「仕事が効率的にできない」「いつも納期ギリギリにならないとやる気が出ない」などの悩みを抱える社会人の方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みをずっと抱えて仕事をしているとタスクに追われる毎日になり、一層疲れが増すだけでなく、上司からは「仕事にムラがある」「いつも納期ギリギリでハラハラする」などの評価をされてしまう可能性もあります。そこで本記事では、仕事効率化の方法について解説します。
仕事を効率的にできる人の働き方
同じ仕事をしていても余裕があるように見受けられる効率的な人は、一体どんな働き方をしているのか、4つの観点からみてきましょう。
必要な納期と目的を最初に確認する
仕事を効率的に進められる人は、まず仕事を依頼されたときに、納期と目的を最初に確認します。目的を最初に確認しておけば、完成物の方向性を見誤ることなく仕事を進められるからです。最初に目的を確認せず、途中で路線変更をしなければならなくなった場合は、やり直す手間がかかるため非常に非効率的な働き方になってしまいます。
また、必要な納期を明確に把握しておくことで、どの程度で仕上げなければならないのかを把握できます。ほかの仕事と並行して行っても納期に間に合うのか、間に合わなさそうなら納期の調整をお願いするなどが可能になり、無理がありません。
ギリギリになって、「やっぱり間に合いません」となってしまうのが一番相手を困らせることです。効率的に仕事をするためには、最初の確認が非常に大切だとわかります。
全体像をつかむ時間を最初に設ける
目的や納期と同じく、全体像をつかむ時間を最初に設けることも重要なポイントです。たとえ納期まで1週間あったとしても、いろいろな仕事が入ってきて仕事が思い通りに進まず、残り3日となった時点でやっと仕事に取りかかれる状態になることはよくあります。
また、残り3日で全体像をつかんだとしても、「資料に必要なデータを取得するのが間に合わない」「1人でやると確実に間に合わないけれど、これから依頼できる人がいない」ということが判明するケースも多く、リカバリーができません。
そうした状態を招かないためにも、最初に全体像をつかむ時間を設け、求められるクオリティを実現するならこの程度の時間と人数が必要になるなどの交渉をすることが重要です。安請け合いをせず、かかる時間や工数をしっかり見積もって対応することが、効率的な仕事には欠かせません。
全体像を把握したうえで、計画を立てて実行する
全体像をつかんだら完成までのタスクを分解し、それぞれのタスクをいつまでに終わらせるのかという細かいマイルストーンを決めていきましょう。たとえば、お客様に新たな商材を提案する場合で考えます。
提案書の構成案
・業界共通の課題
・その企業の目標とそれに到達するために乗り越えるべき課題
・その商材が効果的に働く理由
・同業界での実績
・同社に落とし込んだ場合の効果シミュレーション(導入商品別の3パターン別)
・同社が商材を利用した場合のタイムスケジュール
・同社が商材を利用した場合の金額(導入商品別の3パターン)
提案書の内容としては、上記のようなものが挙げられます。すぐに取りかかれるものと、調査が必要なものに分かれることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
同業界での成功事例は誰に聞けばわかるのか、シミュレーションを正しく出すためには何がわかっていなければならないのか、同業界でこの商材を利用した場合のタイムスケジュールや実績をもっている人は誰かなど、その業界を長く経験している人でないとわからないことが多いものです。
新しい商材でそもそも事例や妥当なシミュレーションの事例がない場合、資料の精度を高めるためにどのようなことをやらなければならないかも、考える必要があります。また、仕事を依頼してきた方に類似業界での事例を参考にシミュレーションしてもいいものなのかなど、多方面に確認しなければ進められないことも多いです。
こうした状況が納期3日前に発覚したと想像したらどうでしょうか。ほかにも仕事を抱えているなか、3日間で完成させるのは至難の業だと感じる方も多いはずです。
最初の1~2日で7~8割を完成させる
納期直前にバタバタしないためにも、仕事を受けたらすぐに8割方完成させることを心がけましょう。先程の資料作成の事例であれば、聞かないとわからないことも多いので、まず聞くことから始めていきましょう。
仕事を依頼してきた方に提案書の項目を確認してもらいながら、「新たな商材なので同業種での成功事例やシミュレーションがないかもしれない。類似業種として参考になるのはどういった業界か、あるいはそれもなければ一般的な事例でも構わないか」など確認しておきましょう。
そうすれば、成功事例やシミュレーションを探して存在しなかった場合でも、資料作成を進めることができます。依頼者に方向性の確認をする、情報収集まで行えば、あとは資料に落とし込むだけになります。
残りの5日間で依頼者にOKをもらっている方向性どおりに作成していけば、余裕をもって完成させられるでしょう。
この仕事の進め方を9時始業、18時終業で仕事を行う人の1日に置き換えて考えてみると、下記のようになります。
▼9:00~9:30
今抱えている仕事を確認し、必要なタスクに分解、かかる時間を想定する(全体像の把握)
毎日の仕事時間内に収めつつ、開始1~2日で7~8割が終わるようにタスクを割り振る
▼9:30~10:00
グループ会議
▼10:00~11:00
顧客からの問い合わせ対応、メール返信
▼11:00~12:00
割り振ったタスクの調べ物、関係各所への連絡、情報共有依頼
▼12:00~13:00
昼食、移動
▼13:00~14:00
アポイント
▼14:00~14:30
移動中に情報共有された資料を見る
▼14:30~15:30
アポイント
▼15:30~16:00
移動し、帰社。移動中に資料を見て資料の構想を練る
▼16:00~16:30
日報作成
▼16:30~17:30
一部共有があった情報を元に構想をまとめ、手書きで資料の順番や内容を固める
▼17:30~18:00
依頼者への確認。改善点をまとめて翌日の準備
最初に依頼や調べ物に時間を使う・構想を練るのに必要な一定の情報を収集するなどで資料の方向性を固めておけば、翌日には共有してもらった情報を元に資料の完成形がみえてくるはずです。
このように仕事を効率的にこなせれば、依頼者も方向性をすぐに確認できて安心ですし、できる人だという印象を与えられます。また、最初に依頼者と方向性を確認しておくことで、提出してから大幅な修正を求められるなどの手間を省くこともできます。
普段からできる仕事を効率的にする方法とは?
先にご紹介したのは依頼物があった場合の仕事の進め方ですが、普段の仕事でも効率的に仕事をするにはどのような方法があるのでしょうか。6つに分けてご紹介します。
日常の仕事を効率化する6つの方法
1.優先順位をつけて取り組む
優先順位準に仕事を終えられるように、時間の使い方を自分でコントロールできる
2.空白の時間を設ける
飛び込み仕事で優先順位の上位タスクが進まないという事態が起きないようにする
3.自分が集中できる時間を知り、適切な仕事の割り振りを考える
朝・昼・夜型など、自分の一番頭が冴える時間を知り、考える仕事は集中できる時間にする
4.睡眠時間は確保する
睡眠不足が集中力の低下などパフォーマンスを著しく下げ、ミスを招くため、避ける
5.ルーティン化
必要になりそうな仕事を予期してルーティン化しておき、急な業務の割り込みを防ぐ
6.ほかの人の話を聞く、試す
他人の効率化テクニックを身につける、試行錯誤して自分の最適な効率化方法を編みだす
それぞれの方法で得られるメリットも、合わせてご紹介しました。自分の仕事の特徴に合わせて参考にしてもらい、普段の仕事も効率化してみてください。
今すぐできる!仕事を効率化する簡単なテクニック5選
では最後に、仕事を効率化する簡単なテクニックを5つ紹介します。
1.気になったこと、やるべきことはすべて書き出して、頭を空っぽにしておく
頭を空っぽにしておくと集中できるため、いつでもパフォーマンスを発揮しやすくなる
2.普段から使うツール、関連しそうなツールについてはインプットをしておく
業務時間以外にこれらを勉強する時間を設け、インプットをしておくと実務効率が上がる
3.よく使う単語は辞書登録しておく
タイピング時間を限りなく短くするために、単語登録をしておくと効率的
4.よく使う資料は雛型を作成しておく
資料をつくる際、雛型があるとかなり完成までの時間を短縮でき、効率的
5.通知を切り、メールやSNSの時間を設ける
集中できる環境をつくり、メールやSNSをチェックする時間などは時間を決めて設けておく
すでにやっていることも多いかもしれませんが、「人間の脳はマルチタスク型ではなく、シングルタスクに向いていること」「少しのことでも積み重なれば大きな時間を取られていることに気がつくこと」「集中力は簡単に切れてしまうもの」といったことを知っておくだけでも、効率的に仕事を進められるようになるはずです。
まとめ
「仕事を効率的に行いたいけれど、なかなか思うようにできない」と悩みを抱える方のために、効率化の方法をご紹介しました。また、今回ご紹介した以外にも、近くにいる職場の仕事ができる上司や先輩方に、仕事効率化の方法を聞いてみるのもよい方法です。部下や後輩から仕事の効率化に課題をもっていると相談されれば、力になろうといろいろなアドバイスをしてくれるでしょう。
仕事を効率的に行えるようになれば、タスクに追われる生活を終わらせ、納期に遅れず常に安定したパフォーマンスを発揮できます。もし今実施していないことがあるのなら、ぜひ参考にして実践してみてください。
どんな仕事もテキパキ、いつでも完璧な仕上がりで結果を出せる憧れのビジネスパーソンになるためにも、仕事の効率化を図り「毎日余裕をもって仕事ができる環境」をつくってみてはいかがでしょうか。