
転職の面接では特に志望動機が重視されます。この記事では採用率が上がる志望動機を書くためのポイントを4つご紹介。シーン別の例文についても掲載していますので、ぜひ参考にして志望動機を考えてみましょう。
採用担当者が志望動機を通じて知りたいこと
志望動機は履歴書の中でも特によく見られる項目です。志望動機を見ることで採用担当者は以下のような事柄を読み取ろうとしています。
即戦力になってくれるか?
多くの場合、企業は即戦力となるスキルや経験を持つ人材を中途採用したいと考えています。採用担当者は求職者が入社後にすぐに活躍してくれるかどうかを志望動機から読み取ろうとしているのです。
会社の業務と求職者がやりたいことがマッチしているか?
求職者がやりたいことと自社の業務内容がマッチしていれば、長く力を発揮してくれる可能性が高まります。「求職者が何をしたいのか」も採用担当者が志望動機を見るうえで重要視しているポイントです。
求職者にどのようなスキルや経験があるのか?
志望動機を見れば、求職者にどのようなスキルや経験があり、それをどのようにして自社に活かしてくれるのかも推し量ることができます。これまで培ったスキルや経験をしっかりと志望動機でアピールしましょう。
自社や業界のことを知っているか?
即戦力として働いてもらうためには、ある程度自社や業界についても把握してもらう必要があります。採用担当者は「どれだけ自社や業界について知っているか」「知っていなくても調べる努力をしているか」を志望動機から見極めます。
やる気や熱意があるか?
やはり採用するうえで大きな決め手となるのは求職者のやる気や熱意です。それらは志望動機の内容からも読み取れます。やる気や熱意があれば、経験やスキルが足りなくても採用される可能性は高くなります。
転職の面接で採用率が上がる志望動機を作る4つのポイント

それではここからは採用担当者の心を惹きつけ、採用率をアップさせるための4つのポイントについてご紹介します。
200~300文字程度で簡潔に伝える
志望動機はおおむね200~300文字程度にまとめましょう。あまりにも長すぎると伝えるべきことが伝わりにくくなってしまいます。「あれも・これも」と詰め込みすぎるのではなく、メッセージを1つに絞りこみましょう。
結論から書き出してインパクトを与える
「私が転職を志望した理由は●●です」「●●だから転職を決めました」というように結論から書き出すことで、インパクトが大きくなり、志望動機が採用担当者に対してダイレクトに伝わりやすくなります。
採用担当者が知りたいポイントを意識する
前述のとおり、採用担当者は志望動機を合否判断の材料の一つとします。「即戦力になるか」「自分のやりたいことが会社の業務とマッチしているか」「経験やスキルは十分か」「応募先や業界のことを知っているか」「やる気や熱意はあるか」がわかるように意識して志望動機を考えてみましょう。
自分を採用するメリットを伝える
採用担当者の役割は人材採用を通じて会社の利益向上に貢献することです。雇うメリットがあると感じてもらえれば、採用される可能性が高まります。ご自身が持つスキルや経験あるいは人間性をどのように応募先の利益につなげられるかを意識してみましょう。ただし、あまりにも自信過剰な内容になってしまうと「話を盛っているのでは」「謙虚さが足りない」とマイナス評価につながりかねませんので、注意が必要です。
シチュエーション別転職の志望動機例文集

それではここからはさまざまな転職のシチュエーションを想定して、志望動機の文例をご紹介します。ぜひ参考にしてご自身の志望動機を考えてみましょう。
同業他社への転職の場合
同業他社へ転職する場合、特に「なぜ応募先を選んだのか」が重要になります。「今の会社ではダメなのか」と突っ込まれてしまわないよう、現職と応募先を比較して、応募先で実現したいことを盛り込みましょう。
【例文】商社から商社に転職する場合
私は商社で営業として国内外のさまざまな取引先様を担当させていただいておりますが、「もっと新興国向けの新規営業に携わってみたい」という想いが強くなりました。また、学生時代には1年間アメリカに留学しており、語学や海外の文化にも理解がございます。
貴社は海外に積極的に販路を拡げられており、今後新興国にも事業を展開されていく方針であることをお聞きしました。私がこれまで培ってきた営業スキルや語学力を活かし、貴社の販路拡大に貢献していきたいと考えております。
未経験職種への転職の場合
未経験職種の場合は「なぜその職種に興味を持ったのか」というストーリーを盛り込むことで、説得力がある志望動機になります。また、未経験職種であってもこれまでの社会人経験が活かせる可能性は大いにあるので、「どんな経験が活かせそうか」を考え、積極的にアピールしましょう。
【例文】メーカーから広告代理店へ転職する場合
私はメーカーで営業に携わっておりました。展示会で自社ブースを手掛けた広告代理店の担当者とお打ち合わせをさせていただく中で、ブースの構造やデザイン、コピーに至るまで、見込み客を獲得するためにさまざまな工夫が凝らされていることを知り、広告の仕事に興味を持つようになりました。
幅広い業種の企業様を支援されており、イベント集客だけでなくインターネットを活用したマーケティングに力を入れられている貴社であれば、さまざまなチャレンジができると考え志望いたしました。営業で培った提案力や企画力と、顧客を獲得するノウハウを活かして貴社に貢献したいと考えております。
Uターン転職の場合
Uターン転職の場合は特に「地元に貢献したい」という気持ちをアピールすることで、共感が得られる可能性が高いです。
【例文】東京の広告代理店から地方の広告代理店に転職する場合
私は長年東京の広告代理店で働いていましたが、生まれ育った自分の故郷で暮らしたい、自然の中でのびのびと子育てがしたいと考え、地元企業への転職を決意いたしました。
特に貴社は「●●町を元気にする」という理念を掲げられていて、地元のイベントの企画やフリーペーパーの発行にも力を入れられていらっしゃいます。私もこれまで広告代理店の営業担当として、さまざまなイベントの企画・運営に携わってまいりました。この経験を活かし、貴社の一員としてこの●●町を盛り上げていきたいと考えております。
非正規社員から正規社員に転職する場合
非正規社員から正規社員に転職する場合、「安定している仕事に就きたいから」という理由だけではどうしても弱くなってしまいます。「非正規社員ではできなかったことを正規社員になって実現したい」という方向性で志望動機を考えてみましょう。
【例文】パートの事務社員から事務系の正規社員に転職する場合
私はパート社員として5年間営業事務に携わってまいりましたが、伝票処理や簡単な資料作成、電話応対など業務の範囲が限られており、もっと会社の利益に貢献できる仕事がしたいと考え、転職することを決めました。
貴社の募集要項を拝見したところ、営業資料の作成やマーケティング戦略の考案、システム導入など、幅広い業務をお任せいただけることを知りました。一通りPC操作ができ、WordやExcel、PowerPointなどのオフィスソフトも使いこなせます。これまで培った実務経験を活かして、貴社の利益拡大や業務効率化に貢献したいと考えております。
出戻りする場合
一度退職した会社に再度就職する「出戻り」。他社に転職して得られた気づきなどを志望動機に盛り込むと効果的です。
【例文】同業他社に複数回転職した後に出戻り転職する場合
私は新卒で貴社に就職し、その後同業他社に転職いたしました。複数社において同じように営業に従事してまいりましたが、貴社の商品が一番優れていると再認識しました。
他社の営業に従事しているからこそ、貴社商品の魅力をよく理解し、それを発信することができると考えております。客観的な視点と他社で培った経験を活かして、再度貴社に貢献します。
まとめ
志望動機から読み取れる情報は非常に多く、採用担当者は志望動機を見て採否を判断しているケースも少なくありません。特にベテランの担当者や経営者は、志望動機を見ただけでその求職者がどのような人物なのか、どれほどの熱量を持っているのかを見抜きます。
特に転職の場合は「即戦力になれる」「採用するメリットがある(会社の利益に貢献できる)」という2点を意識してアピールすることが大切です。 今回の例文も参考にして、ご自身のオリジナルの志望動機を考えてみましょう。