「一日中座りっぱなしで、体がなまっている気がする」「ジムに通おうと思っても続かない」。デスクワーク中心の生活をしていると、運動不足だとわかっていても、なかなか解消できないものです。仕事が終わるころには疲れていて、休日は休むだけで終わってしまう。そんな方には、働く時間そのものを運動の時間に変えてしまう、という選択肢があります。

結論

体を動かす仕事は「歩く」「運ぶ」「立つ」の3タイプに分かれます。運動不足の解消が目的なら歩く仕事、体を鍛えたいなら運ぶ仕事が向いています。

健康づくりの目安として、成人は1日60分以上(約8,000歩以上)体を動かすことがすすめられています。体を動かす仕事なら、この量を勤務中にこなすことも難しくありません。今回紹介する10職種のうち7つは、免許も資格もなしで始められます。ただし、動けば健康になるとは限らず、腰や膝の使い方と食事の量で結果が変わります。

この記事では、体を動かす仕事を10職種、動き方の違いがわかるように紹介します。あわせて、自分に合う仕事の選び方と、始める前に知っておきたい注意点も解説しますので、「健康的に働きたい」「仕事で運動不足を解消したい」と考えている方は参考にしてください。

体を動かす仕事が健康的といえる理由

健康づくりの目安は「1日60分・約8,000歩」

健康づくりの目安として、成人は歩行またはそれと同じくらいの強さの身体活動を、1日60分以上行うことがすすめられています。歩数に直すと、1日約8,000歩以上です。ここでいう身体活動には、スポーツやトレーニングだけでなく、通勤で歩く、荷物を運ぶ、階段を上るといった日常や仕事の中の動きも含まれます。

あわせて、息が弾んで汗をかく程度の運動を週60分以上行うこと、筋力トレーニングを週2〜3日行うこともすすめられています。さらに、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することも大切だとされています。

デスクワーク中心の生活では、通勤以外に歩く機会が少なく、1日の大半を座って過ごすことになります。推奨されている量に届かないのは、本人の意志が弱いからではなく、生活の仕組みそのものが原因になっていることが多いのです。

働く時間がそのまま運動になる

体を動かす仕事の大きな利点は、ジムに行く時間をわざわざ作らなくても、勤務中に推奨量に近い身体活動をこなせることです。倉庫の中を歩いて商品を集めるピッキングや、車を降りて玄関先まで荷物を届ける宅配なら、1日の勤務の中で歩く時間が自然と積み重なっていきます。

運動が続かない理由としてよく挙がるのは、「時間がない」「疲れていて気が乗らない」「お金がかかる」の3つです。仕事として体を動かすなら、時間は勤務時間の中に最初から組み込まれていますし、会費を払うどころか給料をもらいながら体を動かせます。意志の強さに頼らずに運動量を確保できるのは、ほかの方法にはない強みです。

実際に、「体を動かす仕事」を仕事選びの軸にして、生協の食材宅配ドライバーになった方もいます。

Yさんトラストシップ 宅配ドライバー

現場の声

「家から近いこと」と「体を動かす仕事がいいな」という軸で探していました。体を動かす仕事なので健康的になりますし、お客様との会話から元気ももらえる、とても楽しい仕事だと感じています。

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ただし「動く=健康」とは限らない

ここで一つ注意しておきたいのは、体を動かす仕事に就けば、それだけで健康になれるわけではないということです。重い荷物を持ち上げるときに腰から曲げる癖があれば、動けば動くほど腰を痛めるリスクは高まります。同じ場所で立ち続ける仕事では、足のむくみや膝への負担も出てきます。

また、体を動かすとお腹が空くので、食事の量が自然と増えます。「仕事で動いているから大丈夫」と食べる量を増やしてしまうと、運動量が増えても体重はまったく変わらない、ということも珍しくありません。

つまり、健康的に働けるかどうかは、仕事の種類だけでなく「どう動くか」「どう食べるか」で決まるということです。自分の体力や目的に合った動き方の仕事を選び、正しい体の使い方を覚えたうえで働くことが、長く健康的に続けるための条件です。具体的な注意点は、後の章でまとめて解説します。

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体を動かす仕事おすすめ10選

ここからは、体を動かす仕事を10職種紹介します。「歩く」「運ぶ」「立つ」のどれが中心の仕事かを見ながら、自分の目的に合うものを探してみてください。まずは10職種の違いを表で整理します。

仕事 動き方
引越し・配送助手 運ぶ(全身)
宅配ドライバー 歩く+運ぶ
ピッキング作業員 歩く
仕分け・入出庫作業 運ぶ
集配・集荷スタッフ 運ぶ+運転
交通誘導警備員 立つ
巡回警備員 歩く
工場のライン作業・組立 立つ+手を動かす
自動車製造・期間工 全身
電気工事士 全身

引越し・配送助手【運ぶ・全身】

10職種のなかで、もっとも運動量が多いのが引越し・配送助手です。家具や家電を持ち上げて運び、階段を何往復も上り下りし、トラックの荷台に隙間なく積み込む。腕、脚、体幹と、全身をまんべんなく使う仕事なので、1日が終わるころにはトレーニングをしたあとのような疲労感があります。

引越しは3〜4月の繁忙期に依頼が集中するため、この時期は短期や単発の募集が一気に増えます。1日だけ、週末だけといった働き方ができる求人も多く、「まずは自分の体力がどこまで通用するか試してみたい」という方の入り口にも向いています。資格は必要なく、体ひとつで始められるのも特徴です。

一方で、10職種のなかでは腰への負担がもっとも大きい仕事でもあります。重い物を持ち上げる回数が多いぶん、持ち方を間違えたまま続けると腰を痛めやすくなります。膝を曲げて荷物を体に引き寄せてから持ち上げるという基本を最初に覚え、慣れるまでは無理に一人で重い物を持たないことが、長く続けるための条件です。

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宅配ドライバー【歩く+運ぶ】

宅配ドライバーは、車で配達先の近くまで移動し、荷物を持って玄関先まで届ける仕事です。車を降りて歩き、荷物を運び、また車に戻る。この動作を1日に何十回も繰り返すので、歩く量と運ぶ量のバランスがよく取れている仕事といえます。ずっと歩き続けるわけではなく、運転中は体を休められるのも続けやすい理由です。

普通免許があれば始められる求人が多く、軽バンや小型トラックであれば、AT限定の免許で運転できる車両も少なくありません。生協の食材宅配のように、毎週同じ曜日に同じお宅を回る仕事もあります。担当エリアが決まっているので道はすぐに覚えられ、顔なじみのお客様との会話が楽しみになる方も多い仕事です。

ただし、扱う荷物によっては重さが負担になる場面もあります。飲料や米などの重い商品が続く日は、体力的にきついと感じることもあるでしょう。実際に働いている方は、重さについてこう話しています。

Yさんトラストシップ 宅配ドライバー

現場の声

お米やお水といった重い商品が続くときは、体力的に大変だなと感じます。ただ、私も含めて女性ドライバーも問題なくこなせている範囲です。

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ピッキング作業員【歩く】

ピッキングは、倉庫の中で指示書やハンディ端末を見ながら、棚から必要な商品を集めて回る仕事です。重い物を持つ場面は比較的少なく、仕事の中心はとにかく歩くこと。運動不足の解消が目的なら、まず検討してほしい仕事です。広い倉庫では、棚と棚の間を一日中行き来することになります。

ピッキング作業員の年収の目安は353.6万円、平均年齢は50.3歳です。働いている人の約6割がパートタイマーで、短時間勤務や週数日だけの働き方も選びやすくなっています。入職前の実務経験も7割以上が「特に必要ない」とされており、未経験から始めやすい仕事です。

空調の整った倉庫を選べば、夏でも冬でも天候に左右されずに歩けるのも魅力です。ただし、現場によっては歩く距離が想像以上に長く、慣れるまでは足がだるくなったり、足の裏が痛くなったりします。クッション性があり、足に合った靴を用意しておくだけで、疲れ方は大きく変わります。

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仕分け・入出庫作業【運ぶ】

仕分けは、届いた荷物を配送先の方面ごとに分ける仕事です。入出庫は、トラックから荷物を降ろして棚に格納したり、出荷する荷物をトラックに積み込んだりする仕事を指します。どちらも荷物を持ち上げて、運んで、置くという動作を繰り返すので、腕や体幹をしっかり使います。

倉庫作業員の年収の目安は406.5万円、平均年齢は46.3歳です。正社員が約4割を占めるほか、パートや派遣で働く人も多く、働き方の選択肢は幅広くあります。ピッキングに比べて「筋力を使う」仕事なので、歩くだけでは物足りない方や、体を引き締めたい方に向いています。

注意したいのは、扱う荷物の重さが現場によって大きく違うことです。飲料や日用品、機械部品を扱う倉庫では重い荷物が続き、アパレルや雑貨を扱う倉庫では軽い荷物が中心になります。求人票に「重量物あり」「○kg程度の荷物」といった記載があるかを確認し、自分の体力に合った負荷の現場を選ぶことが、無理なく続けるためのポイントです。

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集配・集荷スタッフ【運ぶ+運転】

集配・集荷スタッフは、企業や店舗を車で回って荷物を受け取り、営業所や物流センターへ持ち帰る仕事です。個人宅に届ける宅配と似ていますが、法人が相手なので一度に扱う荷物の量が多く、台車やカゴ車を使った積み下ろしが中心になります。段ボールを何箱もまとめて運ぶ場面が多いため、腕や脚をしっかり使います。

1日の中では、運転している時間と荷物を運んでいる時間が交互にやってきます。ずっと歩き続けたり、ずっと荷物を持ち続けたりするわけではないので、体を動かしたいけれど、車で一息つける時間があるほうが続けやすいという方に合っています。午前中は配達、午後は集荷というように、時間帯で仕事の中身が変わる会社もあります。

普通免許で運転できる車両を使う求人が多く、未経験から始めやすい仕事です。取引先の担当者と毎日顔を合わせるので、あいさつや簡単な会話も仕事の一部になります。決まったルートを回る仕事が多いため、慣れてくると自分のペースで動きやすくなるのも続けやすさにつながります。

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交通誘導警備員【立つ・屋外】

交通誘導警備員は、道路工事や建設現場、駐車場の出入口などで、車や歩行者を安全に誘導する仕事です。1日の大半を屋外で立って過ごし、腕を大きく動かして合図を送り、必要に応じて現場内を移動します。歩く距離はそれほど長くありませんが、屋外で立ち続けること自体がかなりの体力を使う仕事です。

交通誘導警備員の年収の目安は335.3万円、平均年齢は56.6歳です。有効求人倍率は47.97倍と非常に高く、人手が足りていない仕事の代表といえます。日給制で働く人も多く、「週2日だけ働きたい」「本業の休みの日に体を動かしたい」といった希望も通りやすいのが特徴です。

資格がなくても、入社後に法律で定められた20時間以上の新任教育を受ければ現場に出られます。一方で、夏の暑さと冬の寒さは避けられません。暑さ寒さに弱い方は、屋内の仕事のほうが続けやすいかもしれません。夏は空調服や水分補給、冬は重ね着やカイロといった対策が欠かせない仕事です。

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巡回警備員【歩く】

巡回警備員は、オフィスビルや商業施設、病院などの中を決まったルートで歩いて回り、異常がないかを確認する仕事です。扉や窓の施錠、火の元、不審な人や物がないかを見て回ります。重い物を持つことはほとんどなく、屋内を一定のペースで歩くので、体への負担を抑えながら運動量を確保できます。

施設警備員の年収の目安は379.9万円、平均年齢は53.8歳です。正社員が約6割を占め、交通誘導警備に比べて安定した雇用で働きやすいのも特徴です。夜勤のある現場では深夜手当がつき、人の少ない館内を静かに歩く時間が中心になります。「人とあまり話さず、黙々と歩きたい」という方には合いやすい仕事です。

ただし、巡回のない時間は防災センターでのモニター監視や受付、鍵の管理などを担当するため、1日中歩き続けるわけではありません。動く量を重視するなら、大型の商業施設や巡回回数の多い現場を選ぶとよいでしょう。求人票や面接で、1回の巡回にかかる時間や回数を確認しておくと、入ってからのギャップを防げます。

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工場のライン作業・組立【立つ・手を動かす】

工場のライン作業は、ベルトコンベアで流れてくる製品に部品を取り付けたり、検査したり、箱に詰めたりする仕事です。組立作業では、作業台の上で製品を組み上げていきます。どちらも立ち仕事ですが移動はほとんどなく、「歩く」よりも「立って手を動かす」タイプの仕事になります。

屋内で空調が整っている工場が多く、天候に左右されずに働けるのが大きな利点です。扱う部品は小さく軽いものが多いため、力に自信がない方でも取り組みやすくなっています。座りっぱなしの生活からは抜け出したいけれど、いきなり重い物を運ぶ仕事は不安、という方にとって、選びやすい入り口の一つです。

一方で、同じ場所で同じ姿勢を保ったまま立ち続けるため、足のむくみや腰の張りは出やすくなります。歩き回る仕事よりも、じっと立っているほうが足に負担がかかることもあるのです。休憩時間に軽く歩く、ふくらはぎを伸ばす、クッション性のある靴やインソールを使うといった工夫で、疲れ方はかなり変わります。

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自動車製造・期間工【全身】

自動車製造は、自動車工場でボディの溶接や組立、エンジンやシートなどの部品の取り付け、塗装、検査を行う仕事です。同じライン作業でも、扱う部品が大きく重いものが多く、車体の下にもぐり込んだり、腕を上げたまま作業したりする場面もあります。腕、脚、体幹をすべて使う、製造業の中でも体を動かす量が多い仕事です。

期間工は、自動車メーカーなどと数か月単位の期間を決めて契約する働き方です。体力を使う仕事であるぶん、給料は製造業の中でも高めに設定されていることが多く、寮完備や、契約期間を満了したときに支払われる満了金がついた求人も多くあります。「短期間で体を鍛えながら、まとまった貯金もしたい」という目的なら、合理的な選択肢です。

ただし、昼勤と夜勤を1週間ごとに入れ替える2交替制など、交替勤務の工場が多いため、生活リズムの管理が必要になります。ラインのスピードに合わせて作業するので、自分のペースで休むこともできません。体力に自信があり、生活リズムの変化にも対応できる方向けの仕事といえるでしょう。

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電気工事士【全身+手に職】

電気工事士は、住宅やビル、工場などで電気の配線を行ったり、照明やコンセント、分電盤などの設備を取り付けたりする仕事です。現場を歩き回り、しゃがんで作業し、脚立に登って天井に配線し、ときには天井裏や床下に入ることもあります。同じ動きを繰り返すのではなく、全身をさまざまな方向に使うのが、ほかの9職種にはない特徴です。

電気工事を行うには第二種電気工事士などの資格が必要ですが、最初から資格を持っている必要はありません。見習いとして入社し、先輩の補助をしながら働いて資格を取るルートが一般的です。電気工事士の年収の目安は628.1万円。経験を積んだ人も含めた数字ではあるものの、今回の10職種の中では高い水準です。

資格を取れば手に職がつき、年齢を重ねても現場で必要とされ続けます。「体を動かしたいけれど、単純作業の繰り返しは飽きてしまいそう」「長く続けられる技術を身につけたい」という方に向いています。今の運動不足を解消しながら、10年後の働き方まで変えられるのが、電気工事士という仕事の強みです。

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自分に合う体を動かす仕事の選び方

どれくらい動きたいか(歩く/運ぶ/立つ)

最初に考えたいのは、自分がどんな動き方を求めているかです。運動不足の解消が目的なら、ピッキングや巡回警備、宅配のような「歩く」仕事が向いています。重い物を持つ場面が少なく、体への負担を抑えながら、勤務中に歩く量をしっかり確保できます。

筋力もつけたい、体を引き締めたいという方には、仕分けや引越し、期間工のような「運ぶ」仕事が合っています。荷物を持ち上げる動作を繰り返すので、腕や脚、体幹に負荷がかかり、歩くだけの仕事よりも疲労感ははっきりと出ます。

見落としやすいのが、ライン作業や交通誘導のような「立つ」仕事です。歩き回らないぶん楽そうに見えますが、同じ姿勢で立ち続けるのは、歩くよりも足や腰に負担がかかることがあります。立つ仕事を選ぶなら、靴やインソール選びが働きやすさを大きく左右すると考えておきましょう。

屋内か屋外か

二つ目の軸は、働く場所が屋内か屋外かです。倉庫や工場は空調が整っている現場が多く、雨の日も暑い日も同じ環境で働けます。季節によって体調を崩しやすい方や、天候に左右されずに安定して働きたい方には、屋内の仕事が向いています。

一方で、交通誘導警備や宅配、集配のような屋外の仕事では、夏の暑さと冬の寒さがそのまま体にきます。外の空気を吸いながら働ける気持ちよさや、季節の移り変わりを感じられる楽しさがある反面、屋外での体力の消耗は、想像している以上に大きいものです。特に真夏は、同じ作業をしていても屋内よりずっと疲れやすくなります。

なお、屋内の倉庫でも、冷蔵・冷凍倉庫や、空調のない常温倉庫もあります。「屋内だから快適」と思い込まず、求人票の「空調完備」「冷暖房あり」といった記載や、面接での職場見学で実際の環境を確かめておくと安心です。

今すぐ始めるか、資格で長く働くか

三つ目の軸は、どれくらい先を見て仕事を選ぶかです。今回の10職種のうち、引越し・配送助手、ピッキング、仕分け・入出庫、交通誘導警備、巡回警備、ライン作業、期間工の7つは、免許も資格もなしで始められます。警備の仕事は入社後に研修がありますが、応募の時点で資格は必要ありません。「まずは体を動かしてみたい」なら、この7つから選ぶのが早道です。

宅配と集配は普通免許があれば始められます。車の運転に抵抗がなければ、選択肢は9つまで広がります。

一方で、電気工事士のように資格が必要な仕事は、一人前になるまでに時間がかかるぶん、年齢を重ねても続けられる技術が身につきます。今の運動不足を解消したいのか、これから10年の働き方を変えたいのか。この答えによって、選ぶべき仕事は変わってきます。

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体を動かす仕事を始める前に知っておきたいこと

最初の1か月は筋肉痛が続く

デスクワークから体を動かす仕事に移ると、最初の数日は全身が筋肉痛になるのが普通です。ふくらはぎや太もも、腰、腕と、これまで使っていなかった場所が一斉に痛み出します。これは異常ではなく、眠っていた筋肉が動き始めた証拠です。

多くの現場では、体が慣れるまでに1か月ほどかかると言われます。最初の1〜2週間は、仕事から帰るとぐったりして何もする気が起きない、という日もあるでしょう。ここで「自分には無理かもしれない」と判断してしまう方もいますが、それはまだ早すぎます。

体が慣れてくると、同じ作業が驚くほど楽に感じられるようになります。最初の1か月は、しっかり寝て、湯船につかって体をほぐし、たんぱく質を意識した食事をとるなど、回復を優先した生活を心がけてください。まずは1か月続けてみることが、体を動かす仕事になじむためのいちばんの近道です。

腰と膝は「使い方」で守る

体を動かす仕事でいちばん多いトラブルが腰痛です。原因の多くは、重い荷物を持つときに膝を伸ばしたまま腰から曲げてしまうこと、そして体をひねりながら持ち上げてしまうことにあります。どちらも、慣れないうちはついやってしまいがちな動作です。

荷物を持つときは、膝を曲げて腰を落とし、荷物を体に引き寄せてから、脚の力で持ち上げるのが基本です。向きを変えるときは腰をひねらず、足の位置ごと体の向きを変えます。台車やカゴ車、リフトを使える場面では手で運ばない。この基本を守るだけで、腰への負担は大きく変わります。

「力仕事」と聞くと不安になる方も多いと思いますが、実際の現場では、機械や道具を使って重い物を動かす場面が少なくありません。重機を運ぶ仕事をしている女性ドライバーの方も、こう話しています。

Oさんいずみ重機 重機回送ドライバー

現場の声

自走できないものは、手積みやウインチで引っ張り上げたりもしますね。「力仕事」もありますが「機械操作」がメインなので、女性の私でもなんとかできています。

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動いた分だけ食べると意味がない

体を動かす仕事に就くと、とにかくお腹が空きます。休憩時間のお弁当が大盛りになり、帰りにコンビニで甘い物を買い、夕食もついおかわりしてしまう。「今日はたくさん動いたから大丈夫」と思っているうちに、気づけば体重がまったく変わっていない、あるいは増えている、ということはよくある話です。

体を動かす仕事で消費するエネルギーは確かに増えますが、食べる量が同じだけ増えれば、差し引きはゼロになってしまいます。健康的に働きたいなら、仕事で動いたことを「たくさん食べる理由」にしないことが、意外と大事なポイントです。

とはいえ、極端に食事を減らすのも逆効果です。エネルギーが足りない状態で体を動かすと、疲れが抜けにくくなり、けがの原因にもなります。主食を大盛りにする代わりに、肉や魚、卵、野菜をしっかりとる。間食は甘い物ではなく、おにぎりやヨーグルトにする。こうした小さな工夫を積み重ねることで、体を動かす仕事の健康効果をしっかり受け取れます。

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体を動かす仕事に関するよくある質問

Q. 体力に自信がなくても体を動かす仕事はできる?

できます。ピッキングや巡回警備のように「歩く」ことが中心の仕事は、特別な体力や筋力を必要としません。重い荷物を持つ場面も少ないため、運動から長く離れていた方でも始めやすい仕事です。

もちろん、最初は誰でも疲れます。慣れないうちは足がだるくなったり、仕事から帰るとすぐに眠くなったりするでしょう。それでも、多くの場合は1か月ほどで体が慣れ、同じ仕事が楽にこなせるようになります。

大切なのは、最初から負荷の高い仕事を選ばないことです。いきなり引越しや期間工のような体力勝負の仕事を選ぶと、体が慣れる前に疲れ切ってしまい、続けられなくなるおそれがあります。まずは歩く仕事から始め、体力がついてきたら運ぶ仕事に挑戦するという順番で考えると安心です。短時間勤務や週数日の求人から始めて、少しずつ勤務日数を増やしていく方法もあります。

Q. 40代・50代からでも始められる?

始められます。体を動かす仕事には、40代・50代が中心になっている職種が多くあります。平均年齢を見ると、倉庫作業員は46.3歳、ピッキング作業員は50.3歳、施設警備員は53.8歳、交通誘導警備員は56.6歳です。職場に同世代が多いので、年齢を理由に肩身の狭い思いをすることは少ないでしょう。

ただし、20代と同じ感覚で体を動かすのは禁物です。年齢を重ねると、疲れが抜けるまでに時間がかかり、無理をしたときのけがも治りにくくなります。重い物を運ぶ仕事よりも、歩く仕事や立つ仕事から選ぶと、体への負担を抑えながら長く続けられます。

また、面接では「体力に自信があります」とアピールするよりも、「健康のために体を動かしたい」「長く続けたい」と伝えるほうが好印象につながります。企業が中高年の応募者に求めているのは、若さではなく、休まず長く働いてくれることだからです。

Q. 体を動かす仕事で痩せる?

運動量が増えるので、痩せやすい状態にはなります。デスクワークから歩く仕事に移れば、1日の歩数は大きく増え、消費するエネルギーもそれに合わせて増えます。実際に、体を動かす仕事を始めてから体型が変わったと感じる人は少なくありません。

ただし、先ほども触れたとおり、食事の量が増えれば効果は相殺されます。体を動かすとお腹が空くのは自然なことなので、何も意識しなければ、食べる量は自然と増えていきます。「仕事で動いているから」と食べる量を増やさないことが、体型を変えられるかどうかの分かれ目です。

また、体重だけを見て判断しないことも大切です。運ぶ仕事で筋肉がついてくると、体重はあまり減らなくても、体が引き締まって見えるようになります。体重計の数字よりも、ズボンのウエストや階段を上るときの息切れなど、体の変化に目を向けてみてください。

Q. 屋内で体を動かせる仕事は?

今回紹介した10職種のうち、ピッキング、仕分け・入出庫、巡回警備、工場のライン作業・組立、自動車製造・期間工の5つが、屋内中心の仕事です。天候に左右されずに働けるので、雨の日や真夏でも、同じペースで体を動かせます。

このなかで、運動量をいちばん確保しやすいのはピッキングです。倉庫の中を一日中歩くので、屋内にいながら歩く量をしっかり増やせます。筋力もつけたいなら仕分け・入出庫や期間工、体への負担を抑えたいなら巡回警備やライン作業が向いています。

ただし、屋内であっても空調の有無は現場によって違います。冷蔵・冷凍倉庫では夏でも寒さ対策が必要ですし、常温倉庫では夏場に暑くなることもあります。求人票の「空調完備」「冷暖房あり」の記載を確認し、可能であれば職場見学で実際の環境を見ておくと、入ってからのギャップを防げます。

Q. 週2〜3日だけ体を動かす仕事をするのはあり?

ありです。交通誘導警備や引越し、倉庫作業には、週2〜3日の勤務や、1日単位の単発の求人が多くあります。本業がデスクワークの方が、休日や空いた日に体を動かす仕事を入れて運動不足を補う、という働き方をしている人もいます。

この働き方の良いところは、運動と収入を同時に得られることです。ジムに通えば会費がかかりますが、体を動かす仕事なら、運動しながら給料をもらえます。いきなり本業を変えるのは不安という方でも、週末だけ働いてみて、自分に合う仕事かどうかを試せるのも利点です。

ただし、副業として働く場合は、本業の就業規則で副業が認められているかを事前に確認しておきましょう。また、本業と合わせて休みがまったくなくなると、疲れがたまって本業にも影響が出ます。体を休める日をきちんと確保したうえで、無理のない範囲で取り入れることが、長く続けるためのポイントです。

まとめ

体を動かす仕事は、「歩く」「運ぶ」「立つ」の3タイプに分かれます。運動不足の解消が目的なら、ピッキングや巡回警備、宅配のような歩く仕事。体を鍛えたいなら、仕分けや引越し、期間工のような運ぶ仕事が向いています。屋内でできる仕事も屋外の仕事もあり、10職種のうち7つは免許も資格もなしで始められます。

健康づくりの目安とされる1日60分・約8,000歩の身体活動は、体を動かす仕事なら勤務中にこなすことも難しくありません。ジムに通う時間を作れない人にとって、働き方を変えることは、いちばん確実な運動習慣の作り方です。

ただし、動けば健康になるわけではありません。荷物の持ち方、靴、食事。この3つに気をつけながら、自分の体力と目的に合った仕事を選び、健康的に働き続けてください。

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参考資料
・厚生労働省 身体活動・運動の推奨事項
https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf
・厚生労働省 職業情報提供サイト「ピッキング作業員」「倉庫作業員」「雑踏・交通誘導警備員」「施設警備員」「電気工事士」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/486
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/485
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/475
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/241
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/46
※年収・平均年齢は令和7年賃金構造基本統計調査に基づく目安
・インタビュー記事「未経験・免許がなくても大丈夫!コープデリのドライバーの魅力とは?【株式会社トラストシップ】」
https://ten.1049.cc/tenichicopo/interview/trust-ship01/
・インタビュー記事「入社数ヶ月で資格取得ラッシュ。未経験の私が重機回送ドライバーになるまで【株式会社いずみ重機】」
https://ten.1049.cc/tenichicopo/interview/izumijyuuki01/