹介します。
短期間しか勤務していない場合でもすべて記載する
短期間であっても正社員として勤務していた場合はすべて記載しましょう。「ちょっとしか働いていなかったから」と空白のままにしておくと、その間は仕事をしていなかったと思われてしまいます。短期間であっても、そこで身につけたスキルや経験が転職先に役立つかもしれません。
会社名や部署名は正確に記載する
会社名や部署名については、特に誤字脱字がないか正確に記載しましょう。ビジネスにおいて会社名や氏名を間違えるのは大変失礼なことです。誤字脱字があると信用を落とすことにもなりかねません。
略称や通称もNGです。「(株)」「(有)」ではなく、「株式会社」「有限会社」と記載しましょう。
業務内容を具体的かつ簡潔に記載する
職歴欄には前職で担当した業務内容についても記載します。どんな業務に携わってきたのか、どんな経験をしてきたのかを簡潔に書きましょう。職歴欄のスペースには限りがあるので、書きすぎると収まりきりません。また、長々と書かれるとわかりづらくなってしまいます。
とはいえ、職歴欄は非常に重要なアピールポイントです。どんな仕事をしてきたのか、どんな経験をしてきたのかが、ひと目でわかるよう意識して書くことが大事です。
詳しい業務内容や経験、スキルなどは「職務経歴書」を作成して詳しく記載し、存分にアピールしましょう。
記載を統一する
内容だけでなく見た目にもこだわることが大切です。例えば、西暦と和暦が混在していると時系列がわかりにくくなりますので、どちらかに統一しましょう。
「表記のゆれ」も意識することが大切です。典型的なものに送り仮名の使い方が挙げられます。例えば、「取引」「取引き」「取り引き」が混在していると読みにくくなってしまいますので、いずれかにそろえましょう。
空白についても、「●●株式会社 入社」「●●株式会社 退社」というように、全角と半角が混在していると見にくくなるので、統一しましょう。
職歴欄のQ&A

正確に書くことが求められる履歴書。「どのように書けばいいの」「こういうときはどうすればいいの」と迷ったりギモンに思われたりすることも多いかと思います。そこで、ここからはよくありがちな職歴欄のギモンについて、Q&A形式でお答えします。
Q:退職理由はどのように書けばいい?
A:退職理由はなるべく正直に記載するのが望ましいですが、だからといって「給料が低いから」「やりがいがないから」と書いてしまうのは考えものです。「一身上の理由により退職」「会社都合により退職」と記載し、面接で聞かれたら事情を説明しましょう。
なお、面接においても退職理由の伝え方は細心の注意が必要です。言い方一つで印象が悪くなることもあれば、好印象を与えることもできます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Q:アルバイトやパート、派遣社員も職歴に含めていい?
A:問題ありません。むしろ応募先にとってメリットになりそうな職歴なら積極的に記載しましょう。例えば、学生時代に飲食店でアルバイトをしていたとして、飲食業や食品メーカに転職するのであれば、アルバイトでの経験が大いに役立つ可能性があります。営業職を志望する場合は、飲食店で培った接客スキルが活かせると判断されるかもしれません。
どんな経験がどのような形で役立つかわかりません。「関係ないかも」と思っても、記載することでアピールポイントになる可能性はあります。
Q:在職中の場合はどのように記載すればいい?
A:「在職中」と記載します。退職することが決まっているのであれば、「在職中(●●年●●月●日に退職予定)」と付け加えます。
採用担当者にとっては「いつ入社してくれるのか」も重要な問題です。退職日がわかっているのであれば、入社できるタイミングなども話し合うことができます。
Q:空白期間がある場合はどうしたらいい?
A:出産や育児、介護や体調不良が理由である場合は、正直に書くのが望ましいです。事情が採用担当者にも伝わり、配属先や業務内容、労働条件などを決める際に配慮してくれる可能性があります。
「なんとなく辞めてしまった」「仕事が嫌で辞めてしまった」という場合は「一身上の理由により退職」と記載します。ただし、転職市場においては空白期間(定職についていない時期)がマイナス印象を与える傾向がありますので、転職活動やアルバイト、留学、資格取得のための勉強など、空白期間中に取り組んでいたことを記載するとよいでしょう。
まとめ
履歴書の職歴欄は、記載する内容こそはシンプルですが、採用担当社が採否を決める重要な要素です。職歴欄が強力なアピール材料になることもあれば、逆に足を引っ張ってしまうこともあります。正確かつ好印象を与えられるよう意識した書き方が大切です。
履歴書の職歴欄には、これまでに在籍していた職場や、そこで担当した業務内容がひと目でわかるように記載し、職務経歴書ではそれらを深掘りするような内容を書くことで、より今までの経験やご自身の強みが採用担当者に伝わりやすくなります。2つの書類の内容がリンクするような書き方を意識してみてください。
職務経歴書についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。
また、履歴書全体の書き方についてはこちらの記事が参考になります。
今回の記事や過去記事をご覧いただいて、ぜひ、採用担当者が「採用したい」と思ってくれるような履歴書を目指しましょう。