
履歴書の免許・資格欄の中でも特に採用担当者が着目するのが自動車免許です。
バスやトラック、タクシーなどの運輸業はもちろん、一般の企業・職種でも取引先や客先に出かける、備品を調達する、その他社用で外出するなど、業務で車を運転する機会は多々あります。
この記事では履歴書の運転免許の書き方についてご説明します。
履歴書の免許・資格欄の書き方ガイド
ここでは、履歴書の免許・資格欄の書き方の基本をわかりやすく紹介します。
自動車免許が必須となる仕事例
自動車免許が必須となる仕事には、次のようなものがあります。
- 配送ドライバー
- 営業
- タクシー運転手
- 送迎ドライバー
- レンタカーの回送ドライバー
トラックドラバーや配送業の仕事内容を以下の記事で詳しくご紹介しています。
『トラックドライバーの仕事内容や年収は?必要な資格、メリット・デメリットも解説』
『配送ドライバーの仕事内容・やりがい・メリットをまとめて解説』
『ルート配送って何をするの?仕事内容から志望動機の書き方まで徹底解説!』
配送ドライバーに必要な免許は取り扱う車両によって異なり、普通免許のみで就労できる仕事も数多くあります。
営業職も、一般的には普通免許のみで問題ありません。
タクシー運転手の場合は、第二種普通自動車免許が必要になりますが、入社後に会社の支援を受けながら取得を目指すことも可能です。
送迎ドライバーは、介護施設や特定の企業に勤務する社員などの送迎を行います。
レンタカーの回送ドライバーは、顧客が使用したレンタカーを所定の場所まで運転して戻す仕事です。
履歴書の運転免許の記入例
運転免許を保有しているのであれば、「免許・資格」欄にその旨を記載しましょう。

「年」の項目には免許を取得した年、「月」の項目には免許を取得した月、「免許・資格」の項目には取得している免許の正式名称を記載し、その後に「取得」と書き添えます。
免許と資格を保有している場合は、免許の次に資格という順で記入します。
免許の名前は正式名称で書くようにしましょう。
取得年は、西暦か元号に統一します。
履歴書に運転免許を記載する際に意識したい注意点

履歴書の免許・資格欄の書き方自体は非常にシンプルですが、運転免許にはさまざまな種類があり、正確に記載しないと採用担当者との間に誤解が生じる可能性もあります。
ここからは履歴書に運転免許を記載する際の注意点を見ていきましょう。
免許は正式名称で記載する
免許・資格全般に言えることですが、履歴書には正式名称を記載しましょう。
「普通免許」だけでは、「普通自動車免許」なのか、「普通二輪免許なのか」がわかりません。また、普通自動車免許の中にはさらに「一種」「二種」という区分があります。
「普通自動車第一種免許」「普通自動二輪車免許」というように、必ず正式名称を記載しましょう。
免許の種類と正式名称の一覧
運転免許にはさまざまな種類があり、それによって運転できる車両や従事できる業務が異なります。
たとえば現行の普通自動車免許では車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満、乗車定員10人以下の自動車を運転することが可能です。それ以上の車両を運転する場合は準中型免許や中型免許、大型免許を取得しなければなりません。
また、旅客を乗せて運び、運賃をもらう旅客運送用の自動車を運転する場合は二種免許が必要です。
たとえば普通一種免許しか持っていないのに、普通二種免許が必要となるタクシーや大型免許が必要となる大型トラックを運転すると、当然のことながら道路交通法違反になってしまいます。
必ず履歴書を書く際には免許証を見て免許の種類を確認しましょう。下表で免許の正式名称と免許証に記載されている略称をまとめました。

取得日の記入方法と確認方法
履歴書には必ず免許の「取得日」を記載しましょう。
よくあるのが免許の住所欄の下部にある「交付」の日付を記載してしまうという間違いです。交付日は免許を更新する度に変わります。
取得日は免許証の左下の欄で確認することができます。二輪車の場合は「二・小・原」、普通免許を含めた四輪免許の場合は「他」、二種免許の場合は「二種」の欄に記載されている日付が取得日です。
なお、同じ区分、たとえば普通免許と大型免許を取得している場合などは、取得日が古いものが記載されます。すべての区分の取得日を知りたい場合は、警察署や免許センターで確認できます。
普通免許を取得した年によって記載方法が違う
普通免許の場合は道路交通法の改正によって運転できる自動車の対象が変わっているため、取得した年によって記載方法が異なることにご注意ください。

平成19年6月2日に中型免許が新設されました。
それまでに普通免許を取得した人は現中型免許で運転できる自動車のうち車両総重量8tまでの車両を運転することができます。
平成19年6月1日までに普通免許を取得された方は履歴書に「普通自動車(現 8t限定中型自動車)第一種免許」というように記載しましょう。

さらに、平成29年3月12日には準中型免許が新設されました。
平成19年6月3日から平成29年3月11日までの期間に普通免許を取得された方は5tまでの車両を運転できます。
「普通自動車(現 5t限定準中型自動車)第一種免許」というように記載しましょう。

平成29年3月12日以降に普通免許を取得された方は、「普通自動車第一種免許」と記載します。
法改正について
法改正によって、普通免許で運転できる車両の内容が変更されているので注意しましょう。
【平成19年6月1日以前に取得した場合】
平成19年6月2日に中型免許が新設されたことにより、それ以前に取得した普通免許は「8t限定中型第一種免許」、普通第二種免許は「8t限定中型第二種免許」とみなされることになりました。
【平成19年6月2日~平成29年3月11日に取得した場合】
平成29年3月12日以降は「5t限定準中型免許」となり、普通自動車と車両総重量が5t未満および最大積載量3t未満の準中型自動車を運転可能です。
【平成29年3月12日以降に免許を取得した場合】
平成29年3月12日に施行された改正道路交通法により、新たに「準中型自動車」が設けられました。これにより、普通免許で運転可能な自動車の車両総重量と最大積載量が引き下げられたため注意が必要です。車両総重量は5t未満から3.5t未満に、最大積載量は3t未満から2t未満に変更されました。
免許の取得方法

ここでは、免許の取得方法や取得におすすめのタイミングを紹介します。
普通自動車免許の取得方法と費用の目安
普通自動車免許の取得方法は3つあり、それぞれ費用の目安は次のとおりです。
- 教習所:約30万円
- 免許合宿:約25万円
- 一発試験:約3万円
教習所と一発試験のメリット・デメリット
一発試験とは、運転免許センターもしくは運転試験場で試験を受ける方法です。
教習所に通った場合と、一発試験のメリット・デメリットを比較してみましょう。
【教習所のメリット】
・運転技術が定着しやすい
・居住地に近い道路で練習できる
【教習所のデメリット】
・費用が高い
・免許取得までに時間がかかる
【一発試験のメリット】
・短期間で免許が取得できる
・時間を作って教習所に通う必要がない
【一発試験のデメリット】
・難易度が高い
・平日しか受験できない
一発試験の合格率は5%といわれるほど難易度が高く、合格できないと受験するたびに費用がかかります。
また、平日しか受験できないので注意が必要です。
取得におすすめのタイミングとは?
教習所や合宿で免許を取得する場合、比較的空いている4~6月、10~12月は費用が安くなることが多く、おすすめのタイミングといえます。
また、大学生の場合は、比較的余裕がある1年生のうちに免許を取得しておくとよいでしょう。
採用担当者が注目するポイント
採用担当者は、履歴書の免許・資格欄でどのようなポイントに注目しているのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
配送業の履歴書の書き方のポイントを以下の記事で詳しくご紹介しています。
『【配送ドライバー編】目指せ合格!目にとまる履歴書の書き方』
採用担当者が注目する免許・資格情報
応募した職種と関連がある免許や資格は、一定のスキルを有していることの証明になるため、注目されやすいといえます。
免許や資格をたくさん持っている場合は、アピールしたいものに絞って記載するのも一つの方法です。
免許・資格欄でアピールする方法
すでに取得済みの免許・資格に加えて、取得を目指して具体的に行動している場合も、「○○取得に向けて勉強中」「○○試験 結果待ち」といった形で履歴書に記載しておくと、効果的にアピールできます。
また、これまでに業務で培ったパソコンスキルなどを「その他のスキル」として、免許・資格とあわせて記載するのもおすすめです。
履歴書の運転免許の書き方Q&A

以上で履歴書に運転免許について記載する際の書き方や注意点をご説明しました。
ここからはよく皆さんが抱きがちな疑問に対してQ&A形式で回答していきます。
複数免許を持っている場合はどう書けばいい?
複数免許を取得している場合は取得日が古い順に記載するのが一般的です。
なお、一種免許と二種免許の両方を持っている場合は、二種免許で一種免許の対象となる車両(自家用車)を運転できるため省略することが可能です。
また、大型免許を取得している場合中型免許や準中型免許、普通免許の対象車両を運転することができるため、やはり普通免許を省略することもできます。
持っている免許はすべて書いたほうがいい?
可能であれば書くに越したことはありませんが、たとえば普通免許と二輪免許を取得していて一般的な企業に応募する場合で、運転する機会があまりない、普通免許で事足りるということであれば、普通免許だけでも問題ありません。
また、前述のとおり上位免許(二種免許や大型免許など)を取得していれば、その下位免許を省略することもできます。
マニュアル免許とオートマ限定免許は記載すべき?
マニュアル免許の場合は特に記載する必要はありません。
オートマ限定の場合は「AT限定」のように記載しておくことをおすすめします。

ペーパードライバーの場合はどうすればいい?
ペーパードライバーの方や運転が苦手な方、初心者の方でも、運転免許を取得していれば免許・資格欄に記載して問題ありません。
ただし、旅客運送業や運輸業などのドライバーの求人に応募する場合や、営業職やサービスエンジニアなど外出の頻度が多い職種に応募する場合などは、面接時にペーパードライバーであることを採用担当者に伝えておくのがおすすめです。
それによって配属先や勤務内容を考慮してくれる可能性があります。
運転免許を活かしたい!どんな業種がおすすめ?

運転免許を取得されているのであれば、それを活かして就職先や転職先を探すのもおすすめです。
特に大型免許や二種免許などを持っていれば、プロのドライバーとして活躍できます。
ここからは、運転免許の種類ごとに、それが活かせる業種や職種についてご紹介します。
就職活動や転職活動をされている方はもちろん、これから免許を取得される方、ドライバーを目指されている方は必見です。
普通免許
営業職やサービスエンジニア、軽貨物便やフードデリバリーなどの配達員など、取引先や客先に訪問する機会がある職種、物を届ける業務なら普通免許でも十分対応できます。
また、これら以外の職種でも社用で外出する機会は多々あります。
一般的な企業やドライバー職以外の職種でも、普通免許の取得が応募条件になっている場合があります。
大型免許
大型免許を持っていれば車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30名以上の大型自動車が運転できるようになります。
宅配便や運送会社のトラックドライバー、建設現場で活躍するダンプカーやミキサー車のドライバーになることができます。
普通二種免許
二種免許を取得していればお客様を乗せて運賃がもらえる、旅客運送業のドライバーとして運転に従事することが可能です。
普通二種免許を取得すればタクシーや運転代行、ハイヤーや介護施設、ホテルや旅館などの送迎ドライバーになることができます。
大型二種免許
大型二種免許を取得すれば、旅客運送用の大型車両が運転可能です。
路線バスや観光バスのドライバーになることができます。
けん引免許
けん引とは、自動車が貨車を引っ張ることを指します。
けん引免許を取得することで、トレーラーやタンクローリーなどのけん引車が運転可能です。
大型特殊免許
大型特殊免許を取得すればクレーン車やショベルカー、トラクター、除雪車などの特殊な車両を運転できるようになります。
建設・建築関連や土木、運輸・運送、農業、道路保守など幅広い業種で活用できます。
まとめ
採用担当者は運転免許の有無や種類についても注目しています。
運転が生業となるバスやタクシー、トラック会社などのドライバー職はもちろん、一般的な企業やドライバー職以外の職種であっても業務中に車を運転する機会は多かれ少なかれあるからです。
特定の運転免許を取得していることや、取得してから一定の期間が経過していることを応募条件としている会社もあります。履歴書に運転免許について書く際には、免許の種類や取得日を確認し、正確に記載しましょう。
また、運転免許以外の資格・免許の書き方やポイントについては、こちらの記事で詳しくご説明していますので、ぜひ併せて読んで免許・資格欄の書き方をマスターしましょう。
『自分のスキルと知識をアピール!履歴書の資格欄の書き方やおすすめ資格を紹介』