
採用担当者に対して採用面接の場を設けてもらった感謝の気持ちを表す方法として、お礼状という手段があります。面接後には必ずお礼状を出さなければいけないのでしょうか?また、どのようなことを書けばいいのでしょうか?今回は面接のお礼状の内容や注意点についてご紹介します。
面接のお礼状とは?
就職活動や転職活動で面接を受けた後にお礼状を応募先の企業に出している方もいらっしゃいます。また、面接対策について書かれた本やサイトには「面接を受けたらお礼状を書いたほうがいい」と書かれていることもあります。まずは、お礼状とはどのようなものなのか、どのような内容を書けばいいのかについてご紹介します。
面接のお礼状って何?
面接のお礼状とは、面接を受けた後にお礼の気持ちを表すための手紙です。応募先企業の採用担当者や経営者は、他にもさまざまな仕事がある中で時間を設けて応募者の話を聞いてくれています。もちろん、それが仕事だと言われればそれまでですが、相手がわざわざ時間を作ってくれたことと、自分の話を聞いてもらったことに対してお礼の気持ちを示すのも大切な社会人としての礼儀です。
お礼状に感謝の気持ちとともに、面接を受けた感想や志望する気持ちが強まったことなどを添えると、自己アピールにもつながります。
お礼状は便箋に書くほか、はがきでもよいでしょう。さらにはお礼状の代わりにメールで感謝の気持ちを伝えるのも効果的です。
面接のお礼状は必要?採否に関係ある?
お礼状は必ずしも出す必要はありません。前述のとおり、採用担当者や経営者にとっては面接も仕事の一つです。面接のお礼状を出さなかったとしてもマナー違反ではなく、「お礼状を出さなかったから不採用」となることも考えにくいです。
しかし、採否に全く関係しないかといえば、そうとも言い切れません。お礼状を出すことで「しっかりしている」「人柄がいい」という印象を与えることができて、採用を決める要素の一つになることも考えられます。お礼状に書かれていた内容が採用担当者の心を動かすことになるかもしれません。
本命の企業の面接を受けた後、面接で手応えが感じられたときなどは、最後のひと押しとしてお礼状を送るとプラスに働く可能性が十分にあります。もちろん、単純に「感謝の気持ちを伝えたいから」という理由でお礼状を送るのは大変素晴らしいことです。
面接のお礼状の書き方

ここからは、具体的にお礼状に書く内容についてご紹介します。お礼状を初めて書かれる方、書き方が分からない方は、ぜひ参考にしてみましょう。
【封筒・はがきの表面】
住所
「東京都●●区●●町●丁目●番地」というように応募先企業の住所と郵便番号を正確に記載します。
応募先企業名・担当者名
「株式会社●● 人事部採用ご担当 ●●様」というように、応募先企業名と担当者の氏名を正確に記載します。
自分の住所と氏名
封筒の裏面もしくははがきの差出人欄には自分の住所と郵便番号、氏名を正確に記載します。
これらは履歴書を郵送しているのであれば、同じ要領で問題ありません。宛名書きについてはこちらの記事(202212_No1【履歴書 封筒 書き方】にリンク)でも詳しくご説明しています。
【お礼状の便箋・はがきの裏面】
頭語
頭語とは手紙の最初の挨拶のことを指します。ビジネス文書では「拝啓」を使うケースが多いです。
時候の挨拶
頭語に続いて時候の挨拶を記します。時候とは四季の気候や暑さ・寒さのことを指し、その季節に合わせた挨拶文を書きますが、ビジネスの場合は「貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」といった挨拶文を使用します。
本文
ここからが肝心の部分です。「お忙しい中貴重な時間を設けていただき、ありがとうございました」というように、面接の機会を設けてくれたことに対する感謝の気持ちを記します。ただし、それだけだとすぐに終わってしまい、味気ないものとなってしまいます。
面接を受けた感想や応募先企業に対する印象、気づき、あるいは志望度が高まったことや、入社後の決意などを盛り込むと、よりお礼状に深みが増し、採用担当者の気持ちを動かすことにもつながります。
結びの挨拶
本文が終わったら結びの挨拶を記します。ビジネス文書では「末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」というような結びの挨拶にします。
結語
結語は頭語と対になる挨拶です。頭語が「拝啓」なら、結語は「敬具」となります。
日付
「令和●年●月●日」というように、お礼状を書いた日付を記します。
名前
自分の名前をフルネームで記載します。
担当者名
そのお礼状が誰宛のものであるかを明らかにします。「●●株式会社 人事部採用ご担当 ●●様」というように、会社名と部署名、採用担当者の氏名を記載します。
面接のお礼状の注意点

面接のお礼状の内容や書き方についてご紹介しました。ここからはお礼状を書く際・出す際の注意点について見ていきましょう。
なるべく早めに出す
面接を受けた後にはなるべく早めにお礼状を出しましょう。1ヶ月後など時間が経過してしまうと、お礼状の趣旨が分からなくなってしまいます。また、その頃には採否が決まってしまっているかもしれません。
なるべく面接を受けた当日か翌日には投函しておきたいです。また、スピード重視であればメールでお礼を送るのもおすすめです。
採用担当者宛に出す
お礼状を出す場合は、採用担当者宛に出しましょう。会社宛や部署宛に出した場合、誰に渡していいのかが分かりません。採用担当者に届かない可能性があるばかりか、郵便物を受け取った人の手を煩わせてしまうことにもなりかねません。
誤字脱字をしない
誤字脱字があると「ミスが多い」「確認ができていない」という印象を与えてしまいます。特に相手の会社名や部署名、氏名を間違えることは大変失礼にあたります。社会人としてのマナーが問われますので、お礼状や宛名を書いた後、封入する際には、間違いがないかしっかりと確認しましょう。
横書きよりも縦書きのほうがいい
一般的なビジネス文書は横書きです。履歴書の添え状なども横書きで記載しますが、お礼状は手紙なので縦書きにしましょう。丁寧な印象があり、気持ちがより伝わりやすくなります。
定型文のコピペはNG
インターネットで「面接 お礼状 例文」などと検索すると、面接のお礼状の定型文がたくさんヒットします。もちろん、これらを参考にしてお礼状を考えるのは問題ありませんが、まるまる真似するのは考えものです。読めば定型文か自分が考えた文章なのかは意外と分かってしまいます。しっかりと気持ちを込めて、自分の言葉を書きましょう。
まとめ
面接のお礼状は必須ではありません。出さなかったからという理由だけで不採用になることもなければ、出せば必ず採用になるということもありません。ただ、お礼状を出しておけば「丁寧な人」「誠実な人」というプラス印象を与えられる可能性が大きいです。採用担当者としても嬉しい気持ちになりますので、もし余裕があれば面接後にお礼状を送られることをおすすめします。
また、お礼状には感謝の気持ち、面接を受けた後の気持ち、応募先に入社したい気持ちをしっかりと文章に込めましょう。気持ちが伝われば、採用に近づけるかもしれません。
当サイトでは今後もお礼状の書き方に関するコンテンツを発信しますので、お礼状を出す際には参考にして書いてみましょう。