人間関係の問題によって退職する予定の方、あるいはされた方もいらっしゃるかもしれません。
この場合、包み隠さず詳細を伝えるべきなのでしょうか?
この記事では人間関係が起因して転職する場合の退職理由の伝え方についてご紹介します。
人間関係が原因の退職理由を正直に伝えて良いのか?
人間関係の悪化がきっかけで転職や退職をされる方も決して珍しくありません。
しかし、それを転職の面接で伝えてしまってもいいのでしょうか。
あまりストレートに伝えないほうがいい
結論からいうと人間関係が原因で転職する、あるいは退職したことをストレートに伝えてしまうのは得策とはいえません。
もちろん職場ではいろんな人が働いているので、相性がいい人もいれば悪い人もおり、人間関係が悪化することもあれば、それによって何らかのトラブルが発生することもあり得ます。
一方で価値観や性格が合わない人とも可能な限り理解をし合って仕事を円滑に進めていくのも社会人に求められるスキルです。
退職理由として人間関係を挙げてしまうと、たとえご自身に非がなくても「協調性がないのではないか」「トラブルを起こしそう」「また同じように辞めてしまうのではないか」と誤解されかねません。
また、人間関係のトラブルの内容を詳細に、包み隠さず話すとなると、どうしても相手や会社のネガティブな情報も含まれがちになります。
「悪口を言う人」「会社の内情を外部に漏らす人」と見られ、採用担当者に不信感を与えかねません。
退職理由は伝え方を工夫しよう
とはいえ、自分に合わない職場で働き続けるのは幸せなことではありません。
特に嫌がらせやハラスメントを受けている場合は、転職や退職も含めていち早く対策を検討しましょう。
また、人間関係が理由で転職・退職する人が非常に多いのは採用担当者にとっても周知の事実です。
退職理由を無理にでっちあげる必要はありません。
伝え方を工夫すればマイナスな印象を与えずに済みます。
人間関係の退職理由をポジティブに言い換えるポイント
人間関係の話はどうしてもネガティブなものになりがちで、採用担当者に悪印象を与えるリスクもあります。そこで、退職理由をポジティブに言い換えるよう意識しましょう。これによって高評価につながる可能性もあります。
前向きさが伝わるような内容を考える
まずは前向きさが伝わるような退職理由を考えてみましょう。
たとえば「上司が私の意見をぜんぜん聞いてくれない」「上から一方的に仕事を押し付けてくる」と言われても、採用担当者側としては単なる愚痴にしか聞こえません。
「もっと積極的に自分のアイディアを活かしたい」「自発的に仕事に向き合いたい」というように言い換えるだけで受ける印象がぜんぜん違います。
志望動機を退職理由に結びつける
応募先企業に志望した理由と退職理由を結びつけるのも効果的です。
たとえば、「弊社はどちらかというとトップダウンな社風です。しかし、御社の職場見学にお邪魔した際に担当者の方から若手でも積極的に意見が言える社風であることをお聞きし、実際に皆さんがアイディアを出し合って業務を進められている雰囲気を見て、私もこうした職場で働きたいと思い転職を決意しました」というように伝えることで、退職理由がスマートに伝えられ、応募先企業に対する熱意も伝えることができます。
問題解決に向けて努力したことをアピールする
前述のとおり、ただ問題があったこと、悩んでいたことだけを話しても、愚痴や悪口にしか聞こえません。
たとえば「上司と何度も対話を重ねました」「チーム内の連携が深まるよう定期的にミーティングの機会を設けました」というように、問題解決に向けて行動したことを伝えることで、誤解や不信感を招くリスクを低減でき、高評価につながる可能性を高めることができます。
【例文】人間関係における退職理由の解答のポイント
人間関係が原因で転職・退職する場合の退職理由の回答のポイントと回答例をケース別にご紹介します。
職場の雰囲気に馴染めず退職した場合
この場合は職場がどのような雰囲気でなぜ馴染めなかったのか、そしてどのような職場で働きたいのかを伝えましょう。
そのうえで、会社見学などで受けた応募先の印象などを盛り込むと高評価につながる可能性があります。
(例)
現職場はどちらかといえば個人プレーが中心で、メンバー間のコミュニケーションが少ないと感じていました。チームで一つの仕事を成し遂げたいと考えていた私は積極的に同僚に話しかけ、チームのメンバーとミーティングの機会を設けましたが、やはりなかなか状況は改善されませんでした。
そんな折御社の会社説明会に参加させていただいたところ、皆さんが活発にコミュニケーションを図り、楽しそうに仕事をされている雰囲気に魅力を感じ、転職を決意しました。
ハラスメントを受けていた場合
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど、ハラスメントを受けている場合は、状況を理解してもらうためある程度正直に話しても問題ありません。
ただし、現職場を非難しすぎないよう配慮しましょう。
(例)
前職場では新規営業を担当しておりましたが、ノルマが過大であり、それを達成できていないと朝礼で全員の前で叱責され、強制的に残業をさせられていました。退職が相次ぎ、チームリーダーに環境を改善できないか相談したところ、それが上層部に伝わって私も激しく叱責を受け体調を崩しました。
一旦退職をし心身のコンディションを整え、現在再就職活動をしております。
御社は前職場と同じ業種であるため、経験が活かせると考えております。
社風が合わなかった場合
会社にはそれぞれ社風があります。
社風に馴染めなくて転職するケースも多いですが、やはりこれも現職場や前職場に対する批判につながる可能性もあるため、伝え方には注意しましょう。
(例)
現職場はどちらかというとトップダウンで物事が進められる会社です。もちろん、それによって社員が同じベクトルを向き、プロジェクトがスピーディーに進行するという側面もあるのですが、「みんなでアイディアを出し合いながら仕事がしたい」と考えていた私は物足りなく感じていました。
御社の職場見学にお邪魔した際に担当者の方から若手でも積極的に意見が言える社風であることをお聞きし、実際に皆さんがアイディアを出し合って業務を進められている雰囲気を見て、私もこうした職場で働きたいと思い転職を決意しました。
職場の人とトラブルが発生した場合
対立や喧嘩など職場のトラブルに関してはどちらに責任があるのか、第三者ではなかなか判断しづらいです。
下手をすれば「この人のほうが悪いのではないか」「自社でも同じトラブルを起こすのではないか」と誤解をされかねないので、あまり詳細は言わないよう心がけましょう。
(例)
現職場では仕事にやりがいは感じていたものの、生産性を向上しようと業務フローの改善をしたいと考えていた私と、これまでのやり方を変えたくない同僚との間で業務の進め方について意見の食い違いが生じました。なるべく同僚と話し合ってすり合わせができるよう努めましたが、どうしても議論が平行線をたどり、落とし所を見つけられずにいました。
常に品質改善に力を入れられており、新しい商品を市場に出されている御社であれば、メンバーとアイディアを出し合い能動的に仕事に向き合えると考えました。
まとめ
退職理由や転職理由は面接で聞かれる可能性がかなり高い質問です。
また、採用担当者はプロであるため、求職者の本音もある程度見抜きます。
そのうえでどのように受け答えをするか、どのように行動してきたのか、どのような姿勢で面接に臨んでいるのかを見ているのです。
答え方によってプラス印象を与えられることもあれば、マイナス評価になることもあるので、退職・転職理由は事前にしっかりと考えておきましょう。
特に退職理由はネガティブなものになりがちなので、今回ご紹介したように言い換えなどのテクニックをうまく使いましょう。
以下の記事でも転職・退職理由の伝え方のコツについて詳しくご紹介しています。
『転職・退職理由のうまい伝え方は?コツを例文付きで紹介!』
また、いくら退職するから、嫌な思いをさせられたからといっても、社会人であれば現職場に対して礼節をもって振る舞うことが大切です。
円満に退職するためには退職願・退職届が重要です。
以下の記事を参考に書いてみましょう。
『円満に退職するための退職届の書き方徹底ガイド』
『立つ鳥跡を濁さず。退職願と退職届の違いを知ってスムーズに退職しよう』
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