
派遣社員として働くうえで、福利厚生の有無は気になるポイントの一つです。
「派遣に福利厚生はない」という情報を耳にして不安になっている人もいるでしょう。
そこで本記事では、派遣社員の福利厚生についてわかりやすく解説します。
福利厚生を受けるための条件や、福利厚生が手厚い派遣会社を見分ける方法も紹介しますので、派遣社員として働く予定がある人は、ぜひ参考にしてください。
派遣社員でも福利厚生は受けられる?
派遣社員にも、正社員のような福利厚生があります。
具体的には、
法律で必ず受けられる「法定福利厚生」と、
派遣会社や派遣先によって異なる「法定外福利厚生」
があるので、違いを理解しておきましょう。

法律で必ず受けられるもの(法定福利厚生)
法定福利厚生とは、法律で必ず受けられる福利厚生のことで、派遣会社(派遣元)が提供します。
法定福利厚生の種類は、次の通りです。
- 社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険・介護保険)
- 有給休暇
- 健康診断
- 産前産後休業(産休)
- 育児休業(育休)
派遣会社や派遣先によって異なるもの(法定外福利厚生)
法定外福利厚生とは、派遣会社や派遣先の企業が独自に提供する福利厚生のことです。
派遣会社が提供する福利厚生には、次のようなものがあります。
- 交通費
- スキルアップ支援
- 日払い制度
- レジャー施設などの割り引き制度
また、「派遣労働者の同一労働同一賃金」に基づき、派遣先は、自社の正社員と派遣社員が同じ内容の仕事をしている場合(同一労働)、基本給や賞与、手当、福利厚生などの待遇で差を付けてはならない(同一賃金)とされています。
派遣先に次のような福利厚生施設がある場合、派遣社員も施設を利用する権利があります。
- 食堂
- 休憩室
- 更衣室
その他、物品販売所や病院、保育所、図書館、娯楽室、運動場、保養施設など、正社員が利用できる施設がある場合は、派遣社員にも利用の機会を提供するよう配慮しなければなりません。
派遣社員が業務を遂行するうえで必要な教育訓練も、派遣元から要請があった場合は派遣先に提供する義務があります。
派遣社員が福利厚生を受ける場合の条件

社会保険・有給休暇・健康診断・産休・育休は法律で定められた労働者の権利であり、雇用形態に関わらず一定の条件を満たせば受けることができます。
それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。
社会保険
社会保険の加入条件は、次の通りです。
- 週の勤務時間が20時間以上(※残業時間は含まない)
- 給与が月額88,000円以上(※残業代・賞与・通勤手当・臨時の手当は含まない)
- 2か月を超えて働く予定がある
- 学生ではない(※休学中、定時制、通信制の学生は加入対象)
ただし、対象となるのは従業員が51人以上の企業となります。(2024年10月〜改定)
出典:従業員のみなさま | 社会保険の加入条件やメリットについて|厚生労働省
有給休暇
有給休暇が付与される条件は、次の通りです。
- 雇入れの日から6か月継続勤務
- 全労働日の8割以上出勤
健康診断
健康診断は、雇用形態に関わらず「常時使用する労働者」に受けさせる義務が企業側にあります。
また、該当する労働者にも「受ける義務」があるため注意が必要です。
常時使用する労働者とは、次の2つの条件を満たした労働者のことです。
- 契約期間が1年以上ある、または雇用期間の定めがない、あるいはすでに1年以上雇用されている
- 1週間あたりの労働時間数が通常の労働者の4分の3以上である
出典:パート労働者にも健康診断が必要? ~ 常時使用する労働者とは ~ 定期健康診断 有機溶剤等
産前産後休業(産休)
産前休業については、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から取得が可能です。
また、出産日の翌日から8週間は、企業が女性労働者を働かせることはできないと定められており、こちらが「産後休業」にあたります。
ただし、産後6週間が経過した後に労働者本人が請求し、医師が認めた場合は就労させることが可能です。
一般的に「産休」と呼ばれているのは、産前休業と産後休業を合わせたものです。
次に解説する「育休」とは異なる制度なので、違いを理解しておきましょう。
育児休業(育休)
労働者は、原則的に子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることが可能です。
ただし、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者については対象外となります。
出典:働くママの育児について|働く女性の心とからだの応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート
育児休業は、次の3つの条件を満たすことで取得できます。
- 同じ企業で継続的に雇用された期間が1年以上ある
- 子が1歳に達する日を超えても引き続き雇用される見込みがある
- 子が1歳に達する日から1年を経過する日まで契約が継続する見込みがあること
つまり、育児休業の取得は、育児休業中も雇用契約が継続する見込みがあることが条件というわけです。
育児休業中にやむを得ず退職することになった場合は、育児休業給付金の支給も打ち切りとなるので注意しなければなりません。
出典:育児休業給付を受給中に離職した場合の取扱い変更及び通知について
福利厚生が手厚い派遣会社を見分ける方法はある?

福利厚生の手厚さは、派遣会社によって異なります。
ここでは、福利厚生が手厚い派遣会社を見分ける方法をわかりやすく紹介します。
公式サイトや求人票をチェックする
最初に、派遣会社の公式サイトや求人票をチェックしましょう。
福利厚生の内容について詳細に書かれている派遣会社ほど、福利厚生を充実させることに力を入れている可能性があります。
実際の口コミや評判を参考にする
実際の口コミや評判には、その派遣会社で仕事をしたことがある人のリアルな声が反映されています。
福利厚生についてポジティブな口コミが多い派遣会社は、手厚い福利厚生が期待できます。
ただし、口コミには誤った情報や古い情報が含まれている可能性がある点に注意が必要です。
気になることがあれば、公式サイトや求人票で事実確認を行いましょう。
福利厚生サービスへの加入有無を確認する
福利厚生サービスとは、福利厚生の業務を外部委託するサービスのことです。
派遣会社が福利厚生サービスに加入していると、派遣社員は映画やレジャー施設の割り引き、健康診断の補助、オンライン在宅診療といった、さまざまなサービスを受けることができます。
福利厚生サービスの利用料金は派遣会社が負担するため、福利厚生への力の入れ具合をはかる判断材料になります。
加入の有無については、公式サイトや求人票で確認が可能です。
面談で派遣会社の担当者に聞いてみる
福利厚生の実際の運用状況については、面談の際に派遣会社の担当者に聞いてみるのが最も確実です。
すでに就業中の派遣社員が福利厚生を活用しているかどうかもあわせて確認すると参考になります。
よくある質問
最後に、派遣社員の福利厚生についてよくある質問をまとめました。
福利厚生がない派遣会社は違法?
派遣会社は、法律で定められた福利厚生を派遣社員に提供する義務があります。
派遣社員が要件を満たしているにも関わらず、有給や社会保険などの福利厚生を提供しないことは違法です。
また、派遣先が正社員との不合理な待遇差を設けることも違法となります。
社会保険には入らなくても大丈夫?
一定の条件を満たした労働者は強制加入となります。
「加入しない」という選択肢はありません。
出典:社会保険は強制加入?入りたくない社員への対応はどうする?
派遣社員でも育休手当はもらえる?
育児休業給付金は、条件を満たせば派遣社員でも受け取ることが可能です。
契約更新されないと産休・育休は取れない?
契約終了が見込まれている場合であっても、産休の期間が契約期間に含まれていれば取得は可能です。
育休については、取得する条件に次の2つが含まれているため、契約継続が条件であることがわかります。
- 子が1歳に達する日を超えても引き続き雇用される見込みがある
- 子が1歳に達する日から1年を経過する日まで契約が継続する見込みがあること
育休中に契約満了した場合は、育児休業給付金の支給も打ち切りとなるので注意が必要です。
まとめ
福利厚生には、法律で必ず受けられる「法定福利厚生」と
派遣会社や派遣先によって内容が異なる「法定外福利厚生」があります。
公式ホームページや求人票で、派遣会社が提供している福利厚生の内容をあらかじめチェックしておきましょう。
福利厚生サービスへの加入有無や口コミも、福利厚生に手厚い派遣会社を判断するうえで参考になります。




