
警備の仕事に関連する資格は、施設警備・空港警備・雑踏警備など、警備の種類によって分かれています。
資格はスキルの証明であり、警備員の指導や、警備の管理・監督に必要な資格を取得することでキャリアアップも目指せます。
この記事では、警備員に必要な資格や向いている人の特徴、資格取得のための勉強方法などをわかりやすく解説します。
警備員の仕事内容は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
警備員に向いている人の特徴
警備員に向いているのはどのような人なのでしょうか。特徴を見てみましょう。
責任感や使命感が強い
警備の仕事は、人々の安全や財産を守ることです。ちょっとした気の緩みが大きな事故につながることもあるため、「人の命に関わる仕事」という責任感や使命感を持って業務を遂行できる人は警備員に向いています。
コミュニケーションが得意
警備の現場によっては、人とコミュニケーションを取る機会が多くなります。例えば、施設警備では来客対応が必要です。交通警備の現場でも、丁寧な対応で通行人に理解を求めなければなりません。警備員として働くうえで、挨拶や礼儀正しい言葉遣いといったマナーを守り、的確にコミュニケーションを取るスキルは欠かせません。
体力に自信がある
警備は立ち仕事が基本で、現場によっては屋外での勤務になるため体力が必要です。日頃から身体を鍛えている人や、スポーツの経験があって体力に自信がある人は警備員に向いています。健康管理をしっかりと行うことも仕事の一環です。
高い集中力を保てる
警備員の仕事は同じことの繰り返しが多くなりますが、集中力が切れてしまうと気が緩み、思わぬ事故につながるため十分注意が必要です。高い集中力を保てる人も、警備員に適しているといえるでしょう。
警備員の仕事に関連する6つの資格

ここでは、警備員の仕事に関連する6つの資格について解説します。
警備員の国家資格である警備員検定(警備業務検定)は6種類の業務ごとに分かれており、それぞれ1級と2級の階級があります。
公安委員会が行う検定を受検するか、登録講習機関が実施する講習会を受講して修了考査に合格することで資格の取得が可能です。すべての検定において、1級の受検には、2級の検定合格証明書の交付後、1年以上の実務経験が必要です。
特定の警備業務に就く場合は、警備業務検定資格の保有が必須になるため、概要を理解しておきましょう。
1. 施設警備業務検定
警備業務に関する基本事項や法令、保安に関する知識や能力が問われる検定です。オフィスビルや商業施設などにおいて、不審者の侵入や事故の警戒・防止にあたる業務を遂行するうえで役立ちます。施設によっては、有資格者の配置を義務付けているところもあるため、資格を持っていると仕事の幅が広がります。
2. 空港保安警備業務検定
空港保安警備業務に関する知識や能力が問われる検定です。空港の保安警備は、主にハイジャックを未然に防止することを目的としており、専門知識が求められます。X線透視装置が設置されている場所や空港保安警備業務を行う場所には、有資格者の設置が必要です。
3. 交通誘導警備業務検定
工事現場や、通行人・車両の通行に危険のある場所の警備に関する知識や能力が問われる検定です。一般道の交通誘導には、交通誘導警備業務検定2級以上の有資格者を配置しなければなりません。警備会社は、資格保有者を雇用することで請け負える仕事が増えるため、重宝されるでしょう。
4. 雑踏警備業務検定
お祭りや花火大会、スポーツ大会など人の雑踏する場所の警備に関する知識や能力が問われる検定です。雑踏による事故や混乱を防止し、来場者が安全にイベントを楽しめるよう警備を行います。有資格者の配置基準は、イベントの規模や会場の広さによって変わります。
5. 貴重品運搬警備業務検定
現金・貴金属・有価証券などの貴重品を運搬する際の警備に関する知識や能力が問われる検定です。盗難のリスクが高い貴重品の運搬には、専門の知識とスキルが欠かせません。運搬は特別な車両を使って実施され、車両ごとに有資格者1名を配置する義務があります。
6. 核燃料物質等危険物運搬警備業務検定
核燃料など、重大な危険物を運搬する際の警備に関する知識や能力が問われる検定です。危険物は、取り扱い方法を間違えると死傷者が出るおそれがあります。警備員は危険物に関する知識だけでなく、テロ対策についても学ぶ必要があります。警備員検定の中でも特殊で難易度の高い資格です。
警備員の指導や警備の管理・監督に関連する資格
続いて、警備員の指導や、警備の管理・監督といった、管理職に求められる資格について解説します。
警備員指導教育責任者
警備員の指導に必要な資格です。直近5年間で3年以上の実務経験が必須になるなど、いくつかの条件があります。改正警備業法に則って、営業所と、その営業所が取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を専任しなければなりません。警備員指導教育責任者の資格者証は、業務の区分ごとに交付されます。
機械警備業務管理者
防犯カメラやセンサーといった機械を使った警備業務を、適正かつ効果的に行うための専門知識を保有していることを証明する資格です。機械警備に欠かせない国家資格で、公安委員会から「機械警備業務管理者資格者証」の交付を受けます。機械警備業者は、基地局ごとに有資格者を配置することが義務付けられています。
資格を取得する方法

警備の資格を取得するには、独学で取得する方法と、警備会社に就職してから取得する方法があります。
独学で取得する
警備員検定は、公安委員会が行う検定を受検するか、登録講習機関が実施する講習会を受講し、修了考査に合格することで資格の取得が可能です。2級の受検は実務経験が必要ないため、警備の仕事に就くことを目指して独学で資格取得を目指してもよいでしょう。あらかじめ資格を取得することで、就職活動を有利に進められます。
警備会社に就職してから取得する
警備会社に就職してから資格の取得を目指す方法もあります。サポート体制が整っている会社であれば、スムーズに資格の取得まで進めるでしょう。検定費用の支援や、受験の手続きを代行してくれるところもあります。
警備員が資格を習得するメリット
警備員が資格を取得すると、次のようなメリットがあります。
仕事の幅が広がる
警備の資格がなくても警備会社への就職は可能ですが、仕事の幅を広げたい場合は資格の取得を検討することをおすすめします。
警備業務は種類によって資格が分かれており、規定に沿って有資格者の設置が義務付けられています。担当できる現場が増えれば、好待遇の仕事に就ける可能性が高まるでしょう。
資格手当がもらえる
警備会社によっては、資格保有者に手当の支給があります。資格を持っているだけで収入がアップするため、資格手当がある就職先を選ぶのも選択肢の一つです。空港保安警備業務検定や貴重品運搬警備業務検定など、より高度な専門知識とスキルが求められる資格は、現場で重宝されます。
キャリアアップにつながる
警備員検定1級や警備員の指導、現場の責任者に必要な資格の保有は、管理職へのキャリアアップに役立ちます。ある程度、実務経験を積んだところで、キャリアアップのための資格取得を考えてみましょう。
まとめ
警備員の仕事に必要な資格について解説しました。
警備に関する資格は警備の種類ごとに分かれています。警備の種類に合った有資格者の設置が義務付けられている現場も多いため、資格を保有していることで仕事の幅が広がるでしょう。
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