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福利厚生を志望動機にするのはあり?なし?どうしても含めたい場合の例文も解説

選択を迫られている男性

就職や転職の際に、応募先企業の福利厚生に魅力を感じて志望したというケースもあるかと思います。

しかし、それをそのまま伝えてしまってもいいのでしょうか?

この記事では福利厚生を志望動機にしてもいいかどうかを考察。
どうしても志望動機に含めたい場合に押さえておくべきポイントや例文をご紹介します。

福利厚生を志望動機にするのはあり?なし?

福利厚生とは社員やその家族の生活を向上させるために、給与や賞与とは別に支給される報酬のことです。
この福利厚生を志望動機にしてもいいのかどうかを考えてみましょう。

今回記事を読むにあたって、まずは福利厚生とはどのようなものなのかを知っておくことが大切となります。

福利厚生についておさらいしたい方は、以下の記事もお読みください。
給料だけじゃない!転職時には福利厚生も要チェック!確認すべきポイントを解説

そもそも採用担当者は志望動機で何を知ろうとしているのか?

志望動機からは当然その求職者がなぜ自社に応募してきたのか、何をしたいのかといったことがわかります。

しかし、採用担当者が知りたいのはそういった表面上の情報だけではありません。
仕事や会社に対する想いやスタンス、モチベーション、これまでの経験、人柄、業界や業種に対する理解度、職場や業務への適性など、さまざまな事柄が志望動機から読み取れます。

数ある履歴書の項目や面接の質問事項の中でも、特に志望動機を重視しているという採用担当者は少なくありません。

結論:福利厚生を志望動機に挙げるのはおすすめできない

前述のとおり福利厚生は報酬の一種であり、それを志望動機に盛り込むのはあまりおすすめできません。

採用担当者に対して
「報酬目的で応募してきた」
「待遇でしか企業を選んでいない」
「他に給料や福利厚生が充実している会社があれば、そこに行ってしまうのではないか」
というマイナス印象を与えてしまいかねません。

「福利厚生がいいから」「給料が高いから」という理由でその企業を選んだという方も多いかと思います。
しかし、転職活動の場、あるいはビジネスの場では本音を出さないほうがいいケースも往々にしてあります。

それでも福利厚生を志望動機とするには?例文も交えて解説

一般的には志望動機に福利厚生を挙げるのはあまり好ましくありません。
一方で福利厚生はその会社の特色ともいえます。

今、働きやすい職場を目指してユニークな制度を設けている企業も増えてきています。
ここからはあえて福利厚生を志望動機に盛り込む際のポイントについて考えてみましょう。

自分の価値観と結びつける

福利厚生制度にはその会社の理念や理想とする企業像が色濃く反映されているケースもあります。

たとえば社員のスキルアップを目的として研修への参加や資格取得の補助、資格手当の支給、リスキリングやリカレント教育の支援などを行なっている会社もあれば、女性が活躍できる職場づくりを目指して産前・産後休暇制度の充実や時短勤務、在宅勤務の導入、託児所やキッズスペースの設置など、子育てをバックアップするような福利厚生を導入している会社もあります。

こうした企業の理念や想いとご自身の価値観を関連付けることで、福利厚生を志望動機に盛り込んでもプラス印象を与えられるかもしれません。

他の動機をメインとして挙げて、志望動機にも言及する

志望動機以外の動機をメインにし、福利厚生についても言及するという形であれば、それほど悪印象にはつながりません。

「……。また、●●という制度があるのも御社の魅力であると考えております。」
「▲▲という理念から●●という制度を導入されている点にも共感を覚え……」

というように、あくまで補足的に盛り込むのがポイントです。

会社に貢献するという意欲を示す

福利厚生制度を活用して会社に貢献するという姿勢を示すのも非常に有効です。

企業が福利厚生制度を導入するのは社員やその家族の幸福を実現するためでもある一方で、社員のモチベーションを上げてパフォーマンスを発揮してもらおうという意図も背景にあります。

たとえば、
「研修支援制度を活用して最新の情報やノウハウを習得し、業務に活かしたいです」
「出産をしても時短勤務制度や在宅勤務制度を活用して長く御社に貢献したいです」
というように、福利厚生制度を活用することで応募先企業にどのように貢献できるのかを明らかにすれば、プラス評価につながりやすくなります。

NGな例文

以上で福利厚生を志望動機にする際に意識したいポイントについてご紹介しました。
ここからは具体的な例文を見ていきましょう。まずはNGな志望動機の例をご紹介します。

私は貴社のリフレッシュ休暇制度に魅力を感じ志望しました。私は海外旅行が趣味でこれまで多くの国で旅をしてさまざまな文化や価値観に触れてきました。リフレッシュ休暇を利用してこれからも積極的に海外へ出かけ、その知見を仕事に活かしたいと考えております。

上記の例文では「リフレッシュ休暇が取得できること」が主な志望動機になっています。
休暇を利用して実現したいことは言及されているものの、「海外での知見を仕事に活かしたい」というような曖昧な表現がなされており、単に「休暇を利用して海外に遊びに行きたいだけなのでは」と捉えられかねないような内容になってしまっています。

志望動機の例文

ここからは、ポジティブな印象が与えられる可能性がある志望動機の例文について見ていきましょう。

私は学生時代に2年間米国に留学をしており、その際に身につけた語学力を活かしたいと思い、これから海外市場への進出を強化される貴社を志望いたしました。また、「多様な価値観を重視する」という企業理念にも共感しております。会社説明会ではその理念を実現するためにリフレッシュ休暇を導入されているということもお伺いしました。日々の業務の中ではもちろん、休暇も活用して語学研修に参加する、海外に出かけて身をもって現地の文化や市場を体験する、あるいは海外の競合商品を持ち帰って研究して、将来的には海外営業として貴社に貢献したいと考えております。

NG例と同じようにリフレッシュ休暇について言及していますが、企業の理念に触れていること、休暇を有効活用すること、応募先に貢献したいことが明らかになっています。

福利厚生を志望動機に含める際に知っておきたいこと

福利厚生を志望動機にする際には、ぜひ以下のような情報を収集しておきましょう。
そのうえで以上のようなポイントを意識することで、説得力がある志望動機が書けるようになります。

応募先の福利厚生制度について把握しておこう

まずは志望先にどのような福利厚生制度があるかを知っておきましょう。
前述のとおり福利厚生はその企業の特色やアピールポイントでもあるため、採用ページや求人情報に記載されているはずです。

また、その制度が導入されている背景についても把握しておきましょう。
それによってその企業の理念や大切にしていることがわかります。

なお、福利厚生にもトレンドがあり、社会情勢や人々の価値観の変化によって制度の内容も大きく変わってきます。
【2022年版】従業員も企業も幸せになる!福利厚生の最新トレンド

自分の理想の働き方を考えてみよう

今後どのような働き方をしたいのか、将来どのようになりたいのかを今一度考え直してみましょう。
ご自身の理想と応募先の福利厚生制度のバックボーンを結びつけることで、説得力がある志望動機で作れるようになります。

理想の働き方を整理するためには

理想の働き方を整理するにはさまざまな方法があります。
「●●がしたい」
「●●の資格を取得する」
「将来的に●●になる」
というように紙に箇条書きをしてみるのが一番簡単です。

他にも
「20XX年 ●●の資格を取得する」
「20XX年 結婚する」
「20XX年 ●●のポストを目指す」
というように、将来のライフプランやキャリアプランを年表形式でまとめると、より理想的な働き方が見えてくる可能性が高いです。

漠然としている場合は、ご家族や友人、あるいはキャリアカウンセラーに相談してみるのもいいかもしれません。
話しづらいということであれば、ChatGPTに相談してみるというのも手です。
アウトプットをしているうちに、ご自身のしたいことや将来の目標などが見えてくる可能性もあります。
知らなかった自分に出会える?ChatGPTを自己分析に活用する方法4選

まとめ

「志望先は福利厚生で選んだ」というような本音もあるかもしれませんが、基本的に福利厚生を志望動機にしないほうが無難といえます。

ただし、ご自身が理想とする働き方や価値観とつなげる、他の志望動機をメインとして福利厚生にも言及する、福利厚生を活用して応募先に貢献できる可能性を示すなど、工夫をすれば志望動機に含めるのもありです。

そのためにも、応募先の企業の基本的な理念や制度について理解を深め、あるいは自分自身の理想の働き方や価値観を明確にしておきましょう。

なお、当サイトでは志望動機の書き方に関する記事を多数公開しています。
業種別に書き方のポイントを知りたい、例文を見たいという方は、ぜひ他の記事も参考にしてみてください。
「志望動機」の記事一覧