集荷の仕事とは、企業や店舗、個人宅などを回り、発送予定の荷物を回収する業務のことです。配達と似ているように思われがちですが、「届ける」のではなく「集める」点が大きな違いです。近年はネット通販の拡大により集荷の需要も高まっており、安定した仕事のひとつとして注目されています。

本記事では、集荷の具体的な仕事内容や1日の流れ、実際に働くうえでのいいところや大変なところまで、わかりやすく解説します。これから集荷の仕事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

集荷の仕事内容とは?

集荷とは?配達との違い

集荷とは、発送を希望する荷主のもとへ出向き、荷物を回収して配送網へ引き渡す業務を指します。大手宅配事業者でも、集荷は配達とは別の業務として位置づけられており、依頼に応じて企業や店舗、個人宅などを訪問し、伝票確認や荷物の受け取りを行います。

一方、配達は営業所などに集められた荷物を届け先へ運ぶ業務です。つまり、配達が「届ける仕事」であるのに対し、集荷は「発送予定の荷物を集める仕事」という点が明確な違いです。集荷された荷物は、その後、仕分けや輸送工程を経て配送先へと送られます。

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集荷で扱う主な荷物

宅配便(小包・書類)

集荷で多く扱われるのは、宅配便として発送される小包や書類です。大手宅配事業者では、個人や法人からの集荷依頼に応じて、段ボール箱に梱包された荷物や封筒サイズの書類などを回収しています。

インターネット通販の利用拡大により、フリマアプリやEC出店者からの小口発送も増えており、こうした荷物の集荷は日常的な業務のひとつです。回収後は営業所へ持ち帰り、方面別に仕分けされたうえで輸送されます。

企業間配送の荷物

企業から企業へ送られる製品や部品、販促物なども、集荷対象となる代表的な荷物です。法人契約を結んでいるケースでは、毎日または定期的に指定時間へ訪問し、まとまった数量の荷物を回収します。

BtoB配送は、出荷時間があらかじめ決まっている場合が多く、時間厳守が求められるのが特徴です。こうした企業間配送の荷物は、安定した集荷業務の一部を担っています。

定期契約の回収物

宅配事業者では、法人や店舗と定期契約を結び、決まった曜日や時間帯に集荷を行うケースも一般的です。たとえば、通販事業者の商品発送分や、クリーニング業者・修理業者などの集配物が該当します。あらかじめ回収量や訪問スケジュールが設定されているため、ルートが固定されやすい点が特徴です。このような定期契約の回収物も、集荷業務の重要な柱となっています。

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集荷の仕事のいいところ

固定ルートが多い

法人と定期契約を結んでいる場合、日常的に出荷がある企業には継続的に集荷へ伺う仕組みが整えられています。そのため、訪問先や回収手順を覚えやすく、業務の流れが安定しやすい点が特徴です。ルートが固定されることで、地理や業務内容に慣れやすいのはメリットといえるでしょう。

接客ストレスが比較的少なめ

集荷は発送を希望する側への対応が中心で、特に法人対応では担当者とのやり取りが定型化している場合が多くあります。配達業務のように不在対応や再配達が発生する場面は少なく、荷物の受け取り確認が主な業務です。もちろん丁寧な対応は必要ですが、継続的な取引先とのやり取りが中心となるため、業務内容が安定しやすい点は特徴のひとつです。

安定需要がある

国内の宅配便取扱個数は、国土交通省や業界団体の公表資料によると、EC市場の拡大を背景に高水準で推移しています。通販利用の増加により、個人や事業者からの発送件数も一定数見込まれています。集荷は発送業務の入口にあたるため、配送需要がある限り必要とされる仕事です。こうした背景から、継続的な需要が見込まれている分野といえるでしょう。

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集荷の1日の流れ

出勤〜出発前準備

集荷ドライバーは出勤後、まず当日の集荷予定を確認します。事前に入っている予約情報や法人の定期集荷スケジュールをチェックし、伝票の有無や集荷件数を把握します。そのうえで、効率よく回れるようルートを確認します。また、道路運送車両法に基づき、運行前点検として車両のブレーキやライト、タイヤの状態などを確認することも重要な業務です。これらの準備を整えてから出発します。

午前の集荷業務

午前中は、企業や店舗への集荷が中心になることが一般的です。法人契約を結んでいる場合、あらかじめ決められた時間帯に訪問し、出荷予定の荷物を回収します。企業の営業時間内に対応する必要があるため、時間管理が求められます。定期便として毎日発生する荷物も多く、数量確認や伝票チェックを行いながら、営業所へ持ち帰る荷物を積み込みます。

午後の集荷・帰庫作業

午後は、午前中に対応できなかった依頼や当日新たに入った追加の集荷依頼に対応します。個人宅からの依頼もこの時間帯に入ることがあります。すべての集荷が終了した後は営業所へ戻り、荷物を荷下ろしします。その後、方面別に仕分け担当へ引き渡す、または所定の場所へ搬入します。日報の記入や業務報告を行い、1日の業務が完了します。

集荷の仕事が大変なところは?

時間指定が多い

集荷業務では、荷主から希望された時間帯に訪問する必要があります。特に法人の場合は営業時間内での対応が基本となり、「午前中までに出荷したい」「締め時間までに回収してほしい」といった要望に合わせて動きます。

宅配各社の集荷サービスでも時間帯指定が設けられており、ドライバーは限られた時間内で複数件を回る必要があります。そのため、効率的なルート管理と時間厳守が求められる点は大変な部分のひとつです。

荷物量の波がある

集荷する荷物の量は一定ではありません。年末年始や中元・歳暮の時期、ECサイトの大型セール期間などは発送件数が増える傾向があることが各宅配事業者の公表資料でも示されています。こうした繁忙期には、通常よりも多くの荷物を回収することになります。一方で閑散期もありますが、時期によって業務量に差が出やすい点は、あらかじめ理解しておきたい特徴です。

体力面の負担

集荷では、段ボール箱やケース物などを車両へ積み込む作業が発生します。荷物の大きさや内容物によっては重量がある場合もあり、持ち上げや積み下ろしを繰り返すことになります。宅配業界では台車やパレットなどの補助器具も活用されていますが、それでも一定の体力は必要です。運転だけでなく、荷扱い作業も業務に含まれる点は大変さのひとつといえるでしょう。

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集荷の仕事が向いている人の特徴

時間管理ができる人

集荷業務では、荷主から指定された時間帯に訪問する必要があります。複数の訪問先を効率よく回るためには、スケジュールを意識して行動できることが重要です。実際に求人情報でも「時間管理ができる方」「計画的に動ける方」といった条件が挙げられることがあり、時間意識は基本的な適性のひとつといえます。

運転が苦にならない人

集荷は車両を使用して移動する業務が中心です。普通自動車免許で従事できる求人も多く、日常的に運転を行います。そのため、長時間の運転や市街地走行に抵抗がないことは大切な要素です。安全運転を心がけながら、決められたルートを回ることが求められるため、落ち着いて運転できる人に向いている仕事といえるでしょう。

黙々と作業できる人

集荷では、荷物の確認や積み込み、伝票処理などを着実にこなしていく場面が多くあります。法人対応ではやり取りが簡潔に済むことも多く、作業中心の時間が長いのが特徴です。荷物の数量や送り状の確認など、正確さが求められる業務も含まれるため、目の前の作業に集中できる人は適性があります。コツコツと取り組むことが苦にならない方に向いている仕事です。

集荷の仕事で失敗しない職場の選び方

荷物の重量を必ず確認

集荷業務では、段ボールやケース物などを車両へ積み込む作業が発生します。求人情報には「重量物あり」「◯kg程度の荷扱いあり」など具体的に記載されている場合があります。体力的な負担は職場によって差があるため、応募前に荷物の重さや大きさの目安を確認することが重要です。面接時に実際の取り扱い荷物について質問することも一般的で、事前に把握しておくことでミスマッチを防ぎやすくなります。

件数・エリアを確認

1日に回る件数や担当エリアの広さは、働きやすさに大きく関わります。求人票には「1日◯件程度」「固定ルート」などと記載されていることがありますが、詳細は面接や説明会で確認するのが確実です。都市部と郊外では移動距離や交通状況も異なるため、担当エリアの特徴を知ることが大切です。具体的な件数や走行距離を把握しておくと、実際の業務イメージを持ちやすくなります。

企業中心か個人中心か

集荷先が法人中心か個人宅中心かによって、業務内容は変わります。法人中心の場合は定期的な訪問が多く、時間帯も比較的固定されているケースがあります。一方、個人宅の集荷は当日依頼が入ることもあり、時間帯が分散する傾向があります。求人情報や会社説明で集荷先の割合を確認することが重要です。自分の働き方に合った業務内容かどうかを事前に見極めることが、職場選びのポイントになります。

まとめ

集荷の仕事は、企業や個人宅を訪問して荷物を回収する業務であり、配達とは役割が異なります。1日の流れは、出勤後の準備から集荷、帰庫作業まで段取りよく進めることが求められます。時間指定への対応や繁忙期の物量増加など大変な面もありますが、固定ルートが多いことや安定した需要がある点は魅力です。向き不向きはありますが、事前に業務内容やエリア、荷物の種類を確認することでミスマッチは防ぎやすくなります。まずは集荷求人をチェックしてみる、あるいは固定ルート中心の仕事を探してみるなど、具体的な一歩から始めてみましょう。