運送業への就職や転職を考えたとき、「どんな資格があれば有利なのだろう」と気になる方は多いのではないでしょうか。実は、運送業は無資格でも働き始められる一方で、取得している資格によって任される車種や業務内容、収入面に差が出やすい業界でもあります。大型免許やフォークリフト、運行管理者など、評価されやすい資格はいくつか存在します。本記事では、運送業で有利になる代表的な資格の種類と、それぞれの取得方法やポイントを分かりやすく解説します。
運送業で有利になる代表的な資格一覧
大型自動車免許
大型自動車免許は、車両総重量11トン以上の大型トラックを運転できる国家資格です。長距離輸送や幹線便など、運送業の中でも売上規模が大きい業務を担当するために必須とされることが多く、収入アップにつながりやすい資格です。取得は自動車教習所で所定の技能・学科教習を受け、修了検定に合格する流れが一般的です。受験には年齢や運転経歴などの条件があります。
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中型・準中型自動車免許
中型免許や準中型免許は、2〜4トントラックなどを運転するために必要な免許で、配送業界では最も求人が多い車格に対応しています。コンビニ配送や企業向けルート配送など幅広い業務で活躍でき、未経験者の入口資格として位置づけられることが多いです。取得は教習所での技能・学科教習後、検定に合格することで可能です。普通免許からのステップアップ取得もできます。
フォークリフト運転技能講習
フォークリフト運転技能講習は、最大荷重1トン以上のフォークリフトを操作するために必要な資格です。倉庫併設型の運送会社では、積み込みや荷下ろし作業を自社で行うケースも多く、実務で重宝されます。取得は、都道府県労働局長登録教習機関で学科・実技講習を受講し、修了試験に合格することで修了証が交付されます。比較的短期間で取得可能です。
玉掛け技能講習
玉掛け技能講習は、クレーンなどで荷をつり上げる際にワイヤーロープを掛け外しする作業に必要な資格です。建設資材や重量物を扱う配送業務では必須となることがあります。取得方法は、登録教習機関で学科と実技講習を受講し、修了試験に合格する流れです。フォークリフトとあわせて取得すると、扱える業務の幅が広がります。
運行管理者資格
運行管理者は、ドライバーの労務管理や安全管理、配車計画などを担う国家資格です。一定台数以上の営業用トラックを保有する事業所では配置が義務づけられています。将来的に内勤職や管理職を目指す人にとって重要な資格です。取得は、国土交通省所管の試験に合格し、実務経験などの要件を満たしたうえで選任される形になります。
危険物取扱者
危険物取扱者乙種第4類は、ガソリンや軽油などの引火性液体を取り扱うために必要な国家資格です。タンクローリーによる燃料輸送業務では必須とされることが多く、専門性の高い分野で活躍できます。取得は都道府県ごとに実施される試験に合格することで可能です。学科試験のみで構成されており、法令や物理・化学などが出題範囲となります。
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どの資格を取るべき?目的別おすすめ
未経験から運送業に入りたい人
未経験なら、まず準中型免許で応募できる求人の幅を広げるのが近道です。準中型は普通免許より運転できる車両の範囲が広く、2〜3トントラックの配送求人などで求められます。あわせてフォークリフト運転技能講習を修了しておくと、倉庫併設の運送会社で積み込み・荷下ろしにも対応でき、採用で評価されやすくなります。どちらも教習所や登録教習機関で取得できます。
年収アップを目指したい人
年収を上げたいなら大型自動車免許が有力です。大型免許があると、幹線輸送や長距離便など大型トラックを使う仕事に応募でき、担当業務の単価が上がりやすい傾向があります。取得は教習所で学科・技能教習を受け、検定に合格する流れが一般的です。受験には年齢や運転経歴などの条件があるため、先に要件を確認しておくとスムーズです。
将来管理職を目指す人
内勤や管理職を目指すなら運行管理者が軸になります。運行管理者は、一定台数以上の事業用車両を使う営業所で選任が必要な資格で、運送会社の中核業務を担う立場です。取得は国家試験に合格することが基本で、受験には実務経験などの要件があります。現場経験を積みながら計画的に狙うと、キャリアの選択肢が広がります。
専門輸送に挑戦したい人
専門輸送を狙うなら、危険物取扱者と玉掛けが代表的です。乙4はガソリンや軽油などの引火性液体を扱う業務で必要とされ、タンクローリー系の仕事で評価されます。玉掛けはクレーンで荷をつり上げる際の掛け外し作業に必要で、建設資材など重量物の輸送・荷役で求められることがあります。乙4は試験合格、玉掛けは登録教習機関の講習修了で取得します。
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資格があると給料はどれくらい変わる?
資格手当の相場
運送業では、資格を持っていると月々の給与に資格手当が上乗せされるケースがあります。例えば、運行管理者の資格手当は会社によって異なりますが、一般的な相場として月5,000円〜1万円程度と言われています。フォークリフトや危険物取扱者などでも手当対象となることがあり、資格保有が収入アップにつながる要素のひとつです。ただし金額は企業ごとに差が大きい点は理解しておきましょう。
車格による日給・月給の違い
運送業における給与は、運転できる車両の大きさによっても違いがあります。例えば大型トラック運転手は中型や普通トラックに比べて平均年収が高く、全国平均で大型ドライバーは約484万円程度という統計もあります。けん引免許を取得すればさらに高収入になる場合もあり、扱える車両の幅が給与に反映される傾向があります。
キャリアアップ事例
運行管理者資格を取得し管理職に進むと給与水準が変わる例もあります。中小規模の運送会社では年収300〜400万円ほどでも、大手企業の運行管理者では年収600万円〜800万円といった高水準になる事例が見られます。また、現場経験を積んで安全管理や配車管理の役割を担うことで役職手当がつき、長期的には給与を大きく上げるチャンスにつながるケースもあります。
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資格取得支援制度を活用するのもおすすめ
会社負担で取れるケースが多い
運送会社の中には、従業員が業務で必要な免許や資格を取得する際、費用を会社が全額または一部負担する支援制度を設けているところが増えています。たとえば準中型・中型・大型免許の取得費用を補助する制度や、入社後に段階的に上位免許を目指せる制度などがあり、費用負担を大幅に軽減できます。こうした制度は求人票でもアピールポイントとして掲載されていることが多く、資格の初期費用がネックになりにくい環境が整っています。
働きながら取得できる
運送業では、仕事をしながら資格取得に取り組める仕組みが整っていることもあります。実務中のOJTや同乗研修を通じて業務を覚えながら、教習所に通って準中型や大型免許を取得することが可能です。一部の企業では社内育英制度として、免許取得に必要な時間調整や支援を行ってくれるため、働きながらステップアップしやすい環境になっています。
転職時にも有利に働く
取得支援制度を活用して免許や資格を取得しておくと、次の転職の際にも有利に働くケースがあります。実務経験に加えて、免許取得支援を活用して資格を手に入れたことは、応募先企業からの評価につながることが多く、選考や待遇面でプラス評価を受けやすくなります。また、助成金制度を活用した支援例もあり、キャリア形成の幅が広がる点でも価値があります。
まとめ
運送業は、普通免許のみで応募できる求人もあり、無資格からでもスタートできる業界です。しかし、運転できる車両の種類や担当できる業務は保有資格によって明確に変わります。準中型やフォークリフト資格があれば応募できる求人の幅が広がり、大型免許を取得すれば長距離輸送など高単価業務を担当できる可能性が高まります。さらに運行管理者資格を取得すれば、内勤や管理職への道も開けます。将来の働き方や収入を見据え、段階的に資格を取得していくことが、安定したキャリア形成につながります。