最近、従来の紙の履歴書に代わって、求職者に対してWeb履歴書の提出を求める企業が増えてきました。今回は採用担当者に好印象を与えるWeb履歴書の書き方やポイントについて解説します。
そもそもWeb履歴書とは?
そもそもWeb履歴書とはどのようなものなのでしょうか?なぜ採用する企業が増えてきているのでしょうか?まずはWeb履歴書の概要について押さえておきましょう。
Web履歴書ってどんなもの?従来の履歴書との違いは?
Web履歴書とは、その名のとおりWebを介して提出する履歴書です。アンケートのように入力フォームがあり、そこに必要事項をすべて記載し、完了すると情報が応募先に送信されます。
入力作業はパソコンやスマートフォン、タブレット端末などで行います。記載する内容自体は従来の紙の履歴書とほとんど変わりませんが、Web履歴書ならではの注意点がいくつかありますので、それらをしっかりと押さえておきましょう。詳しくは後ほどご紹介します。
Web履歴書が増えている理由
今、紙の履歴書に代わってWeb履歴書を採用する企業が増えてきています。その背景としてまず挙げられるのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)という流れです。今、多くの企業では業務のデジタル化、とりわけ書類を電子データに置き換えるペーパーレス化が進んでおり、採用活動も例外ではありません。求人を出すと採用担当者のもとには何十通、何百通もの履歴書が届きます。これらを整理・保管するのは大変な作業です。Web履歴書を採用することで、大幅な業務効率化が図れます。
また、紙の履歴書は紛失や持ち出しなどによって個人情報が漏えいするおそれもあります。厳重なセキュリティ対策を行ったうえで電子データとして管理すれば、こうしたトラブルを防ぐことも可能です。加えてWeb履歴書を採用すれば紙の消費量を抑えることができ、環境保護にもつながります。
このような数多くのメリットがあるため、今急速にWeb履歴書が普及しているのです。
Web履歴書にはどのような内容を記載する?
それではWeb履歴書に記載する一般的な項目について見ていきましょう。
個人情報
まずは氏名、生年月日、住所(現在住所と実家など現住所以外で連絡を希望する住所)、連絡先(電話番号やメールアドレスなど)を記載します。こうした情報は求職者個人を特定するため、そして選考の日程や合否などを連絡する際に必要となるので、間違いや漏れがないよう記載しましょう。また、顔写真のアップロードを求められることもあります。
学歴・職歴
学歴の欄には学校名と学部名、学科名を正確に記載し、入学年月と卒業年月を記載します。職歴欄も同様に、会社名と部署名を記載し、入社年月と退社年月を記載します。職歴欄には従事した業務内容についても簡潔に記載しましょう。また、人事異動や昇格があった場合は、その旨も記載します。
免許・資格
免許や資格についても、正式名称と取得した年月を正確に記入します。大きなアピールポイントになるので、取得した免許・資格は積極的に記載しましょう。ただし、多くの資格を取得していて記入欄に収まらないときは業務に関係ありそうなものを優先的に記載します。
自己PR
特に履歴書の中でも重要な項目です。自分はどのような人間なのか?どのような経験をしてきたのか?自分を採用することで応募先がどのようなメリットを得られるのか?を意識して書いてみましょう。
志望動機
こちらも採否に関わる非常に重要な項目です。なぜ応募先を志望するに至ったのか?どのような点に興味を持ったのか?自分の経験やスキル、知識を応募先でどのように活かせるのか?を説得力を持ってアピールすることで、採用につながりやすくなります。
特技・趣味
特技に関しては自分が得意としているものの中で応募先の業務に役立ちそうなもの(パソコンスキルや外国語など)を記載します。趣味に関しては率直に記載しても問題ありませんが、やはりこちらも業務に関連したもの(たとえば製造業を志望しているならものづくりや工場見学など)を記載すると好印象を与えられる可能性が高まります。
本人希望欄
職種や勤務地など希望がある場合は記載しましょう。特に事情があって転勤ができない場合、家庭の事情や体調によって時短勤務を希望する場合などは、その旨を記載することで配属先や勤務条件を考慮してくれる可能性もあります。
採用担当者に好印象を与えるWeb履歴書の書き方
基本的にWeb履歴書であっても記載する内容は従来の紙の履歴書とそれほど変わりません。ここからは採用担当者に好印象を与えるWeb履歴書を書くためのポイントや、Web履歴書ならではの注意点についてご紹介します。
個人情報は正確に記載する
氏名・年齢・住所・連絡先などは間違えがないよう正確に記載しましょう。特に電話番号やメールアドレスの連絡先を間違えて記載すると、選考の日程や採否などの重要な連絡が受けられなくなってしまいます。
顔写真は専用のアプリを使って撮影する
Web履歴書には当然ながら物理的に写真を貼ることができないため、写真データを添付する必要があります。スマートフォンで撮影する場合は、できるだけ証明写真を撮影するための専用カメラアプリを使って撮影しましょう。証明写真向けのサイズにトリミングする、背景などを設定してくれるなどの機能が使えて便利です。
証明写真をスマートフォンで撮影するポイントやおすすめアプリについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
年号を統一する
学歴や職歴、免許・資格欄に記載する年号は西暦でも和暦でもどちらでも問題ありませんが、統一するようにしましょう。学歴は西暦で書かれているのに職歴は和暦で書かれているというように、西暦と和暦が混在すると非常にわかりにくくなってしまいます。
学歴欄・職歴欄の書き方については、こちらの記事でさらに詳しくご紹介しています。
自己PRや志望動機は端的に・わかりやすく書く
熱意を伝えようとするあまり、ついつい自己PRや志望動機は長くなりがちです。しかし、あまり多くの要素を盛り込みすぎたり文章が長くなりすぎたりしてしまうと、かえってわかりにくくなってしまいます。アピールしたいことを絞り込んで、簡潔に書くことで、かえって自分の長所が伝わりやすくなります。
空欄にしない
Web履歴書はパソコンやスマホでアンケートに回答するような感覚で手軽に入力できますが、思い浮かばない項目を空欄にするのはNGです。特に自己PR欄や志望動機欄が空白だと、意欲がないと思われる可能性も高いです。自分をしっかりとアピールしましょう。
誤字脱字をしっかりとチェックする
手書きと比べるとどうしてもパソコンやスマホでの文字入力は誤字や脱字が発生しやすいです。特に予測変換を使うと変換間違いも発生しやすくなります。スピーディーに文字が入力できるのがWeb履歴書の利点ですが、送信前には一度しっかりと見直しましょう。
送信できているかどうかしっかりと確認する
せっかくWeb履歴書を記入したとしても、パソコンやスマホなどの端末のエラーやネット回線のトラブル、誤操作などで正常に送れていなかったり内容が消えてしまったりすることもあります。しっかり送信できているかどうかを確認しましょう。また、予期せぬエラーが発生して内容が消えてしまわないよう、フォームに記入する前にWordやメモ帳などで下書きをし、送信後もバックアップとして保存しておくことをおすすめします。
マニュアルや注意事項を読み操作方法を確認しておく
Web履歴書を作成する際にはしっかりとマニュアルや注意事項を確認しておきましょう。Web履歴書のシステムは誰もが操作しやすいよう設計されていますが、思わぬミスやトラブルが発生する可能性もあります。また、注意事項を守らないことで、採用担当者からマイナス評価をされてしまうおそれもあります。
まとめ
Web履歴書は紙よりもスムーズに記入できて、間違えても修正しやすいというメリットがあります。ただし、保存忘れや送信漏れ、誤字脱字といったミスが起きやすいなど、Webならではの注意点も少なくありません。フォームに入力する際にはマニュアルや注意事項をよく読み、操作方法をしっかりと把握しておくとともに、パソコンやスマホなどの端末の状態やネット回線などを確認したうえで入力して送信しましょう。
Web履歴書であれ、紙の履歴書であれ、記載すべき内容や大切なポイントは変わりません。特に志望動機や自己PRは採否の判断材料になり得るので、非常に重要です。他の記事も参考にして考えてみましょう。
履歴書の基本的な書き方は、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。