履歴書には「本人希望欄」という欄があります。ここには何を書けばいいのでしょうか?希望することは何でも書いていいのでしょうか?
今回の記事では本人希望欄に記載する内容、書かないほうがいい内容についてご説明します。
履歴書の本人希望欄って何?
履歴書の本人希望欄とは就業するにあたって本人の希望を伝えるための欄です。業務内容や勤務条件、待遇など、さまざまな事柄を記載することができます。必ずしも希望が通るとは限りませんが、選考する上で、あるいは配属や勤務条件を決める際に希望を考慮してくれる可能性が高まります。
本人希望欄はどう書けばいい?
特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と記載しましょう。ただし、どうしても就きたい職種がある、家庭の事情で就業するにあたって制限が出るなど、譲れない条件がある場合は記載しても問題ありません。その場合は1~2行程度で簡潔に書きましょう。
また、今後選考を進めるにあたって応募先企業側に配慮してほしいこと、たとえば面接を希望する曜日や時間帯、連絡がとれる時間帯や手段についても記載します。
本人希望欄に書いていいこと・書くべきではないこと
就業するにあたって希望することがある場合、本人希望欄にそれを記載しましょう。しかし、何でも書いていいというものではありません。中には記載することでマイナス印象につながる内容もあります。
ここからは履歴書の本人希望欄に書いていいこと・書くべきではないことについて見ていきましょう。
本人希望欄に記載してもいいこと
希望職種や勤務地、勤務形態などでどうしても譲れない条件がある場合、考慮してほしい事柄がある場合は記載しても問題ありません。たとえば子育てや介護などの家庭の事情、あるいはご自身の健康状態によって配慮が必要な場合は理由も簡潔に交えて記載します。
【記載例】
・子どもを保育園に迎えに行かなければならないため15時までの勤務を希望いたします。
・親の介護のため通勤範囲内での勤務地を希望いたします。
・持病があるため車の運転を伴う勤務には従事できません。
また、希望職種があればそれを記載しましょう。ただし、職種を限定した求人に応募する場合は、特に記載する必要はありません。
【記載例】
・希望職種:営業事務職
・営業職を希望いたします。
就業中に転職活動をされている方は、現職場を退職してから就業することになります。入社可能日がわかれば、それを記載しましょう。
【記載例】
・現職場を8月末で退職予定のため、9月1日以降入社可能です。
・入社希望日:9月1日
なお、在職中に転職される方は職歴欄の書き方も工夫が必要です。以下の記事では在職中の職歴欄の書き方についてご紹介しています。
『履歴書で在職中の職歴欄はどう書く?ケース別に解説』
選考するにあたって配慮が必要な事柄がある場合、それを記載することで採用担当者にとってもコミュニケーショントラブルが減るなど、効率的な採用活動につながります。
【記載例】
・現在就業中のため平日17時以降にご連絡いただければ幸いです。
・連絡不可時間:平日9~18時(12~13時であれば対応可能です)
本人希望欄に書くべきではないこと
本人希望欄に細かく希望を書くと、「自己中心的」というマイナス印象と与えてしまう可能性があります。本人希望欄に記載する内容は特段の事情があるもの、あるいはどうしても応募先に考慮してほしいことのみにとどめておきましょう。
また、給料や待遇に関する内容も控えておいたほうがベターです。「給料が高いか低いかのみで転職先を選んでいる」「待遇に不満があるとすぐに辞めてしまうのでは?」という印象を与えかねません。
しばしば本人希望欄に自己PRを付け加える方もいらっしゃいますが、これもあまり得策とはいえません。意欲を示したいという気持ちはわかりますが、本人希望欄は簡潔に記載し、自己PR欄や職務経歴書などで存分にアピールしましょう。
採用担当者は本人希望欄をどう見ている?
一般的に本人希望欄はどうしても譲れない条件がある場合、応募先企業に配慮してほしい事柄がある場合にのみ記載します。そのため、この本人希望欄を特に気にして採否を判断する、あるいは配属先や条件を検討する採用担当者も少なくありません。
ここからは採用担当者がどのように本人希望欄を見ているか、本人希望欄から何を判断するのかについて見ていきましょう。
採否の参考にする
採用担当者は求職者が自社の条件に合っているかどうかを検討します。そのため、本人希望欄の内容によっては採否が左右されてしまう可能性もあります。たとえば転勤できる人材を採用したいのに本人希望欄に「転勤不可」と書かれてある、フルタイムで働ける人材を採用したいのに「時短勤務希望」と記載されている場合、どうしても不採用にせざるを得なくなってしまうのです。
そもそも、企業側の条件とご自身の希望がマッチしていない求人に応募しても、自分が望む働き方ができない可能性が高くなってしまいます。必ず求人情報で企業側の条件を確認した上で応募しましょう。
また、「子どもが小学生に上がる●年●月までは時短勤務を希望します」「父の介護のため転勤は通勤可能な範囲であれば対応可能です」というように記載すれば、一時的に企業側の条件が満たせない状況であっても、あるいは対応できる範囲が限られていたとしても、採用される可能性が高まります。
配属先を検討する
採用担当者は本人希望欄を考慮して配属先や担当業務を検討します。
たとえば疾病や怪我、障がいがあって特定の職種に就業することが難しい場合、その旨を記載することで配属先や担当業務を考慮してくれる可能性があります。また、時短勤務を希望する場合、残業がない、あるいは在宅勤務が可能な部署に配属してくれる可能性があります。
また、総合職の募集など、職種を限定しない求人に応募する場合、希望職種を記載することで、応募先企業が配属先を考慮してくれる可能性があります。
モチベーションを判断する
本人希望欄で求職者のモチベーションを判断する採用担当者もいます。たとえば、先ほどもご紹介したように、「子どもが小学生に上がる●年●月までは時短勤務を希望します」「父の介護のため転勤は通勤可能な範囲であれば対応可能です」というように、譲歩案を示して採用条件になるべく合わせようという姿勢が見られれば、モチベーションが高いと判断できます。
一方で、あれも・これもと細かい要望を出しすぎる、いわゆる「わがまま」と捉えられる内容が記載されている場合、マイナス印象につながってしまうおそれもあります。
まとめ
履歴書の本人希望欄は、特に記載することがない場合は「貴社の規定に従います」と一言書けば問題ありません。
健康上の問題、育児、介護など、事情があって希望する条件があれば記載しても問題ありません。採用担当者が考慮して配属先や担当業務などを検討してくれる可能性があります。また、連絡手段や連絡がとれる時間帯など、選考を受けるにあたって配慮してほしい事柄を記載することで、スムーズな転職活動につながります。
一方で給料や待遇について、あるいは自己中心的な希望を記載するのは極力避けましょう。悪印象を与えかねません。
本人希望欄以外にも、当サイトでは過去にも履歴書に関するさまざまな情報を発信しています。
特にはじめて履歴書を書かれる方は、手書きにすべきか、パソコンで作成すべきか、迷われるかもしれません。ぜひ以下の記事を参考に、どちらにするか考えてみましょう。
『手書きvsパソコン論争に終止符を!履歴書はどっちで作成すればいい?』
多くの転職者の方は趣味・特技の欄でも悩みがちです。どう書いていいか悩んだ場合は、以下の記事も参考にしてみましょう。
『履歴書の「趣味・特技」って重要?好印象を与える書き方とは?』
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