
「ビジネススキル」とひと口にいっても、さまざまな種類があります。今回は新社会人・転職者の方が必ず身につけておきたいビジネススキルを10種類解説。さらに、おすすめの資格も5つご紹介します。どの業種・職種でも必ず活かすことができるので、ぜひチェックしてみましょう。
社会人に必要な3つのビジネススキル
ビジネススキルは大きく以下の3つに分けられ、どれも仕事をしていくうえでは必要不可欠です。
テクニカルスキル
テクニカルとは「技術的な」という意味です。たとえば、パソコンの操作や書類の作成方法などは、どの職種でも必要とされるテクニカルスキルです。プログラマーならプログラミング言語が使いこなせること、パイロットなら飛行機が操縦できることは必須であり、まさしくテクニカルスキルといえます。ほかにも契約がとれる営業ノウハウや、顧客を引き込む営業トークなどもテクニカルスキルに分類されます。
ヒューマンスキル
ヒューマンとは、人間という意味です。ヒューマンスキルは人間関係を構築して、上司や同僚、部下、あるいは顧客や取引先と円滑に仕事を進められるスキルのことを指します。たとえば、後述するビジネスマナーもヒューマンスキルといえます。「ホウレンソウ」を適切にして情報共有をする、交渉を重ねて対立意見を調整する、プレゼンテーションをして自分の意見を伝える、チームメンバーのモチベーションを上げるといったスキルが挙げられます。
コンセプチュアルスキル
理論的思考やアイディアを生み出す能力、物事の本質を捉えるスキルなどが挙げられます。上記の2つのスキルは新入社員や若手社員に必須のスキルですが、コンセプチュアルスキルはマネジメント層や経営者層に求められる、上級のスキルといえます。
新社会人や転職者が身につけておきたいスキル

それでは新社会人や転職者は、どのようなスキルを身につければよいのでしょうか。ここからは身につけたい具体的なスキルを10種類ご紹介します。
ビジネスマナー
ビジネスマナーは、社会人として円滑に仕事を進めるためには必須です。あいさつのしかた、服装、電話の応対のしかた、名刺の渡し方など、ちょっとしたことで相手に与える印象は大きく異なります。ビジネスマナーについては『転職を機におさらいしよう!ビジネスマナーの基本(該当記事にリンク)』の記事で詳しくご説明しています。
コミュニケーション
コミュニケーションとは、相手の話を聞いて理解し、自分の考えを伝えることです。相槌を打つ、うなずく、手振りを加えて話すなどテクニック的な面を身につける、あるいは話を聞きながらメモをとる、自分が話をする前に要点を書き出しておくといったトレーニングを積み重ねることで、コミュニケーションがよりよくなる可能性があります。
パソコンの操作スキル
多くの職場では、パソコンを操作する機会があります。Wordで文書作成ができる、Excelで表計算ができる、PowerPointで資料が作成できるといったスキルに加え、会社で独自に採用しているシステムやツールの使い方も習得しておく必要があります。
文書作成
会社では、文書を作成する機会も数多くあります。前述のとおり、Wordなどの文書作成ソフトの使い方を習得するのはもちろんですが、文章の書き方についても学んでおく必要があります。特に入社直後は社内の文書をよく読み、それを真似して書いてみることが大切です。パターンが理解でき、文書作成にも慣れ、スムーズに書けるようになります。
営業スキル
会社は商品やサービスを売ってはじめて利益が生まれ、それが社員の給料となります。営業職はもちろん、技術職でも、事務職でも、営業スキルを学ぶことは非常に有意義です。「どうしたら物が売れるか」「どうしたら顧客を満足させられるか」といった営業的な視点を身につけ、専門である営業職であれば「どうやって物を売るか」という技術(営業トークやプレゼンテーションなど)の方法についても学びましょう。
プレゼンテーション
プレゼンテーションスキルも営業職だけではく、ほかの職種にも必須となります。たとえば会議で業務の進捗状況を報告したり、自分のアイディアを発表したりするときにはプレゼンテーションスキルが求められます。聞きやすい話し方、伝えたいことを端的にまとめる力、数字やデータを示して説得力をもたせる力を磨くことで、プレゼンテーション能力がアップします。
交渉スキル
こちらも営業職の方には必須のスキルですが、ほかの職種の方にも必要となるスキルです。社内でも交渉をして自分の意見を伝える、異なる意見をひとつにまとめる、落とし所を探るといった場面は少なくありません。事前に情報を収集し、相手の考え方を理解し、そのうえで自分も相手もwin-winになる案を出せれば、交渉がうまくいく可能性があります。
思考スキル
思考スキルは、物事を合理的に考える能力のことです。理論立てて物事を考え、結論を導き出す「ロジカルシンキング」、あえて批判的な視点で物事を捉えて正しいかどうか、ほかに適切な案がないかを考える「クリティカルシンキング」、逆の立場から物事を捉えたり、逆転の発想を考えたりする「ラテカルシンキング」があります。
思考の順序となるフレームワークを習得したり、物事をそのまま受け入れたりするのではなく、ほかの方法を模索してみたり、あえて批判的な視点や自分とは逆の立場で捉えるといった訓練をすることで、思考スキルを伸ばすことができます。
コーチングスキル
コーチングとは相手に寄り添い、望んでいる結果に向けて前向きに取り組めるようサポートすることです。特に後輩がいる中堅社員や管理職に求められるスキルです。悩んでいる相手を承認し、しっかりと話を聞き、それに対して自分が感じたことを客観的に伝える。これを繰り返し、相手が前向きになるよう導きます。
管理スキル
マネジメント層や経営層には組織を管理するスキルが求められますが、新社会人や若手社員はまず自分を管理する自己管理能力を身につけましょう。目標をどのように設定するか、どういうプロセスで達成するかを考える「目標管理」、そのために何をすべきか、具体的な行動に落とし込む「タスク管理」、そして一つひとつのタスクにどれだけ時間がかかるのかを見積もり、優先順位をつける「時間管理」の3つを身につけることで、主体的に仕事を進めることができるようになります。
新社会人や転職者におすすめ!仕事に役立つ資格

資格を取得することで、スキルを証明したり、試験対策を行なう過程で知識を身につけたりすることができます。ここからは、新社会人や転職者におすすめの資格を5つご紹介します。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
Microsoft社公式の資格で、Word、Excel、PowerPointなどのOfficeソフトのスキルを証明する資格です。これらのソフトは職場で利用頻度が非常に高く、MOSは力強い武器となります。
スペシャリストレベル(一般レベル)とエキスパートレベル(上級レベル)の2種類があり、さらに複数科目を取得すると「マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスター」、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト アソシエイト」、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト エキスパート」という称号を得られます。
TOEIC
正式名称は「国際コミュニケーション英語能力テスト」。日本を含めて160カ国で実施されていて、英語力を国際基準で証明することができます。海外でビジネスする方はもちろん、国内であっても海外のサイトを閲覧したり、英語で書かれたマニュアルを見たりする機会が想定されるため、英語を勉強することは非常に有意義です。
秘書検定
秘書検定は、秘書に求められる知識やスキルを証明する検定試験です。出題範囲は、秘書業務に関することから一般常識や敬語、電話応対、ビジネスマナー、文書作成まで、非常に幅広く、ビジネスの基本を身につけることができます。
簿記検定
簿記検定は、簿記(企業の取引の記録をする、帳簿を作成すること)能力を測る検定です。特に経理職の方には必須の資格です。簿記を学ぶことで会社のお金の流れがわかり、経営改善やコスト改善、取引先分析など、さまざまなシーンに応用できるようになります。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、保険や税金、年金など、個人の資産管理や運用についてアドバイスをするお金の専門家です。特に保険会社や銀行、証券会社、不動産会社で役立ちます。1級や2級を取得すれば、ファイナンシャルプランナーとして独立も可能です。
ファイナンシャルプランニングを学ぶことで、お金に関するさまざまな知識を得られるため、自分の人生に活かすこともできます。
まとめ
今回ご紹介したビジネススキルは、どの業種・職種でも身につけておくべきものばかりです。こうした基本的なビジネススキルがあってはじめて専門技術や知識が役に立ちます。逆にいえば、専門性が高くても基本スキルが身についていなければ、仕事がうまくいかないこともあるかもしれません。
また、資格を取得することで知識やスキルアップにつながり、合格できれば自分の能力を証明することができます。ぜひ、今回の記事を参考にしてスキルアップを目指しましょう。