
作図や打ち合わせなど、施工管理職の経験が生きる転職。
作図や打ち合わせなど、施工管理職の経験が生きる転職。
小さなころから「建物」が好きだったと振り返る野々山さん。中でも建築物のデザインに興味があり、設計を学んでみたいと建築系の専門学校に進みました。
「専門学校卒業後の就職先は、主に4階建てマンションの施工を手がける建設会社。僕は施工管理職として工事の進捗や人員の管理、お客様との打ち合わせの他、CAD(コンピューターによって図面を作成するツール)ソフトで図面も描いていました」
とはいえ、工事現場の管理を終えた後にデスクワークが待っているなど、労働環境はハードだったとか。退職を考えているタイミングでコーンズ・エージーを紹介してくれたのはお父さんだったと話します。
「父の仕事は内装関係。実は、コーンズ・エージー本社の内装改修に携わっていました。そんな縁からCADを使える人材を探していると聞いたようで、僕に転職をすすめてくれたんです。ちなみに、父は今でも本社の改修に呼ばれることがあるので、職場で顔を合わせることもあります(笑)」
お客様との打ち合わせや施工図の作成など、前職の経験を生かすにはもってこいの転職先。野々山さんは、すぐさまコーンズ・エージーに入社することを決めたといいます。
「ただ、牛舎の設計は初めてのこと。まずは標準的なレイアウトをトレースするところがスタートラインです。その後、少しずつ実際の案件の図面を描かせてもらい、上司からチェックを受けるというトレーニングを繰り返しました」
転職から1年ほどが経ったころ、野々山さんは営業スタッフと一緒に現場に出かけ、お客様との打ち合わせにも参加するようになりました。

自分の描いた図面が形になっていく姿を見られるのが最高!
自分の描いた図面が形になっていく姿を見られるのが最高!
施設ロボット部企画設計グループでは、各拠点の営業担当から図面作成の依頼を受け、お客様や施工業者との打ち合わせを重ねて牛舎が完成するまでの工程を見届けます。
「設計図を作る前に大まかなレイアウトを描いた上で、搾乳ロボットを設置する位置や牛床(牛のベッド)の数、バルククーラー(生乳を一時的に保存するためのタンク)の場所などをお客様と打ち合わせします。もちろん、希望を叶えることが大前提ではありますが、作業動線を確保するためのレイアウトをご提案することもあるんです」
ここ最近、全長200メートルを超える牛舎の設計に取り組んでいるのだとか。搾乳ロボット1台で約60頭の生乳が絞れるところ、12台も設置するというから驚きです。
「お客様は、牛を増頭して牧場をダイナミックに拡大するタイミング。完成は1年後くらいを予定しています。牛舎の基礎ができる前から打ち合わせを重ね、自分の描いた図面が少しずつ形になっていく姿を見られるのは何よりのやりがい。設計だけが要因ではありませんが、『生乳の乳量が増えた』『導線が確保されたので別の機械を入れてみたくなった』などの声を聞けるのもうれしいですね」
野々山さんはお客様との打ち合わせのために道内各地はもちろん、時には本州に出張することもあります。一方、社内で業務を進める日は7:00〜19:00の中でのスーパーフレックス制。土日祝日は休みで、働き方がグッとラクになったそうです。
「以前は現場管理とデスクワークを兼務していましたが、今は基本的に設計に集中できる環境。もちろん、突発的な修正依頼が入って、イレギュラーな対応をすることもありますが、家でゆっくりと過ごす時間が増えました。出張で運転が苦ではなくなったので、むしろ土日に遠出することも多いんです(笑)」

営業担当からの「お願い!何とかして!」という切実な依頼。
営業担当からの「お願い!何とかして!」という切実な依頼。
現在、施設ロボット部企画設計グループは7名。主に書類関係を担当するのが4名、図面を描くのは野々山さんを含めた3名です。年齢層はやや高めの上司や先輩が多い分、一級建築士の資格を持つ人もいるなど、知識が豊富なベテランがそろっているといいます。
「もちろん、仕事であるからにはお客様からお叱りを受けることもゼロではありません。例えば、機械の納品が遅れたり、収まりが悪かったりすることで施工業者を交えた協議をすることも。でも、グループ長をはじめ、上司や先輩は困った時には助けてくれますし、僕の手に余るケースには一緒に打ち合わせに行ってくれます。この頼れる諸先輩方がサポートしてくださる環境が転職して最も魅力と感じる変化です」
一方、牛舎の設計を依頼する営業職は、施設ロボット部企画設計グループを頼りにし、本社に用事がある際は顔を出してくれる人が多いのだとか。この「頼られる感覚」も野々山さんにとっては喜びの一つです。
「既存牛舎を改修する際、前例のないレイアウトをリクエストされた営業担当から『お願い!何とかして』と切実な依頼が舞い込んだことも(笑)。他方、僕も酪農の知識がゼロから入社したので、他部署に牛の給水器やエサについて教えてもらうことも多いんです。このフラットで助け合える社風も良いところだと思います」
野々山さんは2022年4月に主任へとステップアップ。今後は牛舎のプランニングを3Dで提案できるCADソフトをマスターしたいと意気込みを語ります。
「役職が付いたことで責任感も増しましたし、目標を高く持ちたいと気持ちが引き締まりました。今後は後輩を育てる機会も多くなっていくと思います。その際には、建築や設備、電気といった各協力会社と密に連携する大切さを伝えたいですね」
※インタビュー・撮影・ライティングは外部取材チームが担当。記事の掲載内容は取材時点の情報です。

施設ロボット部企画設計グループは
和気あいあいとアイデアを出し合う雰囲気。

「もっと酪農の知識を深めて、お客様のニーズを
深堀りしたい」とニッコリ。

野々山さんが設計を担当した牛舎。
搾乳ロボットの配置が牛の導線を決めるのだとか。