「重機回送って、具体的にどんな仕事をするの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。重機回送は、建設現場や土木工事で使われる重機を、現場から現場へ安全に運ぶ仕事です。表に出ることは少ないものの、工事を予定どおり進めるために欠かせない、いわば現場を支える裏方の存在といえます。一方で、「大型車の運転が必要?」「資格がないとできない?」「体力的にきついのでは?」といった不安を感じる方も少なくありません。この記事では、重機回送の仕事内容を中心に、1日の流れや必要な免許・資格など、初めての方にも分かりやすく解説していきます。応募前に知っておきたい基本情報を整理したい方は、ぜひ参考にしてください。

重機回送とは?

重機回送の基本的な役割

重機回送とは、建設現場や土木工事の現場で使用される建設機械・重機を、ある現場から別の現場へ安全に運ぶ仕事を指します。工事は、必要な重機が現場に届いてはじめて着工できるため、重機回送は工事全体の段取りを支える重要な工程のひとつです。作業そのものは重機を操作して工事を行うわけではありませんが、回送が遅れたり、手配がうまくいかなかったりすると、工事のスケジュールに直接影響します。そのため、重機回送は現場の縁の下の力持ちともいえる存在です。回送業務では、指定された時間や場所を守ること、安全に運ぶことが特に重視されます。現場の作業員や施工管理者と連携しながら動く場面も多く、工事が円滑に進むよう裏側から支える役割を担っています。

回送される主な重機の種類

重機回送で扱われる機械にはさまざまな種類があります。代表的なものとしては、土を掘ったりならしたりするバックホー、地面を押し固めるブルドーザー、資材を吊り上げるクレーンなどが挙げられます。これらの重機は、形状や大きさ、重量がそれぞれ異なり、それに応じて回送の方法も変わります。比較的小型の重機であれば専用の車両で運ぶことができますが、大型で重量のある重機の場合は、トレーラーなどを使って慎重に回送します。また、公道を走行する際には、車両のサイズや重さに合わせたルールを守る必要があります。重機回送の仕事では、どの重機をどのような方法で運ぶのかを正確に理解し、安全第一で対応することが求められます。こうした点も、重機回送が専門性のある仕事といわれる理由のひとつです。

重機回送の仕事内容

出勤から回送までの流れ

重機回送の仕事は、出勤後の準備から始まります。まず行うのは、その日の回送内容の確認です。どの重機を、どの現場へ、何時までに届けるのかといった指示を確認し、回送ルートや所要時間を把握します。そのうえで、使用する回送車両の点検を行います。タイヤの状態や灯火類、ブレーキなどを確認し、安全に走行できる状態かをチェックします。

次に、回送予定の重機についても外観や異常の有無を確認します。油漏れや破損がないかを事前に確認しておくことで、トラブルを防ぐことにつながります。積み込み前には、ラダーや固定具など必要な道具がそろっているかを確認し、準備を整えます。こうした事前準備は、回送作業を安全かつスムーズに進めるために欠かせない工程です。

重機の積み込み・固定作業

重機回送において特に重要なのが、重機の積み込みと固定作業です。積み込みでは、ラダーと呼ばれる昇降用の器具を使用し、重機を慎重に回送車両へ載せていきます。この作業は、重機の大きさや重さに応じて細心の注意が必要となります。無理な角度や速度で積み込むと、事故や車両の損傷につながるため、落ち着いた操作が求められます。積み込み後は、重機が走行中に動かないよう、チェーンやベルトなどを使って固縛します。固定が不十分だと、公道走行中に重機がずれたり、危険な状況を招いたりするおそれがあります。そのため、固定状態を何度も確認し、安全が確保されていることを確認してから出発します。安全確認を徹底することが、重機回送の基本となります。

現場までの運転・回送業務

重機を積み込んだあとは、指定された現場まで回送車両を運転します。回送業務では、あらかじめ決められたルートや到着時間を守ることが重要です。特に大型車両での走行となるため、道幅や高さ制限、交通量などを考慮したルート選択が求められます。公道を走行する際には、急ブレーキや急ハンドルを避け、安定した運転を心がけます。また、重機を積載しているため、通常の車両よりも制動距離が長くなる点にも注意が必要です。信号や交差点、カーブでは十分に速度を落とし、周囲の状況を確認しながら運転します。回送業務は運転時間が長くなることもありますが、安全第一で行動することが最優先となります。

現場での荷下ろし・引き渡し

現場に到着したら、まず現場担当者に到着の報告を行い、荷下ろしの場所や手順を確認します。指示に従い、ラダーを設置して重機をゆっくりと降ろしていきます。荷下ろし作業も積み込みと同様に慎重さが求められ、周囲に人や障害物がないかを確認しながら進めます。重機を所定の位置に配置した後は、担当者に引き渡しを行い、問題がないかを確認します。その後、次の回送予定がある場合は、指示を再度確認して次の現場へ向かいます。回送業務が終了した場合は、車両を拠点へ戻し、簡単な点検や報告を行って業務終了となります。このように、重機回送の仕事は一連の流れを丁寧にこなすことで、現場を支える役割を果たしています。

重機回送の1日のスケジュール例

日勤の場合のモデルケース

日勤の重機回送は、朝に出勤して夕方までの時間帯で業務が完結するケースが多く、比較的生活リズムを整えやすい働き方といえます。出勤後は、まず当日の回送内容を確認し、どの重機をどの現場へ運ぶのか、回送の順番や到着目安を把握します。その後、回送車両や使用する道具の点検を行い、積み込みの準備を整えます。準備が終わると、重機の積み込みと固定を行い、指定された現場へ回送します。現場に到着したら、担当者と確認を取りながら荷下ろしと引き渡しを行い、次の回送があれば再び拠点や別の現場へ向かいます。この一連の流れを、1日で数回繰り返すこともあります。すべての回送が終わったあとは帰社し、車両や道具の簡単な確認、報告を行って業務終了となります。日勤の場合は、こうした流れを朝から夕方までの時間内で積み上げていくイメージを持つと、1日の働き方が理解しやすくなります。

長距離・スポット回送の場合

長距離回送やスポット回送は、回送距離や現場の都合に合わせて動くため、日勤とは異なるスケジュールになることがあります。指定された時間に現場へ重機を届ける必要があるため、早朝に出勤したり、夜間に対応したりするケースも見られます。出勤時間が一定ではなく、回送内容に応じて前後する点が特徴です。また、回送距離が長くなるほど、運転時間の占める割合が大きくなり、途中の道路状況や到着後の受け入れ体制などを踏まえた調整が重要になります。スポット回送では、単発の指示で動く分、回送条件や引き渡し内容を正確に守ることが求められます。さらに、現場の準備状況によっては待機時間が発生することもあります。この待機時間は、次の指示に備えて車両や固定状態を確認したり、連絡を取り合ったりする時間として組み込まれます。長距離・スポット回送は、動く時間と待つ時間のメリハリを意識しながら進めるスケジュールが特徴です。

重機回送に必要な資格・免許

必須となる運転免許

重機回送の仕事でまず必要になるのが、回送車両を運転するための運転免許です。回送に使われる車両は、重機の大きさや重量によって異なり、それに応じて必要な免許区分も変わります。比較的小型の重機を積載する場合でも、車両総重量の関係から中型免許が必要になるケースがあります。また、大型の重機を運ぶ場合は大型免許が求められることが一般的です。
さらに、トレーラーを使用して重機を回送する場合には、けん引免許が必要になります。このように、重機回送ではどの重機を、どの車両で運ぶかによって必須となる免許が決まります。そのため、求人情報を見る際には、回送業務の内容とあわせて、必要な免許条件を確認することが重要です。免許の区分は法律で定められているため、現場の判断で代替できるものではなく、正しい免許を所持していることが安全で適切な業務につながります。

あると有利な資格

重機回送の仕事では、運転免許が必須となりますが、それに加えて持っていると業務の幅が広がる資格もあります。代表的なものが、車両系建設機械運転技能講習です。この資格を持っていると、重機を積み込む際や、現場での簡単な移動などで重機を操作できるため、回送業務をよりスムーズに進めやすくなります。また、玉掛けや小型移動式クレーンに関する資格は、重機や付属品を扱う場面で役立つことがあります。これらの資格は、必ずしもすべての回送業務で必要になるわけではありませんが、現場によっては評価されるポイントになります。資格を持っていることで、対応できる業務の範囲が広がり、結果として仕事を任されやすくなることもあります。重機回送の仕事を長く続けたいと考えている場合は、こうした資格を段階的に取得していくことで、働き方の選択肢を広げることにつながります。

未経験でも応募できるのか

重機回送は専門性のある仕事に見えますが、未経験から応募できる求人も存在します。特に、運転免許を満たしている場合は、回送業務の経験がなくても採用対象となるケースがあります。その背景として、資格取得支援制度を設けている職場がある点が挙げられます。入社後に必要な資格を取得できるよう、講習費用を会社が負担したり、取得までの期間は補助的な業務から始めたりする仕組みです。また、同乗研修を行い、先輩社員の回送業務に同行しながら仕事の流れを覚える方法を取り入れている職場もあります。このように、いきなり一人で回送を任されるのではなく、段階的に業務を覚えていく形が取られることが多いのが特徴です。未経験者にとっては、免許条件だけで判断するのではなく、研修体制や育成方針を確認することが、安心して働き始めるためのポイントになります。

重機回送の求人を選ぶときのポイント

免許・資格支援の有無

重機回送の求人を見る際に、最初に確認しておきたいのが免許や資格に関する支援制度の有無です。重機回送では、中型免許や大型免許、場合によってはけん引免許などが必要になることがありますが、すべてを最初から持っていなくても応募できる求人もあります。その理由のひとつが、資格取得支援制度を設けている職場の存在です。こうした職場では、業務に必要な免許や資格を入社後に取得できるよう、講習費用の補助や勤務調整などが行われます。求人情報には「資格取得支援あり」と記載されていることが多いため、条件欄を丁寧に確認することが大切です。支援内容は会社によって異なるため、どの資格が対象になるのか、取得までの流れはどうなっているのかを把握しておくと、入社後のイメージがしやすくなります。特に未経験者の場合は、こうした支援体制が整っているかどうかが、安心して長く働くための判断材料になります。

回送エリア

重機回送の求人を選ぶうえで、回送エリアの範囲も重要なポイントになります。回送エリアは、大きく分けると地場中心と長距離対応の二つに分けられます。地場回送の場合は、比較的近隣の現場を回ることが多く、1日の中で複数回の回送を行うケースが見られます。一方、長距離回送では、移動時間が長くなる分、1件ごとの回送にかかる時間が増える傾向があります。どちらが良いかは人によって異なり、生活リズムを重視したい人は地場中心、運転時間をしっかり確保して働きたい人は長距離回送が向いている場合もあります。求人情報には「地場中心」「長距離あり」などと記載されていることが多いため、自分の希望する働き方と合っているかを確認することが大切です。回送エリアの違いを理解しておくことで、入社後のギャップを減らすことにつながります。

残業・待機時間の扱い

重機回送の仕事では、残業や待機時間の扱いについても事前に確認しておきたいポイントです。回送業務は、現場の進行状況や受け入れ体制によって、予定どおりに進まないことがあります。そのため、荷下ろしの順番待ちや次の指示待ちといった待機時間が発生することもあります。こうした時間がどのように扱われるのかは、職場によって考え方が異なります。求人情報や面接時に、待機時間が勤務時間に含まれるのか、残業として扱われるのかを確認しておくと安心です。また、残業の頻度や発生しやすいタイミングについても、あらかじめ把握しておくことで、働き方のイメージが具体的になります。重機回送は、段取りと調整が重要な仕事だからこそ、時間の扱いに関するルールを理解したうえで求人を選ぶことが、納得感のある就業につながります。

まとめ

重機回送は、建設現場や土木工事に欠かせない重機を安全に運び、工事全体の進行を裏側から支える仕事です。業務内容は、事前準備から積み込み、回送、引き渡しまで流れが明確で、必要な免許や資格も求人内容によって整理されています。資格支援や研修体制が整っている職場もあり、未経験から段階的に覚えていける環境も少なくありません。回送エリアや時間の扱いを確認することで、自分に合った働き方を選ぶこともできます。仕事内容を理解したうえで、「できそう」「やってみたい」と感じた方は、まずは重機回送の求人情報をチェックし、自分に合う条件の職場を探してみてください。