タクシードライバーが働く現場は、AIやアプリの活用などによって近年大きく変化しています。
初心者でも始めやすい環境が整いつつあり、働きやすくなったことで若いドライバーが増えているといわれていますが、実際にはどのような状況になっているのでしょうか。
今回は、最新の業界事業を含めてタクシードライバーの仕事内容を詳しく解説します。
タクシードライバーの仕事に興味がある方は、ぜひご覧ください。
タクシー業界が働きやすくなっている理由
まずは、タクシー業界が働きやすくなっている理由をわかりやすく説明します。
二種免許を無料で取得できる職場がある
運転免許には一種免許と二種免許があり、タクシードライバーとして働くには二種免許が必要です。
一種免許は通常の免許で、二種免許はタクシーや代行、バスなど、お客様を乗せる仕事をする人は必ず取得しなければなりません。
二種免許を取得するには、自分で教習所に通う方法と、タクシー会社に就職してから取得する方法があります。
タクシー会社によっては、福利厚生として二種免許の取得費用を負担しているところもあり、未経験OKの職場も数多くあります。
二種免許の取得をサポートするタクシー会社が増えることが、運転経験の少ない若年層のドライバーが就職する後押しになっています。
アプリでお客さんが簡単に見つかる
タクシーの集客方法は、走りながらタクシーを必要としているお客様を探す「流し」が一般的でした。
しかし、近年はタクシーを呼ぶためのアプリの活用が進んでおり、「流し」を行わない効率的な集客が可能です。
ベテランのドライバーは、利用者が多い場所や時間帯を把握しているものですが、新人ドライバーは集客に苦労することもあります。
その点、アプリは利用者が自らタクシーを呼ぶ仕組みになっており、集客のスキルが低い新人ドライバーでも集客しやすいのがメリットです。
給与が歩合制になっているタクシー会社では、集客のしやすさが収入に直結します。
国がタクシー事業の活性化を推進している
国がタクシー事業の活性化を推進していることも、タクシー業界が働きやすくなっている理由の一つです。
「観光タクシー」や「子育てタクシー」といった特定のニーズに対応したタクシーの登場など、タクシーの利用を促す、さまざまな取り組みが進められています。
ドライバーにとっても、自分が興味を持っていることや得意なことを活かして働けるため、やりがいにつながります。
AIの活用が進んでいる
AIを取り入れることで業務効率化が進んでいる職場は数多くありますが、タクシードライバーが働く現場でもAIの活用が進められています。
一例として、AIを活用した需要予測によって集客の効率化が可能です。
また、行き先を入力するだけで、道路状況を踏まえた最適な走行経路の提案を提案してくれるナビやアプリの活用も、業務効率化につながっています。
経験や勘に頼らない働き方が可能になり、間口が広がったことで、それまで割合が少なかった女性ドライバーが増えているタクシー会社もあるようです。
タクシードライバーの仕事内容
ここでは、実際のタクシードライバーの仕事内容を、勤務先やシフトによる違いもあわせて紹介します。
個人タクシーとタクシー会社に勤めるパターンがある
個人タクシーとは、許可を受けた個人が1台の車両を用いてタクシー業務を行うことです。
働く場所や時間は自由で、成果が100%収入に反映されます。
一方で、タクシー会社に所属するドライバーは、タクシー会社が定める雇用条件に基づいて働くことになります。
個人タクシーは頑張り次第で収入を増やせるのが大きなメリットで、3年ごとに行われる更新で問題がなければ、最長75歳まで現役のドライバーとして活躍することが可能です。
しかし、タクシー会社に所属するドライバーのような固定給はありません。
また、個人タクシーとして起業するには、同一のタクシー会社で10年以上の勤務経験が必要になるため、未経験者は、まずタクシー会社に就職する必要があります。
勤務形態は日勤・夜勤・隔日勤務の3種類
タクシー会社に所属するドライバーの勤務時間は、日勤・夜勤・隔日勤務の3種類に分かれているのが一般的です。
隔日勤務は、タクシー業界ではスタンダードな勤務形態で、日勤と夜勤を組み合わせたものです。
1回の勤務時間は20時間程度で、1日休みを挟んでその翌日にまた出社する形になります。
ライフスタイルに合わせて勤務形態を柔軟に選べるタクシー会社もあるため、一般的な勤務形態を把握したうえで希望にあったところを探してみましょう。
1日の仕事の流れ
シフトなどによって異なりますが、タクシードライバーの仕事の流れは、次のようになっています。
- 出社
- 点呼を実施
- ドライバーの健康状態をチェック
- 車両点検
- 朝礼
- 乗務開始
- 帰社して洗車や納金を行う
- 退社
休憩時間は、各ドライバーの判断で業務の合間に取ります。
深夜帯は割増料金になり、タクシーの利用者も増える傾向にあるため、隔日勤務の場合は、忙しい時間帯の前に仮眠とあわせて夕食を取るドライバーが多いようです。
タクシードライバーの年収
令和4年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況によると、令和4年6月度の月間給与平均は29万4,100円で、前年比6万8,800円(+30.5%)の増加となっています。年収ベースでも前年比で80万9,300円(+28.9%)増加しており、歩合制の職場であれば、さらなる高収入を目指すことも可能です。
また、従来は歩合制の職場がほとんどでしたが、「安定して働きたい」というニーズに応えて、完全固定給の職場も増えてきているといわれています。
給与の額だけではなく、給与の決まり方も必ず確認しておきましょう。
タクシー会社を選ぶポイント
給与の決め方やシフト、福利厚生などは、タクシー会社によって大きく異なります。
ここでは、タクシー会社を探す際に覚えておきたいポイントを解説します。
シフトは自由に選択できるか
隔日勤務のシフトが多いタクシー業界ですが、会社によってはシフトを自由に選ぶことができます。
ライフスタイルに合ったシフトを選択可能かどうか、応募前に確かめておくことをおすすめします。
給与の保証はあるか
タクシー会社の給与は、毎月一定額が支給される「固定給」と、売上や走行距離に応じて給与が決まる「歩合制」があります。
歩合制を選ぶ場合は、必ずもらえる固定給がある「固定給+歩合」の形態になっているところを選ぶと安心です。
交通費は支給されるか
タクシー会社では、交通費が支給されないケースがあるため、勤務地から自宅が遠い場合は特に注意が必要です。
車通勤が可能かどうかもあわせて、交通費の支給の有無は必ず確認しておきましょう。
希望の勤務地を選べるか
複数の営業所を運営するタクシー会社の場合、希望の勤務地を選べるかどうかも重要です。
自宅から近い勤務地であれば、通勤時間の短縮や交通費の削減につながります。
万が一の際の保障はきちんとあるか
タクシー会社を選ぶ際は、万が一の際の保障がきちんとあるかどうかも確認しておきましょう。
日々、勤務をするなかで、思わぬトラブルに巻き込まれることも考えられます。
特に、車両の修理など、出費が必要になるトラブルに対するサポート体制は必ず確認しておくべきといえます。
まとめ
タクシードライバーは業界全体で高齢化が問題視されており、若年層を採用するための施策を各社が展開している状況です。
国もタクシードライバーを確保するための取り組みを進めており、未経験OKの会社も数多くあるため、今が始めるチャンスといえるでしょう。
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