01. 「つなぎでもいい」業界23年の佐々木さんが考える“派遣”

――まず、佐々木さんご自身について教えてください。

30代前半で派遣業界に入って、今で23年くらいです。最初は今とは違う派遣会社にいて、その後ワークスタッフ中国に入社しました。入社10年目で、現在は取締役をしています。(2026年9月現在)

――現在は取締役という立場ですが、今でも現場の業務に関わることは多いのでしょうか?

うちは少数精鋭なので、取締役になった今でも面接をしていますし、新しい派遣先の立ち上げや入社の立会いにも関わっています。時には備品を運ぶこともありますし、本当に何でもやっています。
たぶん、こういう現場に関わること自体が好きなんでしょうね。人の面倒を見るというか、関わった人に喜んでもらえることが、この仕事の面白さだと思っています。

――長く派遣業界を見てきた中で、派遣という働き方をどのように感じていますか?

僕は、新しい仕事に入るための“取っかかり”としては、すごくいいと思っています。特に工場の派遣だと、製造業やものづくりをまったくやったことがない人でも始めやすい仕事があります。最初は「難しそう」と思っていても、2週間程度で慣れる仕事が多いです。

――どのような人に派遣という働き方が合うと思いますか?

例えば、最初の就職がうまくいかなかったり、「自分に何ができるのか分からない」「一度生活を立て直したい」と考えている人ですね。まず働いてみて、仕事をしながらこれからのことを考える。正直、僕は“つなぎ”でもいいと思っているんですよ。そこで「これ意外と自分に合うな」と思えば、その仕事を続けてもいいですし、次の仕事を考えてもいい。

――ほかに、派遣で働くメリットはありますか?

最近は、派遣で働いた後に派遣先の正社員になる人も増えていますね。例えば大手企業だと、中途採用でいきなり入社するのが難しい場合でも、まず派遣で働いて仕事ぶりを見てもらい、その結果、直接雇用につながることがあります。派遣は“ずっと派遣で働くためだけの働き方”ではなく、その先のキャリアにつながる入口にもなると思っています。

02. 派遣仕事を選ぶ際に、確認しておきたいポイントは?

――派遣会社を選ぶとき、何を確認するとよいでしょうか?

大手だから、有名だからという理由だけで決めない方がいいと思います。それも一つの安心材料ではありますが、最終的には「条件がどうなのか」「続けられる仕事か」「担当者がフォローしてくれるか」を見た方がいいですね。

――条件面では、どこを比較するとよいですか?

やっぱり給与はちゃんと見てほしいです。同じ就業先、同じ仕事でも、派遣会社によって時給が違うことがあります。だから、求人を見てすぐに応募するのではなくて、同じ仕事をほかの派遣会社も募集していないか、一度調べてみるのがおすすめです。

――後から条件の違いに気づくケースもあるんですか?

ありますよ。休憩時間なんかに、ほかの派遣社員と「時給いくら?」という話になることもあります。そこで、「あっちの派遣会社の方が高かった」と分かることもある。働き始めてから派遣会社だけを変えるのはなかなか難しいので、最初に比較しておくことが大事だと思います。

――仕事内容については、どの程度確認した方がよいのでしょうか?

ここは長く就業するためにはかなり重要です。求人に「簡単な組立」「軽作業」と書いてあっても、それだけでは実際の仕事内容は分かりません。例えば、「思っていたよりラインが速かった」とか、「簡単な手作業だけど、手首をかなり使う」とか、働いてみて初めて分かる部分もあります。なので、面談のときに、「実際は何をするんですか?」「ラインのスピードは?」「重たいものはありますか?」「ずっと立ち仕事ですか?」など、遠慮せずに質問をしたほうがいいですね。

――説明を聞いて、自分には合わないと感じた場合はどうすればよいですか?

「ちょっと難しそうなので、ほかの仕事はありませんか?」でいいです。むしろ、はっきり言ってもらった方がいい。紹介されたから断りづらいと思う人もいるかもしれませんが、合わない仕事に入って、すぐ辞める方がお互い大変です。
仕事内容や職場環境など、仕事には必ず合う・合わないがあります。だからこそ、働く前にできるだけ確認することが大切ですね。

――派遣会社そのものを見極めるポイントはありますか?

担当者が、派遣先の仕事内容や職場をどれだけ理解しているかも大事だと思います。求人に書かれていることだけではなく、「実際にどんな仕事なのか」「どんな環境なのか」まで具体的に説明してくれるか。それは一つの判断材料になると思います。

03. 地域密着だからこそできる、ワークスタッフ中国のサポート

――ここまで一般的な派遣の話を伺いましたが、ワークスタッフ中国はどのような会社なのでしょうか?

広島エリアだけでやっている、地元密着の派遣会社です。広島県の企業さんに恩返ししたいという気持ちもありますし、スタッフに対しては「とにかく面倒見を良くしよう」というのを大事にしています。

――日々の求職者対応で大事にしていることはありますか?

スピードはかなり大事にしています。電話でもLINEでもショートメールでも、相談が来たらできるだけ早く返す。求職者の方には「早く働きたい」という人も多いので、面談も入社もできるだけ早く進めたいと思っています。

――地域密着で事業を行うことは、働く方にとってどんなメリットがありますか?

うちは、派遣先をたくさん持って広く浅く付き合うというより、一つの会社に10人とか何十人とか、しっかり人数が入っている取引先が多いです。その分、企業さんとの関係も深くなります。例えば、「派遣先には直接言いづらい」という話があれば、僕たちに言ってくれればいい。こちらからメーカーさんに話をして、改善できるところは改善してもらう。企業さんとの関係ができているから、そういう話もしやすいんです。

――就業後のフォローでは、現場へ足を運ぶことも多いのでしょうか?

行きますね。最近はセキュリティが厳しくて工場に入れないケースもありますが、入れるところには担当者がかなり顔を出しています。
作業中なので話しかけられないときは、目で「ちゃんと見ていますよ」という合図をするくらい(笑)。でも、現場に行けば仕事も分かるし、職場の雰囲気も分かる。その情報が、次に応募してきた方へ仕事内容を説明するときにも使えるんです。

――長く働いているスタッフもいらっしゃいますか?

多いですね。10年以上働いている人も結構います。その後に派遣先の直接雇用になる人もいれば、うちの無期雇用としてそのまま働く人もいます。
これは、うちだけではなくて、派遣先のメーカーさんと一緒になって職場を改善してきた結果でもあると思っています。

04. 「何が向いているか分からない」なら、まずは相談してみてほしい

――これから派遣の仕事はどうなっていくと思いますか?

製造業をはじめ、AIや自動化が進んでも人の手が必要な仕事はまだ多くあります。だからこそ、企業側も現場で働く人をもっと大切にして、給与や働く環境を良くしていくことが必要だと思っています。派遣も、単に人手を補う働き方ではなく、新しい仕事に挑戦したり、その先のキャリアを考える入口の一つになっていくと思います。

――佐々木さん自身が、求職者やスタッフと接するときに大切にしていることはありますか?

僕自身、20代の頃は本当に大変だったんですよ(笑)。派遣業界に入ってから、社会人としていろいろ教えてもらって今があります。だから今は逆の立場として、仕事がうまくいっていない人や、少しつまずいた人にも、できるだけチャンスをつくりたいと思っています。

――最後に、これから仕事を探す方へメッセージをお願いします。

求人は、給与や仕事内容をしっかり比較して、分からないことは担当者に聞いてほしいです。紹介された仕事が合わないと思ったら、「別の仕事がいい」と言っても大丈夫です。
「自分に何ができるか分からない」「次に何をしたいかまだ決まっていない」という方も、まず相談してみてほしいですね。派遣を、仕事探しの選択肢の一つとして知ってもらえたらと思います。