仕事に興味を持って、素直に取り組める人間性が大切。
仕事に興味を持って、素直に取り組める人間性が大切。
私が当社の代表に就任した2009年、初めに着手したのは海外の取引先を増やす取り組みです。先進性や革新性を備えた「どこにもない」海外製品をコンセプトに掲げ、役員や幹部とともにどのような商品が酪農業界の生産性や効率性の向上につながるか議論を重ねました。海外メーカーに足を運び、代表者から日本の市場や酪農家の経営をどう捉えているのかヒアリングした上で、じっくりと討議したことも一度や二度ではありません。その結果として、比較的ユニークな商品をラインアップできたと自負しています。
こうした酪農関連の機械を輸入し、サービスやメンテナンスを通じて生産者様を支えるのが当社の社員に課せられた宿命。「プロフェッショナルアカデミー」という社内大学で必要とされる知識は身につけられますが、酪農業界の労働集約的な働き方を自動化させる先進的な商品を扱う機会が多い以上、入社後にも学び続けられる「勉強の仕方を知る人材」は親和性が高いと考えています。一方、サービスエンジニアを筆頭に、24時間365日生産を止めることができない酪農の現場に携わるからにはタフネスさも必要とされるでしょう。ただし、一番の素養は仕事に興味を持ち、何ごとにも素直に取り組める人間性です。
社長は単なる役割に過ぎず、皆を支える「兄」でありたい。
社長は単なる役割に過ぎず、皆を支える「兄」でありたい。
実は私自身、若い頃は仕事に対してネガティブな感情を抱いていました。けれど、自分の殻を破るきっかけとなったのは3年目の出来事。ある商品を日本仕様に改善するよう海外メーカーと交渉を重ね、ようやく商品化に至ったものの、取引先の財政難から販売権を失ってしまったのです。涙が出るほど悔しかったところ、別製品を担当することとなり、製品知識の猛勉強や辞書並みに厚いマニュアルの翻訳を経て、念願の販売までこぎ着けることができました。私にとっては、この経験が仕事の先に横たわる本当の面白さを教えてくれたと思います。
こうした実体験からも、とりわけ新製品を稼働させる前日、社員は心配で夜も眠れないという気持ちが痛いほど分かります。自分たちの思い通りに進まず、肝を冷やすことも多いはず。ただ、私が全員を隣で励ますことは物理的にも不可能。だからこそ、一人ひとりの顔と名前を覚え、どんなに忙しくても幹部週報に細かく目を通すことで、「誰が何をしているのか」「どのような局面で困りごとを抱えているのか」を把握するようにしています。もちろん、時にはアドバイスを添えることもありますし、私に対する率直な意見もウエルカム。社長は単なる役割に過ぎず、皆のことを支援する兄でありたいと思っています。だから、社長室の扉が開いている時はいつでも訪ねてもらって良いと伝え、事実順番待ちの列ができることもあります。
生産者様の負担軽減と、地域経済への貢献
生産者様の負担軽減と、地域経済への貢献
近年、SDGsや人口減少社会について頻繁に論じられる機会が増えています。とはいえ、酪農業界では四半世紀も前から循環型社会やサステナビリティは当然のように考えられてた課題。酪農家の離農が進み、大規模化は避けられない一方、多くの家族(酪農家)が地域を離れることは人口流出にダイレクトにつながります。その流れが続くと学校や病院が姿を消し、コミュニティ自体が喪失され兼ねません。私たちは生乳自給率の低下に歯止めをかけるとともに、生産者様の負担を軽減することで地域経済にいかに貢献できるかを見据えています。
社員にもご家族にも、誇りに思ってもらえる会社へ
社員にもご家族にも、誇りに思ってもらえる会社へ
「この地域に搾乳ロボットを」「サービス拠点を設けてほしい」という出店要請は少なくありません。拠点の数に比例して売上の母体が大きくなることからも、当社はまだまだ社員を必要としています。ただ、私たちが拠点を展開するのは、都会から離れている場所が大半。いくら社員が地方で働くことを望んでも、ご両親の介護が必要になった時のことやお子さんの教育環境など、将来のことを考えると胸中は複雑です。だからこそ、地方勤務の社員から「息子が大学に進学した」「娘が専門学校に進んだ」と聞くと胸をなで下ろすとともに、我がこと以上にうれしい気持ちが湧き上がります。
当社は酪農にまつわるすべてを一気通貫で支えられる世界でも稀有な企業。このスタイルに磨きをかけ、社員にもご家族にもコーンズ・エージーで働くことを誇りに思える会社へと実直に歩み続けていきたいですね。