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第二の人生を歩もう!シニアの方のための転職ガイド

木の前で立ち止まるシニア夫婦

シニアは転職できない……そんなイメージはありませんか?確かにシニアの方は若年層の方と比較すると、どうしても転職は不利になりがちです。

しかし、転職して第二の人生を歩まれている方も数多くいらっしゃいます。今回はシニアの方向けに、転職に成功するためのポイントについてご紹介します。

シニアの転職は難しい?理由は?

まずはシニアの方の転職の現実をデータで見た上で、難しいとされている理由について考えていきましょう。

シニアの転職の現実

厚生労働省がまとめた『労働力調査』によると、2022年の調査時点で65歳以上の転職希望者は118万人となっています。一方で転職者の数は21万人です。転職を希望しても、実際に転職したのは6人に1人という割合となっています。

また、同省が発行している『令和3年雇用動向調査結果の概況』では、65歳以上の転職による入職率は男性で8.1%、女性で5.6%です。20代では軒並み10%以上なので、転職して働いている人の割合も少ないというのが現実です。

シニアの転職が厳しい理由

データで見てもシニアの方の転職は比較的難しいと言わざるを得ません。ここからはその理由について考察してみましょう。

体力が低下していると思われている

シニアになるとどうしても体力が低下してしまいます。特に工場や建築現場の作業者など身体を酷使する重労働ではそれが顕著に現れるでしょう。ほかにも判断力や反応速度が低下するため、運転や機械の操作なども歳をとると今までと同じように行うことが難しくなってきます。

また、これら以外の仕事でも、若い人と同じように動くことが困難になってくるため、どうしても企業としてはシニアよりも若い方を採用したいと考えるのです。

高い専門性やマネジメントスキルが求められる

シニア向けの求人では高い専門性やマネジメントスキル、実務経験が求められるものも少なくありません。それも「営業部門での管理職の経験○年以上」「金属機械加工の経験○年以上」というように細分化される傾向があります。企業が求める条件に満たないために応募できなかったり不採用となってしまったりするケースも少なくありません。

指導役や上司、経営者が年下になってしまう

シニアの方が転職した場合、指導役や上司、経営者が年下になる可能性が高いです。どうしても年長者に指導や指示をするのは気が引けてしまい、言うべきことが言えなくなってしまうこともあり得るため、シニアの方の採用に積極的になれない企業も少なくありません。

新しい職場や業務に馴染めない

長く勤めていた会社から別の会社に転職して馴染むのは大変なことです。今までのやり方が通用しません。また、一から仕事や会社のルールを覚えるのもなかなか難しいです。職場や業務に馴染めないのではないかと企業側が危惧するのも、シニアの方の転職が難しい一因と考えられます。

シニアの転職を成功させるポイント

パソコンを使う年配の男性

とはいえ、シニアの方であっても転職できる可能性は十分にあります。転職活動の際には、特に以下のようなことを意識してみましょう。

これまでの経験をアピールする

シニアの方の最大の武器。それは豊富な人生経験です。20代や30代の若者にはない、何十年という年月で培ってきた知識や技術、ノウハウがあるはずです。シニアの方が転職活動をする際には、これまでの経験や実績、学んできたことを存分にアピールしましょう。それが採用担当者に伝われば、年齢関係なく採用につながるはずです。

パートタイムも視野に入れる

前述のとおり、どうしても加齢によって体力が衰えてきます。若い方と同じようにフルタイムで、時には残業や休日出勤、出張や転勤に対応しながら働くのが難しくなってしまいます。体力が落ちてきたと感じたなら、体調を維持するためにもフルタイムではなくパートやアルバイト、嘱託職員などの雇用形態も検討されることをおすすめします。

シルバー人材センターも活用する

シルバー人材センターは定年退職されたシニアの方を対象に就業をサポートしてくれる公益社団法人です。全国各地にあり、シルバー人材センターに登録することで、仕事の紹介を受けることができます。良い求人が見つからない場合、空いた時間でマイペースに働きたい場合は、最寄りのシルバー人材センターを活用してみるのもいいかもしれません。

シニアの採用に積極的な企業を探す

今、少子高齢化によって国内全体が人手不足に陥っており、「働き方改革」としてシニア世代の人材活用が推進されています。シニア世代の方を積極的に採用している企業に応募することで、転職の成功につながります。また、こうした企業はシニア世代が働きやすいような職場環境の整備や設備の導入などを進めているので、一般的な企業と比較しても働きやすい傾向があります。

シニアの転職でおすすめの業種・職種

カフェでサービスを提供する年配の日本人女性

最後に、シニアの方が転職するのにおすすめの業種・職種をご紹介します。ぜひ、以下を参考に、ご自身に合った転職先を考えてみましょう。

現職と同じ業種・同じ職種

前述のとおり、シニアの方の最大の武器は経験です。現職と同じ業種・職種を転職先に選べば、今と同じような仕事を続けることができ、これまでの経験を最大限活かして活躍することができます。新しい仕事を覚えなければならない、慣れない仕事でミスをするかもしれないといった心配も少なくなります。

まずはご自身の経験を活かす方向で考えてみられることをおすすめします。

管理職・経営者

管理職や役員に就かれていた方であれば、管理職や経営者として転職するという方法もあります。特に中高年の求人は幹部登用を前提としたものが多いです。こうした求人に応募することで、これまでの経験を活かすことができ、待遇もアップする可能性があります。

警備員

未経験の業種・職種であれば警備員がおすすめです。工事現場や駐車場の交通誘導、施設内の見回りなどを担当します。警備業界は人手不足なのでシニア世代の雇用も積極的で、70代、80代で活躍されている方も少なくありません。立つ機会や歩く機会が多いため、健康維持という面でもおすすめです。

ビルメンテナンス

ビルメンテナンスはオフィスビルや商業施設などの保守管理を行う仕事です。比較的身体への負担が少なく、勤務時間や休日も安定しているため、シニア世代の方にもおすすめの職種と言えます。

軽作業

部品の組立作業や梱包、シール貼りなどの簡単な作業を行います。やはり身体に対する負担が少なく、新しく覚えることも多くないので、シニアの方向きにはおすすめです。

接客業

意外なところで飲食店や小売店での接客の仕事もシニア向きと言えます。人生経験が豊富で周りへのきめ細かい配慮ができる、落ち着いてお客様に対応できるということで、接客人材としてシニア世代を積極的に採用している企業も増えてきているそうです。特に人と話すことが好きな方、社会とのつながりが欲しい方にはおすすめです。

まとめ

難しいと思われがちなシニアの方の転職ですが、今回ご紹介したポイントを押さえることで、転職に成功する可能性が高くなるはずです。「人生100年時代」と言われて久しいですが、今はシニア世代の活用を模索している企業も増えてきています。むしろ、シニアの方の豊富な人生経験やノウハウを即戦力として必要としている企業も多いです。

ぜひ、これまでの経験を武器にして、第二の人生を歩みだしてみてはいかがでしょうか。このサイトではほかにも転職活動に役立つ情報を豊富に発信していますので、ぜひ他の記事も参考にして転職活動を進めてみましょう。