
派遣社員で働くと、年収は正社員や契約社員よりも低くなるのでしょうか?
この記事では、公的な統計データを参考にしながら、派遣会社の年収について解説します。
派遣社員が年収をアップさせるためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
派遣社員の平均年収は?
まずは、派遣社員の平均年収や業種別の違いを見ていきましょう。
派遣社員の平均年収は約380万円
厚生労働省の令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)によると、派遣労働者の賃金の全業種平均は日給15,968円です。
月20日勤務として年収に換算すると380万円程度となり、フルタイムで働くと一定レベルで安定した収入を得られることがわかります。
業種別の平均年収
同じ報告書のデータをもとに、業種別の賃金の違いも見ていきましょう。
薬剤師:23,426円
看護師:16,267円
営業職業従事者:15,809円
機械整備・修理従事者:14,300円
一般事務従事者:11,656円
商品販売従事者:10,873円
飲食物調理従事者:9,847円
接客・給仕職業従事者:10,542円
看護師・薬剤師などの特別な資格が必要な職種や、営業職・機械整備などのスキルや経験が必要な職種は、派遣社員のなかでも賃金が高くなる傾向にあります。
年収に換算すると400~500万円程度になることが多いでしょう。一方で、一般事務やサービス業は賃金がそれほど高くなく、年収300万円を下回ることも考えられます。
このように、派遣社員の年収は業種によって大きく左右されます。
時給
令和4年派遣労働者実態調査の概況によると、派遣社員の平均時給は1,510円となっています。
内訳を見ると、「1,250円~1,500円未満」が27.8%、「1,000円~1,250円未満」が27.1%となっており、約半数の派遣社員が時給1,500円以内で働いていることがわかります。
医療系やIT系など専門性の高い職種や都市部での仕事は時給が高くなりやすく、時給1,700円を超えるケースも見られます。
交通費や賞与の支給
同じ調査結果から、通勤手当(交通費)や賞与の支給があるかどうかも確認してみましょう。
通勤手当については、84.4%が「支給がある」と回答しています。
賞与や一時金は、31.9%が「支給がある」、昇給については28.2%が「実施されている」という結果になっています。
正社員と比べて待遇はやや劣りますが、派遣社員にも賞与や一時金の受け取り、昇給などのチャンスがあることがわかるでしょう。
正社員・契約社員との年収比較

令和4年賃金構造基本統計調査の雇用形態別のデータでは、正社員・正職員の平均年収は328万円となっています。
また、令和3年有期労働契約に関する実態調査(個人調査)によると、契約社員の「現在の会社での年間収入」について、次のような回答が得られています。
100万円超~200万円以下:34.3%
200万円超~300万円以下:30.4%
300万円超~500万円以下:13.4%
この結果から、契約社員の約6割が年収300万円以下であることがわかります。
正社員は賞与などの待遇で有利な面が多く、契約社員に比べて年収が高めになっています。
派遣社員と契約社員を比較すると、雇用形態よりも職種による違いが年収に大きく影響するといえます。
派遣社員で働くメリット
派遣社員という働き方は柔軟性が高く、多様な職種にチャレンジできるなどのメリットがあります。
スキルや経験次第では高時給を狙える
派遣社員の賃金は職種やスキル、経験によって大きく異なり、専門性が高い分野ほど賃金が高くなる傾向にあります。
すでに資格を持っている人や、特定の分野で実務経験がある人は高時給を狙えるかもしれません。
未経験OKの仕事が多い
派遣社員の仕事は未経験OKの仕事が多く、新たなキャリアをスタートさせることも可能です。
また、派遣会社は研修制度も充実しているため、未経験の分野に挑戦しやすい環境が整っているといえるでしょう。
働き方の自由度が高い
家庭の事情で勤務地や勤務時間の制限がある人にとっても、派遣社員はおすすめの働き方です。
フルタイムの仕事だけでなく、「週3日程度」や「土日出勤・残業なし」など選択肢が豊富にあるため、自分に合った職場が見つかる可能性が高くなります。
派遣会社に相談できる
派遣会社には、仕事に関する悩みやスキルアップなどの相談に対応してもらえる窓口があります。
派遣先で困ったことがあっても派遣会社が間に入って調整してくれるため、安心して働くことができます。
契約終了のタイミングで働き方を見直せる
派遣社員は契約期間があらかじめ決まっているため、契約が終了したタイミングで働き方を見直すことが可能です。
ライフステージに合わせて職場を変更し、無理なく働き続けることができる点も、派遣社員ならではのメリットといえます。
派遣社員が年収アップするには?

派遣社員として年収を上げるためには、資格の取得や専門性が高い職種を選ぶなどの方法があります。
具体的に見ていきましょう。
資格を取得する
業務に直結する資格を持っていると、専門性やスキルの証明になり、高時給の案件にチャレンジしやすくなります。
業務内容によっては、特定の資格を保有していることが応募の条件になることもあるため、資格を取得することで仕事の幅も広がります。
中長期的なキャリアプランを立てて、資格の取得を積極的に検討していくとよいでしょう。
専門性が高い職種を選ぶ
専門性が高い職種は対応できる人材が限られるため、賃金が高めに設定されています。
具体的には、薬剤師やITエンジニア、建築技術者などがあげられます。また、営業職など、特別な実務経験が必要な職種も派遣社員の賃金が高くなる傾向があります。
派遣社員の仕事を探す際は、自分の経験を活かした仕事があるかどうかチェックしてみることをおすすめします。
派遣会社のエントリーシートに、自分の持っているスキルや職歴を詳しく書くことで、高時給の仕事を紹介してもらえる可能性も高まるでしょう。
紹介予定派遣を利用する
紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間働いた後に、正社員として採用されることを前提とした派遣の形態のことです。
正社員になると、年収アップや福利厚生の面で好待遇が期待できるため、紹介予定派遣に絞って派遣の仕事を探す方法もあります。
働く側は、派遣期間中に企業の雰囲気や実際の業務内容を確認できるため、ミスマッチの防止につながります。
採用側にとっても、すでに業務に就いている派遣社員をそのまま正社員として迎えられることは大きなメリットといえます。
まとめ
派遣社員の年収は業種によって大きく異なり、専門性が高い仕事や特別な実務経験が必要な仕事は賃金が高くなる傾向にあります。
年収アップを目指すには、資格の取得や専門性の高い仕事へのシフト、紹介予定派遣の仕事を探すなどの方法が有効です。
派遣社員として満足のいく年収を得るためにも、先を見据えた準備を行いましょう。




